eぶらあぼ 2023.7月号
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取材協力:サントリーホールね。第1楽章はニコライ・ルビンシテインを失った悲しみが描かれますが、第2楽章では「人生は続いている」というポジティヴな希望もあります。でも最後はまた悲しみに戻り、ルビンシテインの存在の大きさが伝わってきます。そうした構成が素敵だと思います。―― 鈴木さんが指揮される読売日本交響楽団の演―― 鈴木さんが指揮される読売日本交響楽団の演奏会はどういうプログラムですか?奏会はどういうプログラムですか?鈴木 最初にマーラーの交響曲第5番より「アダージェット」を演奏します。コロナ禍で演奏活動がすべて中止になったあと、2020年7月に読響が初めて音を出したのがこの曲でした。最初のヴィオラのドの音が鳴り始めて、ホールに響く音があまりに美しかったのを思い出します。そこから3年ということで、ぜひ、また演奏したいと思いました。 モーツァルトのピアノ協奏曲第21番では、ジャン・チャクムルくんに弾いてもらいます。森下 前半は「銀幕を彩る名曲たち」ということで映画につながりのある音楽を並べました。―― 映画『ヴェニスに死す』と『みじかくも美しく燃―― 映画『ヴェニスに死す』と『みじかくも美しく燃え』ですね。え』ですね。鈴木 後半は、メンデルスゾーンがスコットランドの情景を描いた交響曲第3番。これは僕が一番好きなシンフォニーなのですが、同時に一番難しいシンフォニーだと思っています。コラールのような第1楽章の出だしから心を鷲掴みにされます。左より:森下 唯、松田華音、鈴木優人 写真提供:ジェスク音楽文化振興会―― バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の演奏会―― バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の演奏会も指揮されますね。も指揮されますね。鈴木 ヴァイオリンの佐藤俊介くんがヴィヴァルディ「四季」で、既存の概念にとらわれない新鮮な演奏を披露してくれると思います。―― そのほかに注目の公演は?―― そのほかに注目の公演は?鈴木 今年は、パシフィックフィルハーモニア東京(PPT)に登場していただき、「アナザーエデン」というゲーム音楽のコンサートをやります。―― 最後にメッセージをお願いします。―― 最後にメッセージをお願いします。鈴木 カラフルなプログラムができたと思います。読響、BCJ、PPT、フェスティバル・オーケストラの個性の違いを聴き比べていただきたいです。森下 クラシック音楽に慣れていない人にも聴きやすい、面白いプログラムがもりだくさんです。地元の方々に足を運んでいただきたいですね。松田 今回、初めての調布国際音楽祭、初めてのピアノ三重奏、初めての共演者にワクワクしています。37Information調布国際音楽祭 20236/24(土)〜7/2(日) 調布市グリーンホール、調布市文化会館たづくり、調布市せんがわ劇場、深大寺本堂 他https://www.chofumusicfestival.com※音楽祭の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。

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