eぶらあぼ 2023.3月号
77/149

3/4(土)15:00 めぐろパーシモンホール (完売)問 めぐろパーシモンホールチケットセンター03-5701-2904 https://www.persimmon.or.jp3/11(土)13:00 新宿文化センター問 新宿文化センター03-3350-1141 https://www.regasu-shinjuku.or.jp/bunka-center/「白鳥の湖」を題材にバレエの楽しみ方をわかりやすく解説 世界的なバレエダンサーである熊川哲也は、2003年、Kバレエ スクールを設立した。同スクールでは、独自のメソッドに基づいてプロフェッショナルなダンサーを志す生徒を育てると同時に、情操教育の一環としてのバレエ普及にも力を注いでいる。現在、小石川本校・恵比寿・吉祥寺・横浜・大宮の5校を開設し、さらなる展開を目指している。 この3月、新宿未来創造財団主催「はじめてのバレエ鑑賞」が、Kバレエ カンパニー、Kバレエ スクールの出演により行われる。熊川が芸術監督を務めるKバレエ カンパニー(1999年創設)が2003年以降上演を重ねる「白鳥の湖」の実演を通して、作品の見どころや上演中の拍手のタイミングのようなバレエの基礎知識、鑑賞マナーをわかりやすく解説する。  子ども向けに古典作品をアレンジした公演や解説付きの舞台は少なくないが、バレエ鑑賞に焦点を絞って構成されているのが値打ちだ。Kバレエのめぐろパーシモンホール開館20周年記念/目黒区制施行90周年記念未来の音 ガラ・コンサート選り抜きの俊英たちの“今”を一挙に堪能! 3月の「未来の音 ガラ・コンサート」は、いま最も勢いのある俊英ソリストの演奏をまとめて堪能できるビッグチャンスだ。「未来の音」は、めぐろパーシモンホールで2007年から行われている若手演奏家のリサイタルシリーズ。同ホールの開館20周年と目黒区制施行90周年を記念して開催される本公演では、過去の出演者3名が、角田鋼亮指揮、読売日本交響楽団と共演する。 出演者はまずヴァイオリンの周防亮介。16年ヴィエニャフスキ国際をはじめ数々のコンクールで良績を残した後、着実に成長を遂げており、艶やかな美音で歌心やドラマ性に富んだ音楽を聴かせる。曲はブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番。これは周防の特徴がフルに生きる作品だ。次いでチェロの上野通明。21年ジュネーヴ国際コンクール優勝で脚光を浴びた彼は、堅牢な技巧を持つ上に、スケール感や表熊川哲也主宰のKバレエ スクールによる はじめてのバレエ鑑賞情の幅をグングンと広げている。曲はドヴォルザークのチェロ協奏曲。上野も再三名演を聴かせている説明要らずの名作だ。そしてピアノの岡田奏。13年プーランク国際コンクール等で実績をあげた彼女も、内外で活躍し、瑞々しく生き生きとした演奏でファンを増やしている。曲はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。この名曲もまた本格的な踊りに触れながら、子どもも大人もバレエ公演の楽しみ方を知る貴重な機会となるだろう(3歳未満入場不可)。 なお公演同日に、Kバレエ スクールが主催するワークショップが開催され周防亮介 ©JUNICHIRO MATSUO上野通明岡田 奏 ©Makoto Kamiyaる(有料・定員制・先着順)。同スクールの講師、専属ピアニストが指導するワークショップで、Kバレエ スクールで実践している基礎を重視した指導に基づく。対象は4歳から6歳のバレエ初心者となっている。©Izumi Sakurai文:柴田克彦文:高橋森彦角田鋼亮 ©Hikaru Hoshi岡田が冴えた技巧と雄弁な表現力を発揮するに相応しい。 ソリストは人気抜群の実力者、演目は各楽器の代表作ばかり。期待の俊才・角田の指揮、ゴージャスなサウンドで魅せる読響のバックも心強いし、それだけでも聴く楽しみがある。ソリスト、オーケストラ、曲目と3拍子揃った本公演は、文句なしに要注目だ。74

元のページ  ../index.html#77

このブックを見る