eぶらあぼ 2023.3月号
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雲沙季先生のもと、クラシカルな演奏のみならず、ポップスにも力を入れている。スローガンは「魔法をかける鴻陵サウンド」だ。 だが、ここ最近、国府台は苦難続きだった。 全国ポピュラーステージ吹奏楽コンクールは毎回出場し、1回の優勝を含めて常に上位の成績だったが、昨年度の第6回は入賞もできなかった。2年生はショックで泣き崩れた。 2022年度になっても、全国大会出場を目指していた吹奏楽コンクールは、東関東大会銀賞で終わった。毎回優勝していた全日本ブラスシンフォニーコンクールは部員にコロナ陽性者が出たため、無念の欠場となった。 それだけに、クリスマスイブに行われる全国ポピュラーステージ吹奏楽コンクール全国大会への思いは強まっていた。目指すは「優勝」だ。 この大会で国府台は《ムーンライト・セレナーデ》《シング・シング・シング》《Mr.インクレディブル》と48こうのだいコンクール優勝の裏側――「音楽の魔法」を見つけた日 コロナ禍も3年、ぶらあぼ編集部では多くの音楽家から吹奏楽部の苦難の状況を耳にしてきました。そこで吹奏楽と言えばこの方、吹奏楽作家のオザワ部長に登場いただき吹奏楽部を応援する企画を始めました。まだマスクが取れない日々ですが、音楽へひたむきな情熱を燃やす若者の姿は、見ている私たちも元気にしてくれます。「第7回全国ポピュラーステージ吹奏楽コンクール全国大会、高等学校の部。優勝に輝いたのは……千葉県立国府台高等学校吹奏楽部です!」 アナウンスが横須賀芸術劇場に響くと、臙脂色のジャケットを着た部員たちが客席で「キャーッ!」と歓喜の声を上げた。 2022年12月24日、クリスマスイブに手にした栄誉。だが、実は国府台はその前日、大きな「プレゼント」をもらっていたのだった。♪♪♪ 国府台高校は千葉県市川市にあり、多くの生徒が大学に進む進学校だ。「鴻陵(こうりょう)楽団」の異名も持つ吹奏楽部は例年4月で3年生が引退するため、1、2年生主体の活動ながら、県内でも上位の強豪として知られている。 外部指導者で指揮者の須藤信也先生、顧問の南取材・文・写真:オザワ部長(吹奏楽作家)♪♪♪Vol.7 千葉県立国府台高等学校吹奏楽部

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