7/12(水)〜8/1(火) 札幌コンサートホール Kitara、札幌芸術の森、苫小牧、江別、奈井江、函館、東京 他■ パシフィック・ミュージック・フェスティバル組織委員会 011-242-2211 https://www.pmf.or.jp※フェスティバルの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 レナード・バーンスタインが創設に携わった国際教育音楽祭「パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌(PMF)」が今年も開催される。期間は7月12日から8月1日まで。世界トップレベルの音楽家たちからなる教授陣と、各国からオーディションで選ばれた若手音楽家たちが集結する。 今回はポーランド出身の気鋭クシシュトフ・ウルバンスキ、デンマーク出身の実力者トーマス・ダウスゴーという日本でも親しまれているふたりの指揮者がPMFオーケストラと共演する。 ウルバンスキは「オープニング・ナイト」「PMFオーケストラ演奏会(札幌、苫小牧)」に出演。メイン・プログラムにはショスタコーヴィチの交響曲第5番が選ばれた。くりかえし演奏される名曲であっても、スコアを一から見直して、慣習にとらわれずに作品の核心に迫るのがウルバンスキの基本姿勢。オーケストラと一体となって、清新な演奏を聴かせてくれることだろう。PMFオーケストラ演奏会では、新世代の旗手ヤン・リシエツキをソリストに招いてグリーグのピアノ協奏曲も演奏される。リシエツキとウルバンスキは過去の共演でも息の合ったところを見せてくれた。名演の予感が漂う。 ダウスゴーは「ピクニックコンサート」「PMF GALAコンサート」「PMFオーケストラ東京公演」で、ブルックナーの交響曲第9番(第4楽章補筆完成版)他を指揮する。通常であれば第3楽章までしか演奏されない未完の作品であるが、第4楽章にサマーレ、フィリップス、コールス、マッツーカによる補筆完成版(2012年)を用いて、本来あるべき大作としてクシシュトフ・ウルバンスキ©Marco Borggreveトーマス・ダウスゴー ©Thomas Grøndahl この名曲をよみがえらせる。ダウスゴーによれば、このフィナーレは作品の印象のみならず作曲家像まで変えるものだという。また、金川真弓をソリストに迎えたメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲も聴きものとなるだろう。 室内楽公演では豪華教授陣の妙技を堪能できる。「PMFベルリン演奏会」ではフルートのアンドレアス・ブラウ、オーボエのアンドレアス・ヴィッドマン、ホルンのサラ・ウィリス、トランペットのタマーシュ・ヴェレンツェイといったベルリン・フィルの名手たちが登場。クルーグハルトの木管五重奏曲や、バーンスタイン(プライス編)「ウエストサイド・ストーリー」組曲抜粋他を披露する。「PMFウィーン演奏会」にはウィーン・フィル勢が出演。ヴァイオリンのライナー・キュッヒルとダニエル・フロシャウアーらが、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番を中心としたプログラムを組む。「PMFアメリカ演奏会」では北米メジャー・オーケストラの首席奏者たちが集まり、ドヴォルザークの弦楽五重奏曲第2番やオーリックの木管三重奏曲などバラエティに富んだ曲目を演奏する。 これらに加えて札響による「PMFホストシティ・オーケストラ演奏会」や、公開マスタークラスなど教育プログラムも用意される。充実のラインナップが札幌の夏を鮮やかに彩る。ヤン・リシエツキ ©Christoph Köstlin文:飯尾洋一金川真弓 ©Kaupo Kikkas34パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌 2023世界中から集う名匠と若手奏者たちが真夏の札幌を彩る
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