eぶらあぼ 2023.3月号
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133文:笹田和人昨年度から改称して心機一転、いっそう覇気に満ちた好演を聴かせているパシフィックフィルハーモニア東京。音楽監督の飯森範親指揮で臨む第155回定期では、独奏に神尾飯森範親 ©山岸 伸神尾真由子 ©Makoto Kamiya真由子を迎えて、現代ドイツの気鋭の作曲家イェルク・ヴィトマンのヴァイオリン協奏曲を日本初演。さらに、ドイツの“黒い森”への敬意と畏怖を孕んだブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」(ノヴァーク版)が披露される。国際的に活躍するヴァイオリンの沼田園子を軸に、ヴァイオリン野口千代光、ヴィオラ大野かおる、チェロ菊地知也と名手が結集し、2015年に活動を開始したカルテット・プラチナム。©Ayane Shindo彼らの響きの結晶は、プラチナの名に相応しい輝きを放つ。第15回定期では、ベートーヴェンの第5番とスメタナの第1番「わが生涯より」に、ウェーベルン「弦楽四重奏のための緩徐楽章」と、時空を超えた3つの佳品を披露する。パシフィックフィルハーモニア東京第155回定期演奏会トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア第86回定期演奏会3/11(土)15:00 三鷹市芸術文化センター 風のホール音楽監督を務める国際派・沼尻竜典のタクトのもと、引き締まった快演を披露してきたトウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア。第86回定期は、やはり国際的な檜舞台で活躍を続ける堀米ゆず子ヴァイオリンの名手・堀米ゆず子を迎えて、ブラームスの協奏曲を核に。初共演となる両者に、どのような“化学反応”が生まれるのか。そして、沼尻の鮮烈さが映えるモーツァルトの交響曲から、第32番と第36番「リンツ」で前後を固める。カルテット・プラチナム第15回定期演奏会沼尻竜典世界中のホルン吹きにとって、“特別な存在”のドイツの老舗メーカー「アレキサンダー」。その銘器を愛用する首都圏の一線楽団の奏者11人で構成するアンサンブルの第11回定期は、同社の創業240周年を記念するステージでもある。もちろん、“主役”はホルン。ヘンデル「水上の音楽」、アルフレッド・リード「アルメニアンダンス パート1」(小林健太郎編)、R.シュトラウス「薔薇の騎士」(大橋晃一編)、委嘱新作など、圧倒的な迫力で吹き尽くす。国立音楽大学と立川市の「連携協力に関する協定」締結を記念してスタートした演奏会シリーズ。「早春の室内楽」の第6弾は、クラリネット武田忠善、ヴァイオ永峰高志 リン永峰高志、ピア©michiko yamamotoノ久元祐子ら豪華な顔ぶれを揃えて。ブラームス「クラリネット五重奏曲」やシューマン「ピアノ五重奏曲」「幻想小曲集 op.73」など、芽吹きの季節を感じ取れる佳品を、たっぷりと披露する。アレキサンダーホルンアンサンブルジャパン 第11回定期演奏会落語deオペラニュルンベルクのマイスタージンガー国立音楽大学コンサート早春の室内楽掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。大山大輔武田忠善 ©Masanori Doi3/4(土)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール3/14(火)19:00 東京文化会館(小)3/7(火)19:00 トッパンホール3/11(土)14:00 横浜市神奈川区民文化センター かなっくホール「オペラは愉しんでみたい。でも、長いのと、言葉が難しいのがちょっと…」。そんな人にピッタリなのが、「落語deオペラ」。瀧川鯉丸の名調子に乗せて、本来ならば上演に4時間瀧川鯉丸以上かかるワーグナー唯一の喜劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》を、きゅっと40分ほどに纏めて紹介する。もちろん、曲中の名旋律は、バリトン大山大輔ら歌手陣と宇根美沙惠のピアノにより、余さず紹介。初心者にも楽しい好企画だ。3/26(日)15:00 たましんRISURUホール月の3

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