eぶらあぼ 2023.4月号
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コジマ録音ALCD-9240 ¥3300オクタヴィア・レコードOVCL-00802 ¥3520(税込)日本コロムビアCOCQ-85602 ¥3300(税込)収録:2017年3月、フランクフルト(ライブ)ソニーミュージックSICC 10430 ¥2750(税込)幅広い音楽性で定評のあるソプラノ佐藤朋子による、昨年生誕110年を迎えた山田一雄(1912-1991)の歌曲集。「水色のワルツ」などで知られる二葉あき子が1938年に創唱した軽快なフランス歌曲風の〈もう直き春になるだろう〉がよく知られた作品で圧巻だが、詩人・深尾須磨子が敗戦直後の世田谷に実在した人々の喜怒哀楽を生き生きと綴った連作(『明星』に発表)をもとにした大作「祖師ヶ谷より」や宮沢賢治の童話から有名な「どっどど どどうど~」のフレーズ等を抜き出して歌にした〈風の又三郎〉も素晴らしい。ヴォカリーズ〈小さなメロディ〉に込めた遊び心も素敵だ。(東端哲也)この数年で屈指の名ヴァイオリニストとして広く知られる存在になった、金川真弓のデビュー盤。昨秋のリサイタルツアー直後のセッション録音で、「リサイタル」を再現する趣向。CD中盤の武満とドビュッシーは、華美にならない色調で硬派に楽曲の本質をつかむ。「クロイツェル」は、響きは研ぎ澄まされ、ハートは熱く、まっすぐに大作の世界に入り込み、見事な構築をみせる。ピアノは強いタッチでその解釈を補強。そして無伴奏ソナタの見事さ! 誠実に穏やかに、しかし感興豊か。音色は澄みきり、密度は高く、いつまでも浸りたいバッハの名演。大器の誕生を確信する。 (林 昌英)日本を代表するコンポーザー・ピアニストとして強い存在感を示している山中惇史の待望のソロ・アルバムがリリースされた。様々な時代のショパンの楽曲を並べ、それらの間に自作曲を置くことで、物語を読んでいくような感覚を味わうことができる。山中の音色の美しさと技術が存分に発揮されており、特に「舟歌」や「幻想ポロネーズ」では多彩なニュアンスを使い分け、楽曲のもつ表情を鮮やかに聴き手へと届けてくれる。また、愛らしい初期のポロネーズでみせるようなチャーミングな音の扱いも魅力的である。ピアニストとしての山中の様々な面に出会える一枚だ。(長井進之介)11年かけて完成され、2021年に発売されたブルックナー交響曲全集の最後の録音。第0番を「シューベルトやメンデルスゾーンの衣鉢を継ぐ、疑いもなく偉大な作品」と位置付けるパーヴォは、誠意をもって曲に取り組み、生気に溢れた演奏を展開している。全体に速めのテンポと緻密かつ引き締まった彫琢が印象的。躍動的な第1楽章、味わい深い第2楽章、元気いっぱいの第3楽章、変幻自在の第4楽章と、終始聴き応え十分だ。後の名作の萌芽が随所にみられながらも、これ自体魅力作であることを示した第0番。名盤が少ないだけに単独でのリリースを喜びたい。(柴田克彦)126J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ長調/武満徹:妖精の距離/ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調/ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調「クロイツェル」金川真弓(ヴァイオリン)ジュゼッペ・グァレーラ(ピアノ)山田一雄:天の原、靜かなる我が家、もう直き春になるだろう、祖師ヶ谷より、宮沢賢治・三章、貧しき贈物、遙かな花、蜂のうた、小さなメロディ佐藤朋子(ソプラノ)塚田佳男(ピアノ)ショパン:ワルツ イ短調 遺作、バラード第1番 ト短調、春、ノクターン第2番 変ホ長調(ヴァリアント付)、舟歌 嬰ヘ長調、ポロネーズ第7番「幻想」、ワルツ第2番 変イ長調「華麗なる円舞曲」/山中惇史:翡翠の時、Inter Ⅰ、Inter Ⅱ、Inter Ⅲ、憧れ 他山中惇史(ピアノ)CDSACDCDSACD山田一雄歌曲集 ―日本の音風景・心景色 Ⅱ―/佐藤朋子&塚田佳男リサイタル/金川真弓&ジュゼッペ・グァレーラショパン ―旅路―/山中惇史ブルックナー:交響曲全集Vol.9 交響曲第0番/パーヴォ・ヤルヴィ&フランクフルト放送響ブルックナー:交響曲 ニ短調「第0番」(原典版/ノーヴァク校訂)パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)フランクフルト放送交響楽団

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