第988回 オーチャード定期演奏会7/23(日)15:00 Bunkamura オーチャードホール第156回 東京オペラシティ定期シリーズ7/27(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール第989回 サントリー定期シリーズ7/31(月)19:00 サントリーホール 問 東京フィルチケットサービス03-5353-9522 https://www.tpo.or.jp7月17日(月・祝)14:00 サントリーホール問 ヒラサ・オフィス03-5727-8830 https://www.hirasaoffice06.com44サートとはひと味違った感動をもたらすだろう。このレジェンドふたりの共演は聴き逃せない。 後半では名アレンジャー、大橋晃一によるこの演奏会のための編曲で、映画音楽の名作を贈る。「第三の男」「鉄道員」「ピンクパンサーのテーマ」「シェルブールの雨傘」「ロッキーのテーマ」というラインナップだが、いずれも歴史に残る映画の傑作であり、その音楽を記憶に留めているという方も多いはず。懐かしい名作を新しいアレンジで聴くというのが興味深い。 経験と年齢を重ねても、音楽に向き合う姿勢は常に新鮮な3人による期待のコンサートの開幕である。チョン・ミョンフン ©上野隆文グレゴリー・クンデ ©Chris Gloagらかな素顔とは裏腹に、ステージ上では錯乱する英雄の悲愴感を全身で表出する。今回は、そのクンデを招くと決めたマエストロの慧眼ぶりも大したもの。悪漢イアーゴには脂の乗り切ったバリトン、ダリボール・イェニスを起用し、若妻デズデーモナ役には名花、小ダリボール・イェニス荘村清志 ©Hiromichi NOZAWA文:岸 純信(オペラ研究家)文:片桐卓也小林厚子 ©Yoshinobu Fukaya林厚子を抜擢。他のキャストも日本が誇る名歌手たちで贅沢に纏めている。こんなに「穴のない配役」を目にするのも滅多にない。あとは、新国立劇場合唱団も含め、全員が万全の体調で挑んでくれさえすれば、「歴史に遺る公演」が体感できるだろう。チョン・ミョンフン(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団歌劇《オテロ》オペラ演奏会形式ヴェルディの傑作オペラを万全の布陣で聴く好機 「歴史に遺る偉業」—— それは前代未聞の業績を打ち立てること。その好例になりそうなのが、7月の東京フィルハーモニー交響楽団によるヴェルディ《オテロ》演奏会形式上演である。指揮者チョン・ミョンフンの剛毅さがオーケストラの覇気を高めるに違いなく、主演者もテノールのグレゴリー・クンデとは! 見逃すことなど出来るだろうか! クンデはかつて、ベッリーニのオペラでハイFを朗々と響かせ、ドリーブの《ラクメ》では抒情性の塊と激賞されたが、その後、体躯を少し大柄にしてロッシーニの《オテロ》に主演。烈しいコロラトゥーラと逞しい声音で大勝利した。ところが、彼はその後、ヴェルディの英雄的なオペラにも進出し、なかでも《オテロ》で圧倒的な成功を手に。もう70代目前なのに声も意欲も衰えず、前人未踏の道を歩んでいる。 クンデは若き日に大病を患った。それゆえ、健康にはひときわ気を付け、感情は舞台で全部吐き出したいよう。朗荘村清志 スペシャル・コンサート 2023レジェンドの共演で魅せるクラシック・ギターの豊かな世界 スペイン留学後、1969年に帰国リサイタルを開催して以来、日本のクラシック・ギター界を牽引してきた荘村清志。現在も積極的な活動を続けているが、その荘村を含め、日本のクラシック界のレジェンドが集合する「荘村清志 スペシャル・コンサート 2023」がサントリーホールで開催される。指揮の秋山和慶、ヴァイオリンの前橋汀子という強力なチームによって、聴きごたえのあるコンサートとなる。 演奏曲目だが、まず秋山指揮、東京フィルハーモニー交響楽団によるビゼー「アルルの女」第2組曲でスタート。荘村が加わり、ギター協奏曲の最高傑作と言われるロドリーゴの「ある貴紳のための幻想曲」が演奏される。さらに前橋と荘村はデュオで、エルガー「愛の挨拶」など3曲を共演するが、ギターとヴァイオリンという珍しい組み合わせによる名曲集は、普段のコン
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