第649回 定期演奏会〈トリフォニーホール・シリーズ〉 5/13(土)14:00 すみだトリフォニーホール〈サントリーホール・シリーズ〉 5/15(月)19:00 サントリーホール問 新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815 https://www.njp.or.jp4/16(日)~5/14(日) 川崎市アートセンター、昭和音楽大学 他問 アルテリッカしんゆりチケットセンター044-955-3100https://www.artericca-shinyuri.com この4月から佐渡裕が音楽監督に就任し、新体制のシーズンに入る新日本フィルハーモニー交響楽団。5月の定期に登壇するのは、びわ湖ホール芸術監督をはじめ、各地で特別な成果を挙げ続ける沼尻竜典。佐渡の信頼も厚い名匠で、新体制の定期で最初の客演指揮者となる。 演奏会前半はシベリウスのヴァイオリン協奏曲。ソリストはスウェーデン出身、カール・ニールセン国際音楽コンクール第1位など、北欧の期待の新星として注目を集めるユーハン・ダーレネ。瑞々しく透明感も備えた美音をもつ、2000年生まれの俊英で、その本領を北欧の傑作で体験できるのは嬉しい。左より:沼尻竜典/ユーハン・ダーレネ © Mats Bäcker/砂川涼子 ©Yoshinobu Fukaya/山際きみ佳/清水徹太郎 後半はメンデルスゾーンの交響曲第2番「讃歌」。3人の独唱、合唱とともに、聖書の言葉による神への讃歌を歌い上げる内容で、60分を超える大作ながら、精妙かつ晴れやかな音楽と胸を打つ旋律にあふれた壮麗な名作である。沼尻がすべてをまとめて雄大に構築してくれるだろうし、ソプラノ砂川涼子、メゾソプラノ山際きみ佳、テノール清水徹太郎、栗友会合唱団と新国立劇場合唱団という、豪華声楽陣の歌唱がする。また日本を代表するオペラ団体である藤原歌劇団の新制作のオペラ G.ドニゼッティ作曲《劇場のわがままな歌手たち》、注目の歌手4名「Quattro Aria」による日本の芸術歌曲や歌謡曲のコンサート、神奈川フィル・コンマスの石田泰尚を中心とした「トリオ・リベルタ」の公演なども見逃せない。さら響きわたるのが楽しみでならない。 ところで、「讃歌」は演奏機会が多い曲とはいえないが、新日本フィルは2019年に上演しており、わずか4年での再演となる。しかも今年は複数楽団が本作を演奏する予定。偶然ではあろうが、この3年間の疫禍を乗り越えて、堂々と歌声を響かせられるようになる時期、実にふさわしく象徴的な作品である。新緑の季節の本公演、喜びの歌声に一層の感動がこもるはず。に川崎市麻生区黒川に稽古場を持つ劇団民藝、読売日本交響楽団、日本オペラ振興会の3団体が合同で行う、名作文学の朗読、弦楽四重奏、佐藤美枝子(ソプラノ)と小堀勇介(テノール)によるオペラアリアの公演は大きな話題を呼びそうだ。今年の春は“しんゆり”で芸術に溢れた日々を過ごしてみては。文:林 昌英文:長井進之介黒木雪音74沼尻竜典(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団讃歌の力強い響きと、北欧の俊才が奏でるシベリウス川崎・しんゆり芸術祭 アルテリッカしんゆり2023楽しめる公演がきっとある、バラエティ豊かなプログラム 小田急線「新百合ヶ丘」駅を中心に、2009年から毎年春に行われている「アルテリッカしんゆり」。駅周辺の会場などで開催される大々的な芸術の祭典として、近隣住民はもちろんのこと、小田急線沿いの他の街に住む人々からも注目されているイベントだ。オペラ、バレエ、オーケストラ、演劇、伝統芸能など、様々なジャンルのアーティストが集う世界的にも稀な芸術祭であり、老若男女幅広く楽しめるバラエティに富んだ公演が予定されている。 第15回となる今回は、4月16日から5月14日まで、川崎市内8会場を舞台に開催。クラシック公演には話題の演奏家が多数出演する。まずは2022年のダブリン国際ピアノコンクール、「リスト ユトレヒト」(リスト国際コンクール)の優勝者であり、地元・昭和音楽大学および同大学院出身のピアニスト、黒木雪音。小林研一郎指揮の東京交響楽団とリストのピアノ協奏曲第1番を演奏
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