eぶらあぼ 2023.5月号
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それでも踊るそれでも踊る者たちのために者たちのためにProfileのりこしたかお/作家・ヤサぐれ舞踊評論家。『コンテンポラリー・ダンス徹底ガイドHYPER』『ダンス・バイブル』など日本で最も多くコンテンポラリー・ダンスの本を出版している。うまい酒と良いダンスのため世界を巡る。http://www.nori54.com128乗越たかお第103回 「前代未聞の舞踊評論家養成講座を始めるよ!」 オレは日本のコンテンポラリー・ダンスの黎明期ヨーロッパとの交流を長年支援してきたEU・ジャパから約40年間にわたって見続け、日本で一番多くンフェスト日本委員会が助成してくれている。のコンテンポラリー・ダンスの本を出版し、国内外 その他にも、受講者をあっと言わせるようなアレの100を越えるダンス・フェスティバルを取材してきコレの企画を考え中だ。 応募希望者は5月に愛知と神奈川で行われるた。その経験を次の世代に伝え、「ガチで舞踊評論家を養成するプロジェクト」が、この号が出る頃にKIDD PIVOT公演『リヴァイザー/検察官』の評論は始まっているはずだ。で申し込んでもらう。プロを目指す以上、現代の最 それが「舞踊評論家【養成→派遣】プログラム」重要振付家であるクリスタル・パイトの公演を見逃すことなどありえないからだ。である。5名ほどの受講生に絞り、5回にわたってオレが考えたプログラムを受けてもらう。よくある「書 じつは欧米ではすでに若いダンスライターの本き方教室」ではない。というか書くだけですむと思格的な養成が始まっている。前述の「スプリング・うなよ。全員でGaga(イスラエル発の身体トレーニフォワード」でも現役の評論家が若手を育てる「スプリングバック・アカデミー」を展開しているほどでング法)も受けてもらう。評論家たる者、世界で最も注目されているダンスメソッドくらいは、当然に知っある。ておかねばならないからな(Zoom受講も可、だが 両輪であるべきアートと評論。しかしダンスに比要全員参加の回もあるのだ)。べて日本の舞踊評論はアップデートする場が、そもそもなかった。熱い応募を待ってるぞ! 希望者は さらに日本の舞踊評論家に最も欠けているのが、海外のフェスティバル経験だ。その結果、日本DaBYのサイトを各自ググって。国内の公演や映像を見ただけで「世界のダンス」を ちなみにオレは心の中でこのプロジェクトを先月語るようなチンケなことになっている。号に書いた「ドイツで有名振付家が、作品を酷評していた舞踊評論家の顔に犬の糞をなすりつけた事 だったら連れていこうじゃないか! このプロジェクトではなんと受講者の中から2名を選び、来年の件」にちなみ、DSB(Dog Shit Back)と呼んでい春にドイツで予定されている「スプリング・フォワーる。全ての犬の糞は、誰かの頬の上から、あるべきド」という若手中心のダンスフェスへ送り込むこと場所へ帰って行きますように。になっている。 こんな養成プロジェクトは前代未聞だろう。 むろんオレだけでは無理で、賛同してくれるパートナーがいて初めて可能になった。 講座に関しては、日本のダンス環境革新のために先鋭的な活動を続けているダンスハウス「Dance Base Yokohama(DaBY)」の全面バックアップ。海外派遣については、日本の様々なアーティストと

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