eぶらあぼ 2023.3月号
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6月の見もの・聴きもの■■■■■■ 通常公演では、ロト=レ・シエクルの多彩な曲目をひっさげた連続公演(ムジークフェライン)、ベルリン・コーミッシェ・オーパーのヘンデル・ツィクルス、ベルリン古楽アカデミーのグレトリ「ゼミールとアゾール」公演、かつてミュンヘン・フィルの音楽監督であったティーレマンがバイエルン放送響の方に登場して演奏するブルックナーの交響曲第5番、シュトゥットガルト歌劇場でプレミエとなる大作メシアンの「アッシジの聖フランチェスコ」、スカラ座とオランダ国立オペラでのドヴォルザーク「ルサルカ」プレミエ対決、スペイン2大歌劇場でのヤーコプスとクリスティの指揮、ラトル=ロンドン響のメシアン「トゥーランガリラ交響曲」など、これまた枚挙に暇がない。おや、ベルリン・フィル、シーズン最後のワルトビューネ公演をネルソンスに委ねたペトレンコはどこへ行ったのか。何とコンセルトヘボウ管でバルトークの「かかし王子」全曲を振っているではないか。これも大注目。さらに、本文には触れられなかったが5月から6月にかけてコンヴィチュニーがドルトムント劇場でワーグナー「ジークフリート」を演出している(https://www.theaterdo.de/produktionen/detail/siegfried/)。ぜひHPでご確認を。(曽雌裕一・そしひろかず) (コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演ウィーン・フォルクスオーパー管[会場:フォルクスオーパー(ウィーン)]◎6月24(19:00)、29(19:00)日 O.M.ヴェルバー(ac/cm)指揮 ヴィヴァルディ/ピアソラ:8つの季節(L.デシャトニコフ編曲) 独/J.ルーヴェンmdアン・デア・ウィーン劇場[会場:ミュージアム・クォーター・ホールE(ウィーン)]〔注〕アン・デア・ウィーン劇場は改修工事中です(2024/25シーズンに再開場予定)。それまで MuseumsQuartier・Halle E(Museumsplatz 1,1070 Wien)を代替会場として公演が行われます。◎6月2(19:00)、4(19:00)、6(19:00)日 ベルク:ルル[23年5月プレミエ](ウィーン芸術週間) 指/M.パスカル、演出/M.M.フレイタス、出/V=L.ベッカー、B.スコウフス、A.S.フォン・オッター、K.リドル、演奏/ウィーン放送響ウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(MIL)=スカラ座(ミラノ)]◎6月17(15:30)、18(11:00)、19(19:30)、20(20:00)(MIL)日 R.シャイー指揮R.シュトラウス:ドン・ファン、グントラム〜第1幕への前奏曲、火の消えた町〜愛の場面、英雄の生涯ウィーン響[会場:無印=コンツェルトハウス(ウィーン)、(PR)=プラーター公園(野外/ウィーン)]◎6月23(19:30)、24(15:00)、25(11:00)日〔Ⅰ〕オーストリアウィーン第40回国際音楽祭(5月29日-6月26日)[会場:コンツェルトハウス大ホール(ウィーン)](6月分/主要公演のみ)◎6月1(19:30)日 A=S.ムターvn、M.ホルヌングvc、L.オーキスp ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番「幽霊」、S.カリアー:ゴースト・トリオ、クララ・シューマン:3つのロマンス、ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番6月9(19:30)、11(19:30)日 T.クルレンツィス指揮ユートピア マーラー:交響曲第3番独/W.レームクールA◎6月14(19:30)日 A.ヴォロドスp F.モンポウ、スクリャービンの作品◎6月16(19:30)日 J.フルシャ指揮ウィーン放送響 マルティヌー:パラボリー「レ・パラボール」、リゲティ:チェロ協奏曲、M.カベラーチ:交響曲第2番 独/A.ワイラースタインvc◎6月23(19:30)、24(15:00)、25(11:00)日F.ルイージ指揮ウィーン響 エルガー:ヴァイオリン協奏曲(23/25日のみ)、フランツ・シュミット:交響曲第2番 独/V.フラングvn(23/25日のみ)ウィーン国立歌劇場◎6月1、21日 ワーグナー:ラインの黄金 指/F.ウェルザー=メスト、演出/S=E.ベヒトルフ、出/E.オーウェンズ、M.ヘスラー、D.イェンツ、M.ラウレンツ◎6月2日 プーランク:カルメル派修道女の対話[23年5月プレミエ] 指/B.ド・ビリー、演出/M.フックスベルガー、出/N.カー、B.リヒター、M.シュスター、S.ドゥヴィエル◎6月3、8、12日 ショスタコーヴィチ:ムツェンスク郡のマクベス夫人[23年5月プレミエ] 指/A.ソディ、演出/M.ハルトマン、出/ 6月も音楽祭企画からのご紹介。まずは、ライプツィヒでの恒例「バッハ音楽祭」。ヘレヴェッヘ、コープマン、ムニエ等のバッハに見識ある指揮者陣や、ゲヒンガー・カントライ、アマルコルドといったこの音楽祭常連ともいえる団体など多数のアーティストがずらりと並ぶ。その中で、トリを務めるのは鈴木雅明指揮するバッハ・コレギウム・ジャパン。すっかりこの音楽祭の顔になっている。 6月といえば「ミュンヘン・オペラ・フェスティバル」の開幕月だが、今年は、オーストラリアの現代作曲家ブレット・ディーンの「ハムレット」で幕開けという異色の展開。とはいうものの、この作品、指揮者のユロフスキーが2017年に「グラインドボーン・オペラ・フェスティバル」で世界初演を行ったいわく付きの作品。初演の際オフェーリアの熱演で話題となったバーバラ・ハンニガンはもうここには登場しないが、代わりにノルウェー生まれの話題のコロラトゥーラ、キャロライン・ウェッターグリーンがこの役を演じる。そういえば、バイロイト音楽祭のエリーザベト役で大喝采を浴び、今やスター街道を突き進むリーザ・ダヴィドセンもノルウェー人だし、2月にサロメ役でウィーン国立歌劇場を湧かせたマリン・ビストレムはスウェーデン人。最近、北欧系女声歌手の存在感が著しい。なお、ミュンヘンには、こ136G.グロイスベック、A.ストゥンディーテ◎6月4、22日 ワーグナー:ワルキューレ 指/F.ウェルザー=メスト、演出/S=E.ベヒトルフ、出/G.ベッルージ、A.アンガー、E.オーウェンズ、T.ウィルソン、R.メルベート6月6、10、13、17日 モーツァルト:フィガロの結婚 指/P.ジョルダン、演出/B.コスキー、出/A.シュエン、H=E.ミュラー6月10、16日 L.フォルマー:チック 指/J.メルトル、演出/K.ヴィンケル◎6月11、25日 ワーグナー:ジークフリート指/F.ウェルザー=メスト、演出/S=E.ベヒトルフ、出/K.F.フォークト、R.メルベート、E.オーウェンズ、N.ベイナート6月15、19、24、27日 マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナ/レオンカヴァッロ:道化師指/D.ハーディング、演出/J=P.ポネル◎6月18、30日 ワーグナー:神々の黄昏 指/F.ウェルザー=メスト、演出/S=E.ベヒトルフ、出/B.フリッツ、C.ウンターライナー、M.カレス、M.ナジ、R.メルベート◎6月20、23、26、29日 プッチーニ:蝶々夫人指/A.マナコルダ、演出/A.ミンゲラ、出/S.ヨンチェヴァ、I.シニョレットウィーン・フォルクスオーパー6月2(18:00)、8(19:00)、12(19:00)、21(11:00)、25(18:00)日 H.アーレン:オズの魔法使い(ミュージカル) 演出/H.メイソン6月3(19:00)、13(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 演出/R.ヘルツル◎6月4(16:30)、10(19:00)、18(18:00)、22(19:00)、28(19:00)日 ニコライ:ウィンザーの陽気な女房たち[23年5月プレミエ] 演出/N.スペイカース★◎6月17(19:00)、20(19:00)、23(19:00)、26(19:00)、30(19:00)日 モーツァルト:後宮からの誘拐[プレミエ] 指/A.M.エリコ、演出/N.エルプラートの後、チョン・ミョンフンの指揮するヴェルディ「オテロ」が続く。 その他の音楽祭では、ルイージがウィーン響を指揮してフランツ・シュミットの交響曲第2番を演奏する「ウィーン第40回国際音楽祭」、ケント・ナガノがヴィトマンのオラトリオ「ARCHE」を指揮する「ハンブルク国際音楽祭」、同じナガノがドレスデン音楽祭管を振ってワーグナー「ラインの黄金」を演奏する「ドレスデン音楽祭」、ツィメルマン、アルゲリッチ、シフ、ソコロフらの巨匠陣総出演の「ルール・ピアノ・フェスティバル」、ブロムシュテットがバンベルク響と共に元気に登場する「キッシンゲンの夏音楽祭」、バーゼル生まれのヴァイオリニスト笠井友紀が韓国人作曲家パクパーン・ヨンギーの「Die Blüte」を演奏したり、ファビオ・ビオンディがバンベルク響を振る「ヴュルツブルク・モーツァルトフェスト」、エラス=カサドとSWR響でワーグナー「パルジファル」第3幕が聴ける「バーデン=バーデン聖霊降臨祭音楽祭」、コスキーの演出に期待のかかる「グラインドボーン・オペラ・フェスティバル」のプーランク「カルメル派修道女の対話」など、まあ話題には事欠かない。なお、これらの音楽祭を横断するようにアンネ=ゾフィー・ムターのヴァイオリンを中心としたアンサンブルが行う複数の公演にも要注目。曽雌裕一 編2023年6月の

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