eぶらあぼ 2023.2月号
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第3番ロ短調を中心とした選曲で、古典派からロマン派への音楽の変遷を音で辿るプログラムを構築。ヴィルヘルム・ケンプ、ロバート・レヴィンといった名ピアニストたちの系譜を受け継ぐ奏者の指導を受け、ウィーンの伝統的な奏法を学んだ中井。歌心にも溢れた彼女が奏でるシューベルトの演奏には、ひときわ期待が膨らむ。2/16(木)19:00 東京/ムジカーザ 2/18(土)14:00 滋賀/ロマンホール2/19(日)14:00 兵庫/神戸芸術センター ショパンホール2/26(日)14:00 北海道/ザ・ルーテルホール問 日本楽友協会03-6277-8559 https://www.jmassoc.infoブリュノ・ドルプレール(チェロ) & ナタナエル・グーアン(ピアノ) デュオ・リサイタル3/8(水)19:00 浜離宮朝日ホール問 パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831 http://www.pacific-concert.co.jp他公演 3/10(金) 大阪/ザ・フェニックスホール(06-6363-7999)都響との共演 3/5(日) 東京芸術劇場 コンサートホール(0570-056-057)72Interviewブリュノ・ドルプレール(チェロ)ベルリン・フィルの若き首席奏者が日本初リサイタル 2013年からベルリン・フィルのチェとチェロのための曲ではないのでテクロ・トップの席に座る、フランス出身のニック的に難しい面がありますが、音ブリュノ・ドルプレール。1989年生ま楽そのものは心の琴線に触れる深いれ、パリ国立高等音楽院とベルリン芸内容です。術大学に学び、複数の国際コンクール そして私たちはフランス人なので、で優勝、わずか24歳の年にベルリン・フランス音楽をぜひお届けしたいと思フィルの第1ソロ・チェリストに抜擢されい、プーランクのソナタを。パリジャンた。そんな世界屈指の俊英が、日本での作曲家が残した作品の中でも傑作のの初リサイタルを3月に開催する。待ひとつだと思います。遊び心に溢れ、望の機会を前に、意気込みを語った。アイロニーや軽さもありながら、緩徐 「初めて日本に行ったのはベルリン・楽章では暗く黙想的な音楽が現れまフィルのツアーで、本当に素晴らしいす。ショパンのソナタも非常に詩的な作品で、これまでの2曲をよく引き立て経験でした。『12人のチェリスト』日本ます。情熱的で深いロマンティシズム公演でも皆様が熱心に聴いてくださるに溢れ、ピアノが大きな役割を担ってのが伝わってきて、こんなにも音楽を優位に立っているところが好きです。愛する方々がいるのだと実感できました。一人の音楽家として本当に幸せな作品ごとのコントラストも、このプログラムの面白いところだと思います」ことです。今回はリサイタル、しかも 多忙な演奏活動に加えて作曲も行友人のナタナエル・グーアンと共演でうという彼は、「子どもの頃の夢だったきることをとても嬉しく思います。豊ベルリン・フィル、また室内楽やソロでかで深い響きを持つ素晴らしいピアニストですし、一緒に音楽を創り上げる喜演奏できることに、心から感謝しています。それぞれの活動は互いを豊かにしびもひとしおです」てくれますし、作曲活動は音楽芸術に 今回の演目はシューベルトのアルペジョーネ・ソナタ、プーランクとショパン新たな視点を与えてくれて、音楽解釈のチェロ・ソナタ。この3曲の組み合わせは意外性があって目を惹く。 「3つのソナタをグーアンとともに再発見していくことにワクワクしています。『アルペジョーネ』には詩的な美しさがあり、大好きな作品です。もともへの理解も深まるのです」と、様々な側面を持つ大切さと充実感を強調する。多才な“音楽家”ブリュノ・ドルプレール。その本領を余すところなく示すリサイタル、大いに期待して待ちたい。取材・文:林 昌英文:長井進之介中井知子 ピアノリサイタル 古典派からロマン派への華麗なる出逢いウィーン伝統のピアニズムをじっくりと味わう 中井知子は、桐朋学園大学を卒業後にウィーンで研鑽を積み、オーストリア国家演奏家資格を取得したピアニスト。日本とウィーンを中心に活躍の幅を広げており、ソロはもちろんのこと、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の元コンサートマスター、ライナー・キュッヒルの高弟であるヴォルフガング・ダヴィッドとの共演など、室内楽奏者としても注目を集める存在である。 そんな彼女が2月に東京、滋賀、さらに神戸と札幌の4ヵ所でリサイタルを行う。シューベルトのピアノ・ソナタ第13番イ長調にショパンのピアノ・ソナタ

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