eぶらあぼ 2023.5月号
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122主よ、人の望みの喜びよ/ニコイチヴァイオリンハイドン:交響曲集 Vol.19/飯森範親&日本センチュリー響レガシー/アレキサンダーホルンアンサンブルジャパン我々が現在一番耳にする機会の多い“平均律”ではなく、重なり合った音の響きの美しさを重視した“純正律”でアンサンブルを行っている「ニコイチヴァイオリン」。共に卓越した技術と感性を持つ齋藤真知亜、律子によるデュオである。デビュー作となる本盤には、彼らが大切にする純正律で演奏された、バッハにヴィターリからピアソラ、葉加瀬太郎まで幅広い楽曲が収められた。その音色はどこか懐かしさやあたたかさを感じさせる。二人が行っている編曲、最も心地よい響きを活かした音作りによる演奏は、耳慣れた楽曲に新たな生命を与えている。   (長井進之介)「ハイドンなんて、つまらない」。そんなことを決して言わせまいと、覇気あふれる快演で、その交響曲の魅力を伝えている日本センチュリー交響楽団の「ハイドンマラソン」。首席指揮者の飯森範親のもと、全104曲を8年かけて上演、併せてCD収録を行うという、2015年にスタートした壮大なプロジェクトだ。第19弾となるCDでは、三部作の最終作・第8番「晩」をはじめ、エステルハージ宮廷楽団時代の作品を収録。清冽で端正ながらも、ハイドンが曲の随所に仕込んだ音楽的かつ知的な“遊び”もつぶさに掬い取られてゆく。「晩」の緩徐楽章など、各楽器のソロの美しさも際立っている。(笹田和人)朴葵姫、2年ぶりの新譜は昨年12月にソウルのJCCアートセンターで行われたリサイタルのライブ録音。音量が大きいわけではなく、かつ極めて繊細なニュアンスの変化を味わいたいギターのソロでライブアルバム? との疑念を覆す大成功の1枚! 細部と全体の響きを二つながらに上手く捉えた優秀録音も相まって、朴の常ながらの精密極まりないピッキングにライブならではの感興の高まりが感じられて圧倒される。シューベルト(メルツ編)の「セレナーデ」における情感の深さ、ディアベリでの多彩な表現、そして難曲ヒナステラでの驚くべき技巧の冴え。ギターファンのみならず聴いていただきたい。(藤原 聡)アレキサンダーホルンアンサンブルジャパンは、ホルン製作の名門・独アレキサンダー社の楽器を愛する首都圏オケの奏者たちが集まって1999年に結成された。同社創業240周年に贈るサード・アルバム、目玉は吹奏楽や管弦楽の編曲ものだろう。J.ウィリアムズの爽快なファンファーレに始まり、超人気作「フェスティバル・ヴァリエーション」(C.T.スミス)は限界すれすれをいくテクニック、アクロバティックなフレーズの連続だ。《ばらの騎士》組曲(R.シュトラウス)は、10本のホルンが生み出すたっぷりとした量感をもったサウンドが、七色の輝きを放つ。名器と名手のコラボが生む新時代の音像。(江藤光紀)ハイドン:交響曲第46番 ロ長調、同第34番 ニ短調、同第8番 ト長調「晩」飯森範親(指揮)日本センチュリー交響楽団ファリャ:ドビュッシーの墓にささげる讃歌/シューベルト(メルツ編):涙の讃美、セレナーデ/ディアベリ(ブリーム編):ギター・ソナタ イ長調 第2番/ヴィラ=ロボス:前奏曲第2番、同第3番、ショーロス第1番、エチュード第12番/ヒナステラ:ギター・ソナタ朴葵姫(ギター)収録:2022年12月、ソウル(ライブ)日本コロムビアCOCQ-85605 ¥3300(税込)J.S.バッハ:シャコンヌ(齋藤真知亜/齋藤律子編)、主よ 人の望みの喜びよ(齋藤律子編)/ヴィターリ(齋藤真知亜/律子編):シャコンヌ ト短調/ピアソラ(齋藤真知亜編):タンゴの歴史より カフェ1930/葉加瀬太郎(同):情熱大陸 他ニコイチヴァイオリン【齋藤真知亜 齋藤律子(以上ヴァイオリン)】マイスター・ミュージックMM-4516 ¥3300(税込)J.ウィリアムズ(小林健太郎編):オリンピック・ファンファーレとテーマ/小林健太郎:ホルン六重奏曲第1番「インターナショナル・ディストリクト」/C.T.スミス(小林編):フェスティバル・ヴァリエーション/R.シュトラウス(大橋晃一編):《ばらの騎士》組曲 他アレキサンダーホルンアンサンブルジャパン妙音舎MYCL-00031 ¥3300(税込)収録:2020年10月、ザ・シンフォニーホール 他(ライブ)オクタヴィア・レコードOVCL-00806 ¥3520(税込)CDSACDCDCDThe Live/朴葵姫

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