eぶらあぼ 2023.4月号
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5/13(土)19:00、5/14(日)15:00 水戸芸術館コンサートホールATM問 水戸芸術館 チケット予約センター029-231-8000 https://www.arttowermito.or.jp4/25(火)19:00 トッパンホール問 トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 https://www.toppanhall.com水戸室内管弦楽団・別府アルゲリッチ音楽祭共同制作水戸室内管弦楽団 第111回定期演奏会アルゲリッチが得意のプログラムでMCO初登場のマテウスと共演!文:片桐卓也 別府アルゲリッチ音楽祭が今年も開催される(4/26~7/17、テーマ「ミーティングポイント 違いを超えて」)が、ここでは水戸室内管弦楽団(MCO)との共同制作である「水戸室内管弦楽団 第111回定期演奏会」をご紹介したい。希代のピアニスト・アルゲリッチはこれまで4回、我が国を代表する室内オーケストラである水戸室内管弦楽団と共演を重ね、そのたびに圧倒的な感動をもたらした。今回はそれに加え、世界の最前線で活躍する若手指揮者ディエゴ・マテウス(ベネズエラ出身)が指揮者として初参加するということで、より期待が高まっている。 マテウスは小澤征爾MCO総監督からの信頼も厚く、2022年からは小澤征爾音楽塾の首席指揮者となった。この3月には《ラ・ボエーム》公演も指揮する。2月には東京二期会主催の《トゥーランドット》の指揮も担当し、スケールの大きな音楽作りによって、プッチーニの最後のオペラを鮮やかに現代に再現した。 そのマテウスとアルゲリッチが共演するというニュースは、まさに嬉しい驚きだ。ふたりが共演する作品はラヴェルの「ピアノ協奏曲 ト長調」である。これはアルゲリッチが得意とする協奏曲のひとつで、彼女の衰えることのない音楽への情熱をその演奏から教えルを引き締めるキーマンとなる。また、周防、柳瀬、笹沼の3人は、昨年1月の「トッパンホール ニューイヤーコンサート」で、繊細に歌を重ねていくシューベルトの弦楽五重奏曲を奏でたメンバーでもあった。 曲目は、ベートーヴェンの第1番とシューベルトの第15番に、ウェーベルディエゴ・マテウス 左より:周防亮介 ©JUNICHIRO MATSUO/猶井悠樹/柳瀬省太/笹沼 樹 ©Taira Tairadateンの2作品が入る、ウィーン・プログラム。ファースト・ヴァイオリンは、ベートーヴェンでは猶井、シューベルトは周防が担当、それぞれの持ち味を生かす。優秀な奏者を集めただけのドリーム・チームではない。弦楽四重奏ならではの調和と表現力を発揮してくれることだろう。マルタ・アルゲリッチ ©Rikimaru Hottaてくれる作品でもある。精鋭を集めた水戸室内管との共演、そしてマテウスの緻密で情熱的なリードによって、ラヴェルの魅力が存分に味わえるだろう。他に、プロコフィエフの交響曲第1番「古典的」、コダーイの「ガランタ舞曲」なども演奏される。聴き逃せない注目公演だ。文:鈴木淳史60トッパンホール アンサンブル Vol.11 ウィーンの街に響いた弦楽四重奏曲精鋭揃いぶみでウィーンゆかりの傑作群に挑む 「トッパンホール アンサンブル」は、室内楽の殿堂トッパンホールの名物企画だ。ホール自ら選曲を手がけ、曲に見合った奏者を選ぶ。今回は11回目にして、初めて弦楽四重奏曲によるプログラムを組む。 室内楽の花形たる弦楽四重奏だが、作品が要求するだけのアンサンブルを作り上げるには、時間と経験が必要だ。今回は、それを成し遂げるにふさわしいメンバーを抜擢、リハーサルにも丹念に時間をかけて本番に臨む。 ヴァイオリンを情熱的に歌わせる周防亮介。猶井悠樹は鋭いベートーヴェン解釈が持ち味のヴァイオリン奏者だ。日本の室内楽シーンには欠かせぬ存在となったヴィオラ奏者、柳瀬省太。チェロの笹沼樹はスケールの大きい音楽を作り出す。 笹沼はカルテット・アマービレ、柳瀬もストリングクヮルテットARCOなどの一員として活躍。今回もアンサンブ

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