eぶらあぼ 2023.3月号
63/149

第153回 東京オペラシティ定期シリーズ3/9(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール第982回 サントリー定期シリーズ3/10(金)19:00 サントリーホール第983回 オーチャード定期演奏会3/12(日)15:00 Bunkamura オーチャードホール問 東京フィルチケットサービス03-5353-9522 https://www.tpo.or.jp4/23(日)15:00 文京シビックホール問 シビックチケット03-5803-1111 https://www.b-academy.jp/hall/のために書かれた。あの「フニクリ・フニクラ」をはじめ、南イタリアの民謡の旋律をふんだんに引用し、カゼッラならではの華麗なオーケストレーションで聴かせてくれる。 そして、この日のメインとなるのは、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」(オルガン:石丸由佳)だ。19世紀のフランス音楽の代名詞たるシンフォニーをバッティストーニが東京フィルで振るプソディ・イン・ブルー」、リストのハンガリー狂詩曲第2番、ショパンのバラード第1番など、得意の独奏曲をそれぞれ披露するほか、ミヨーの「スカラムーシュ」をデュオで、山中が編曲を手掛けるバーンスタインの「ウェストサイド・ス中野翔太 ©Taira Tairadateアンドレア・バッティストーニ ©上野隆文のは、意外にも初めて。成熟したコンビネーションが燦然たるスペクタクルを築いてくれるだろう。金子三勇士 ©Seiichi Saito山中惇史 ©Takafumi Uenoトーリー」をトリオで華やかに聴かせるなど、バラエティに富んだエキサイティングな内容。三者とも作曲や編曲を手掛けるクリエイティブなピアニストだからこそ実現できる夢のプログラムだ。文:鈴木淳史文:飯田有抄60アンドレア・バッティストーニ(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団伊仏の文化的交流を示唆する巧みなプログラム バッティストーニは東京フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者として、7度目のシーズンを迎えた。3月の定期公演では、イタリアとフランスの作品を組み合わせたプログラムを披露する。 プログラム前半は、これら両国による文化的な交流を示唆する2曲。ベルリオーズの序曲「ローマの謝肉祭」は、歌劇《ベンヴェヌート・チェッリーニ》からのモティーフで作られた管弦楽曲だ。後半のテンポの速い部分には、イタリアの民族舞踊であるサルタレロのリズムを取り入れるなど、ローマ賞を受賞したベルリオーズがイタリア留学で得た経験も生かされている。 2曲目は、カゼッラの狂詩曲「イタリア」だ。今年生誕140年を迎えるカゼッラは、パリ音楽院で学んだイタリア器楽運動の先導者。オペラが偏重されていたイタリアのなかで、交響曲やピアノ曲といった分野で頭角を現した。この「イタリア」は、1910年のパリ万博中野翔太・金子三勇士・山中惇史 トリプルピアノ88鍵×3台から放たれるエキサイティングなサウンド 2021年4月より改修工事のため休館していたシビックホールが、この1月26日に大ホールをリニューアルオープンし、豪華記念公演が続々と開催されている。ピアノ・ファンなら外せないのは、中野翔太、金子三勇士、山中惇史が3台のピアノで織りなす「トリプルピアノ」のコンサートだ。 ともに伸び盛りの30代で、キャリアも実力も申し分ない3人であるが、それぞれの個性も際立つピアニストである。中野はクラシック音楽はもちろん、難解で演奏困難な20世紀音楽やジャズまで幅広い音楽を自在に演奏する。金子は超絶技巧が際立つリスト作品のレパートリーで聴衆を魅了し続け、NHK-FMの音楽番組司会でもお馴染みだ。山中はピアノ演奏に加え作曲家・アレンジャーとしても数々のアーティストから信頼を寄せられ、飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍ぶりである。 コンサートは、ガーシュウィンの「ラ

元のページ  ../index.html#63

このブックを見る