eぶらあぼ 2023.3月号
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3/11(土)14:00 東京文化会館(小)問 ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212https://www.japanarts.co.jp同じピッチで響かせるという、滅多にない境地です。また、二重唱の一節も取り上げますので、その時は自分も声を合わせようかなと思っています。肩の凝らない内容で、新しい愉しみ方をご提供すべく励んでいます。ご来場お待ちしています!」Interview彌勒忠史(カウンターテナー/企画・構成)オペラの新しい愉しみ方を紹介する人気シリーズ番外編取材・文:岸 純信(オペラ研究家) 「言葉がメロディを生む」とよく言われるが、オペラの現場では「同じ旋律をたびたび使う」作曲家が結構いて、上手くいけばそれで劇的表現がより膨らむことも。たとえば、ロッシーニの名作《セビリアの理髪師》で陰口を勧める男バジリオの「笑いの音型」が、同じ作曲家の悲劇《オテッロ》では「激昂した夫が妻の首を絞める」シーンに転用されていたりする。優れた旋律であればあるほど、様々な情景にフィットする―その不思議な面白さを、名歌手・彌勒忠史が、ナビゲーターとして解き明かす! 「ヨコスカ・ベイサイド・ポケットの『オペラ宅配便シリーズ』は、もう20年以上続いていますが、今回は制作側から切り口を変え、オペラ一作ではなく、コンサートのスタイルでの番外編の企画をと提案されました。それで思いついたのが、同じメロディが全然違う境地で展開する面白さを、皆さまに体感していただこうというこの企画です」 かくして音楽史に名高い3人、モンテヴェルディ、ヘンデル、モーツァルトの名曲が並ぶことに。 「こんな大作曲家たちでも、一つの旋律を使い回すことがあったんですね。まあ、替え歌のような楽しみ方でしょう。でも、自分が小学生の頃に作っていたおバカな替え歌とは違うから(笑)、聴けば『カッコいい!』となるわけです。ほぼほ漆原啓子デビュー40周年記念Vol.3漆原啓子(ヴァイオリン) & 野平一郎(ピアノ) デュオ・リサイタル「デビュー40周年記念」トリロジーの最終章 漆原啓子が18歳でヴァイオリンの難関、ヴィエニャフスキ国際コンクールで日本人初の優勝を飾ったのは1981年。デビュー40周年を経た2022~23年にかけ、3回連続で企画したリサイタルのフィナーレが3月11日、東京文化会館小ホールで行われる。毎回、ピアニストと取り上げる作品の文化圏を変えてのトリロジー(三部作)。22年3月13日の同ホールは秋場敬浩とロシア&アルメニアの作品、11月9日のHakuju Hallは長年のデュオ・パートナーのドイツ人、ヤコブ・ロイシュナーとドイツ=オーストリアのソナタ、そして第3回は野平一郎を迎え、フランスのソナタと野平への委嘱新作初演で締めくくる。 「野平さんは天才過ぎて、最初にお会いした頃は恐れ多かったのですが(笑)、たまたま家が近所で往来が始まり、国立音楽大学の教職でもご一緒するようになって打ち解けました。初回の秋場さんも野平さんの紹介です。記念リサイタルの最後をご一緒できて、光栄に思います」と、漆原は期待を込めて語る。ぼ同じメロディラインで歌詞しか変わっていないのに、表現する世界は全くの別物です。たとえば、モンテヴェルディがオペラ《アリアンナ》で「主人公が男に捨てられて嘆く」アリア(イタリア語)を作り、そのメロディを、キリストの死を悼むマリアの歌にすべく、ラテン語の歌詞で〈聖母の涙〉と題する宗教曲にしちゃったり。ソプラノの澤江衣里さんにしたら『大変。どうやって歌い分けたらいいの!』となりますが、当日は楽しんで歌ってくださることでしょう」 ほかにも、ヘンデルの名曲〈泣くがままにさせて〉がカンタータに転じたり、モーツァルトの初期のオペラ・アリアが歌曲に変化したり。どんな風に変わって聴こえるかと興味津々のプログラムである。 「今回、実は、ピアノとポジティフ・オルガンが一緒に演奏する曲も用意しました。現代のピアノと古楽のオルガンをオペラ宅配便シリーズ 番外編 Non Solo Opera!オペラだけじゃない! 〜オペラと歌曲の密な関係〜3/5(日)14:00 ヨコスカ・ベイサイド・ポケット問 横須賀芸術劇場046-823-9999 https://www.yokosuka-arts.or.jp漆原啓子 ©谷口大輔文:池田卓夫野平一郎 ©YOKO SHIMAZAKI62

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