拡大版はぶらあぼONLINEで!→♪♪♪う」と評されるとおり、いつも笑顔で、誰とでも親しくなれるのが取り柄だ。木村達也先生 実は、なつみは昨年の日本ウェルネス高校の開校と吹奏楽部の創部に際し、同じ茨城県の水戸女子高校から転校してきたのだった。 吹奏楽の虜になったのは幼稚園のとき。6つ上の姉が小学校の金管バンドや中学校の吹奏楽部で活躍するのを目にし、「私も楽器がやりたい!」と姉の後を追いかけて演奏に熱中した。そして、心奪われたのが、姉が入った水戸女子高校吹奏楽部だった。コンクールやイベントまで追いかけて演奏を聴くうち、その明るくて美しい演奏の中心にいるのは指揮者の木村先生だと気づいた。「木村先生の指揮で演奏すること」 それがなつみの夢になり、なつみ自身も水戸女子高校に進学した。木村先生が日本ウェルネス高校に移るのに合わせて転校したのは自然な流れだった。上田なつみさん 1年目の日本ウェルネス高校吹奏楽部はわずか8人だった。しかし、木村先生は積極的に外部での演奏予定を組み、年間70ステージを経験することができた。木村先生のつてで集まった大人たちを交えて、日本ウェルネスウィンドオーケストラとしても活動した。 吹奏楽コンクールでは高校の部への出場が認められず、職場・一般の部への出場となった。結果、茨城県大会で銀賞を受賞した。 2年目となる今年度、1年生がなんと12人も入ってきてくれた。部員数は17人になった。 吹奏楽部の練習は、平日は13時15分から16時55分。練習時間はしっかり取れている上、終了時間は比較的早い。部活が終わると、部員たちは木村先生が運転するバスで駅まで送ってもらう。手を振って去っていく部員たちは、家に帰って家事を手伝ったり、塾へ通ったり、友達と遊びにいったり、バイトにいったりする。部長に就任したなつみも、週3で飲食店でアルバイトをしている。「バイトもできるし、学校でスマホも使えるし、寄り道や買い食いもできる。思い切り部活をやりながらこんなに『JK』できるなんて、ほかにはなかなかないんじゃないかな」 なつみはいまの環境が気に入っている。ほかにも、通信制で学びたい、部活を満喫したい、部活以外のこともしたい……と考える学生は少なくないのではないだろうか。だとしたら、今後部員はもっと増えていくかもしれない。 なつみには目標がある。「日本ウェルネス高校吹奏楽部の伝説の部長」になることだ。何年経っても、「2代目の上田なつみ部長は偉大な人だったんだよ」と語り継がれるようになりたい。 今年の吹奏楽コンクールは高校の部で東関東大会までの参加が認められた。上位大会に進むのはもちろん、イベントでも目の覚めるような演奏を披露して、多くの人を驚かせたい。「通信制の学校ってこんなにすごい演奏をするんだ!」と。 伝説の代をつくる、伝説の部長になる――。 なつみや部員たちの前には、広域通信制高校の持つ大きな可能性が広がっている。41
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