eぶらあぼ 2023.3月号
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園田隆一郎 ©Fabio Parenzan沼尻竜典岡田昌子中村真紀今井俊輔大沼 徹栗山民也宮本亞門アレホ・ペレス ©Ishka Michocka粟國 淳徹というスター・バリトンが配され、その他のキャストも日本のオペラ界の第一線で活躍するメンバーが揃った。また、振付・ステージングに、演劇やオペラ、ダンスなど幅広く活躍する広崎うらんがクレジットされているのにも注目したい。 東京二期会との共催公演となる《午後の曳航》は、三島由紀夫の小説をハンス・ヴェルナー・ヘンツェがオペラ化したもので、1990年にベルリン・ドイツ・オペラで初演。その後2003年にゲルト・アルブレヒト指揮の読売日本交響楽団が演奏会形式で日本語版を初演している。本公演は2005年の改訂ドイツ語版となる。宮本亞門が《金閣寺》に続き2作目の三島作品演出となるが、宮本自身この作品を「いつかは演出したい」と熱意を語っている。指揮はザルツブルク音楽祭などで活躍するアレホ・ペレス。 そのほか、〈日生劇場ファミリーフェスティヴァル〉として、大人気ファンタジー小説『精霊の守り人』と、画家・絵本作家ヒグチユウコの絵本『せかいいちのねこ』が初舞台化される。また、谷桃子バレエ団による『くるみ割り人形』は今回のために特別に改訂演出・振付が施された“日生劇場版”とのこと。 60年というのは、日生劇場で初めての舞台鑑賞を経験した世代にそろそろ孫もできようかという年月だ。歴史の重みとともに、新たな一歩を踏み出そうとする劇場の意欲的な姿勢も十分に感じられるラインナップは、どれも見逃せない作品ばかりだ。Information日生劇場 開場60周年記念 主催公演ラインナップ[NISSAY OPERA 2023]《メデア》 5/27(土)、5/28(日)各日14:00 指揮:園田隆一郎 演出:栗山民也 管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団出演:岡田昌子、中村真紀(以上メデア)、清水徹太郎、城 宏憲(以上ジャゾーネ) 他《マクベス》 11/11(土)、11/12(日)各日14:00 指揮:沼尻竜典 演出:粟國 淳 管弦楽:読売日本交響楽団出演:今井俊輔、大沼 徹(以上マクベス)、田崎尚美、岡田昌子(以上マクベス夫人) 他《午後の曳航》東京二期会との共催公演 11/23(木・祝)17:00、11/24(金)14:00、11/25(土)14:00、11/26(日)14:00指揮:アレホ・ペレス 演出:宮本亞門 管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団[日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2023]音楽劇『精霊の守り人』 7/29(土)〜8/6(日) 原作:「精霊の守り人」 上橋菜穂子作 偕成社刊 脚本:井上テテ 演出:一色隆司舞台版『せかいいちのねこ』 8/19(土)、8/20(日) 原作:「せかいいちのねこ」 ヒグチユウコ作 白泉社刊 脚本・演出・振付:山田うんバレエ『くるみ割り人形』〜日生劇場版〜 8/25(金)〜8/27(日)演出・振付:谷 桃子 改訂演出・振付:髙部尚子 出演:谷桃子バレエ団■ 日生劇場03-3503-3111 https://www.nissaytheatre.or.jp ※ラインナップの詳細は左記ウェブサイトでご確認ください。43

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