eぶらあぼ 2023.5月号
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第984回 サントリー定期シリーズ 5/10(水)19:00 サントリーホール第154回 東京オペラシティ定期シリーズ5/12(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール第985回 オーチャード定期演奏会 5/14(日)15:00 Bunkamura オーチャードホール問 東京フィルチケットサービス03-5353-9522 https://www.tpo.or.jp7/23(日)13:00 東京文化会館問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 https://www.t-bunka.jp44作品、「死の島」は交響曲第2番やピアノ協奏曲第3番に近い1909年に書かれた充実期の作品、「交響的舞曲」はアメリカ亡命後の1940年に書かれた生涯最後の完成作品。すなわちここで、半世紀近くに及ぶ作風の変遷が端的に示される。また、「岩」はチェーホフの小説『旅中』に着想を得たチャイコフスキー風の音楽、「死の島」はベックリンの絵に基づいた印象派をも思わせる音楽、「交響的舞曲」は多彩なリズムが弾むシンフォニックな音楽で、それ大友直人 ©Rowland Kirishima そして一方の目玉が特典満載の「上野1dayパス」(開演までにチケットと引換え要)。動物園や美術館・博物館の入場料無料、老舗食堂のドリンクやデザート一品無料などの限定パスだ。家族でうまく使えば、あっというまに数千円のお得になる。名建築が揃う上野ぞれの描き分けも注目される。 ピアノ協奏曲でも交響曲でもなく、管弦楽曲のみでラフマニノフの生涯を追う、極めて稀にして示唆に富んだこのプログラム。ぜひとも生で体感したい。ミハイル・プレトニョフ ©Takafumi Ueno笹沼 樹 ©Taira Tairadateの文化施設巡りは子どもたちの好奇心を大いに刺激するはず。そして実は大人だけの利用もOK。暑い夏、飲食店のサービスには多くの店舗で「生ビール一杯無料」も含まれている。夏休み最初の日曜日をまるまる一日、上野と音楽をたっぷり楽しもう!文:柴田克彦文:宮本 明ミハイル・プレトニョフ(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団魔術的なタクトで紡がれる人気作曲家の変遷 東京フィルにポストを持つ3人の外国人マエストロの中でひと際個性的なのが、特別客演指揮者のミハイル・プレトニョフだ。超一流のピアニストでもある彼は、その高い芸術性を指揮の分野でも発揮し、“クールにして生気漲る”といった風情や他にない色彩感を持った唯一無二の音楽を紡ぎ出す。東京フィルで聴かせた最近の好例が、2月のチャイコフスキー「マンフレッド交響曲」。それは、精緻で濃密かつ引き締まった、同曲のイメージを変える快演だった。 ひと工夫されたプログラムも彼の魅力。5月のラフマニノフ・プロはまさにそうだ。今年生誕150年&没後80年を迎えた同作曲家の作品はあまねく取り上げられているが、幻想曲「岩」、交響詩「死の島」、交響的舞曲が並ぶ今回は、プレトニョフの面目躍如たる内容と言っていい。「岩」はモスクワ音楽院卒業直後の1893年に書かれた初期の夏休み子ども音楽会2023 上野の森文化探検充実した上野での経験を、夏休みの思い出の1ページに! 夏休みのお出かけを計画中のパパママ、おじいちゃんおばあちゃんに今年も朗報! 東京文化会館の「夏休み子ども音楽会」は、家族全員でお得に楽しめる、うれしいコンサートだ。 お話付き1時間のコンサートは、大友直人(指揮とお話)と東京都交響楽団。ソリストに笹沼樹を迎えて、ラヴェル「ボレロ」やサン=サーンス「白鳥」、ビゼー「アルルの女」など、おなじみのフランス音楽を軸にしたプログラムを聴かせる。少年時代の笹沼がプロを志すきっかけになったのが、子どもたちが奏者として都響と一緒に舞台に立つ、かつて東京文化会館で行われていた教育プログラムだったというから、ここは思い出深い場だ。入場料は小中学生が全席1100円、大人はS席3300円~B席1100円というお手頃価格で前回から変わらず。値上げのニュースばかりでため息が尽きない昨今、これはありがたい。

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