5/10(水)19:00 トッパンホール問 トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 https://www.toppanhall.com40ほどの交響詩の再演に期待したい。エルガーも、最近の井上が好んで取り上げる作曲家である。とりわけ、「南国にて」は、昨年2月の東京フィルの定期演奏会でも演奏するなど、お気に入りのようである。ヴィオラの長大なソロが魅力的な作品。情熱的な演奏を繰り広げるに違いない。エルガーのチェロ協奏曲では、2021年のジュネーヴ国際音楽コンクールの優勝者である上野通明が独奏を務める。20世紀に書かれたチェロ協奏曲のなかで最も演奏頻度が高いこの作品を、上野がどう料理するのか興味津々である。東京オペラシティシリーズ 第133回6/3(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール問 TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511 https://tokyosymphony.jpツァルトなのだから期待はふくらむ。 モーツァルトが「青春の旅」の途上のマンハイムで作曲したハ長調 K.296、旅を経験した後の精神的な深みを感じさせるト長調 K.379(373a)、そしてウィーン時代のよりスケールの大きな変ロ長調 K.454の3つのソナタを軸にしたプログラム。これらのソナタの醍クリスティアン・ベザイデンホウト ©Marco Borggreve井上道義 ©Yuriko Takagi平崎真弓 ©Harald Hoffmann醐味は各楽器の軽やかで多彩な発音による語りや対話、歌にあるが、それには作曲家の時代様式のフォルテピアノやガット弦を張ったヴァイオリンほど適したものはない。これらの楽器も曲も知り尽くした二人のことだ。自由で軽やかな精神に満ちた極上のモーツァルトを聴かせてくれるに違いない。文:山田治生文:那須田 務井上道義(指揮) 東京交響楽団独創的なプログラムから感じるマエストロの世界観 2024年末での指揮活動からの引退を表明している井上道義。しかし彼の指揮は、22年度のサントリー音楽賞を受賞するなど、ますます充実度を増している。まさにカウントダウンが始まっているだけに、彼の一つひとつの演奏会がとても貴重である。 6月には東京交響楽団の定期演奏会に客演し、武満徹と自作とエルガーを取り上げる。武満の「3つの映画音楽」からの2曲(『ホゼー・トレス』から「訓練と休息の音楽」、『他人の顔』から「ワルツ」)はともにビートのきいた音楽であり、井上の踊るような指揮が楽しめるだろう。井上は、今年1月、自伝的なミュージカルオペラ《A Way from Surrender~降福からの道~》を発表するなど、創作活動にも取り組んでいるが、今回演奏される交響詩「鏡の眼」は、彼が作曲活動を始めた頃(約20年前)に書かれた、自画像的な作品である。マーラーからの影響もある15分クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ) & 平崎真弓(ヴァイオリン) ―モーツァルトと遊ぶ時代様式を知り尽くした二人が織りなす極上のモーツァルト この5月にトッパンホールで、クリスティアン・ベザイデンホウトと平崎真弓がモーツァルトのソナタ等を取り上げるリサイタルを行う。 ベザイデンホウトは欧州屈指の名フォルテピアノ奏者。軽やかな繊細なタッチで鍵盤から香しい薫りを引き出すような演奏が魅力だ。目下フライブルク・バロック・オーケストラの芸術監督の一人を務めるなど、ますます欧州の音楽界になくてはならない存在になっている。一方の平崎はライプツィヒのJ.S.バッハ国際コンクール第2位等のコンク-ル受賞後欧州で活動していたところ、やはりドイツの名門古楽オーケストラ、コンチェルト・ケルンから是非ともうちのコンサートマスターにとスカウトされた。以来、機知と創造性に富むと同時に、生き生きした躍動感あふれる演奏で欧州の音楽ファンを魅了し続けている。互いに人柄も音楽も明るくてチャーミング。そんな二人のモー
元のページ ../index.html#43