eぶらあぼ 2023.2月号
66/153

4/22(土)18:00 東京文化会館(小)問 サポート・アーティスツ・アソシエーション sprt.artists.ticket2023@gmail.comhttps://primesartists.wixsite.com/supportartists/3/11(土)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール問 ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212https://www.japanarts.co.jp2/10(金)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 クレアシオン03-3948-5383 https://www.cre-a-tion.com63吉松 隆オーケストラ傑作選 吉松 隆の〈英雄〉現代日本を代表する作曲家が独自の世界へと誘う 近年、吉松隆再評価の機運が高まっているが、その立役者の一人が原田慶太楼。東京交響楽団正指揮者として先日同楽団と初リリースしたのが、第1交響曲「カムイチカプ」。さらに3月には交響曲第3番をメインとした“吉松個展”を指揮する。 吉松の音楽は20世紀後半の価値観の多様化を反映して、現代音楽がジャズやロック、ワールドミュージックなど様々な語法とドッキングしているが、第3番はそれらが壮大に組み合わせられた堂々たるシンフォニーだ。激しい不協和音を響かせた後、弦が細かく震えながらエネルギッシュに展開する第1楽章、打楽器の力強いパルスで歓喜のうちに迎える大団円に挟まれて、鳥の歌を乗せた軽快なスケルツォやチェロのたっぷりとした哀歌が聴こえてくる。前半には吉松のトレードマーク、鳥をモティーフにした美しい作品群(「鳥は静かに…」「若き鳥たちに」)、そしてプログレッシヴ・ロックを管弦楽に編曲して大ヒットした「タルカス」と、コアファンにも嬉しく、吉松入門にも最適なラインナップ。イツ・リートの深い解釈には定評があり、「冬の旅」は自身が編集・校訂した楽譜も出版されている。共演は古典四重奏団で、チェロの田崎瑞博が編曲を担当した。田崎はこれまでも様々な編曲に携わってきており、今回の編曲もスタンダードになり得るものと期待できるし、4人の鮮烈な表現も大いに注目したい。公演前には大島と田崎によるプレトークもあり、新しい響きによる「冬の旅」の世界に深く浸れる一夜となる。吉松 隆川口成彦 ©Fumitaka Saito大島 博文:江藤光紀文:長井進之介文:林 昌英原田慶太楼 ©MASATOSHI YAMASHIRO小林海都 ©Tsutomu Yagishita古典四重奏団〈クレアシオン23演奏会〉 シューベルト「冬の旅」 〜歌と弦楽四重奏による〜クァルテットとともに味わう孤独の旅路 シューベルトの代表作のひとつ、歌曲集「冬の旅」。絶望した人間の内面を掘り下げていく内容はロマン主義の時代から現代にまで通じるもの。それを繊細なメロディとハーモニーで表現し尽くしたシューベルトの音楽は後世に刺激を与え続け、様々な編曲も行われてきた。2月の「クレアシオン23演奏会」では本作が取り上げられ、弦楽四重奏のための編曲が体験できる。 歌はテノールの大島博。ドイツでE.ヘフリガーやD.フィッシャー=ディースカウに師事。その美声とともに、ド川口成彦(ピアノ) & 小林海都(ピアノ) デュオ・リサイタル気鋭ピアニストが新旧2台の銘器で紡ぐ芳醇な響き ベーゼンドルファー・ピアノとピアの「Model290インペリアル」と、世界ノ音楽の歴史を、二人の若手ピアニスに数台しかないといわれる1909年製トの演奏で味わうデュオ・リサイタル「Model250」。“いま”と“過去”が交錯が開催される。一人目の演奏者は、する音色でモーツァルトからショパン、フォルテピアノなど歴史的鍵盤楽器ブラームスといった、幅広い時代の連を自在に操り、第1回ショパン国際ピリ弾および2台ピアノ作品を楽しむことオド楽器コンクール第2位を獲得したができる。「Model250」による演奏を川口成彦。もう一人は、マリア・ジョア聴くことができるのは世界的にも稀とン・ピリスの薫陶を受け、第20回リーいうこともあり、ぜひこの機会にじっくズ国際ピアノコンクールにて46年ぶりと耳を傾けてほしい。りの日本人歴代最高位となる第2位入賞を果たした小林海都だ。国際的にも注目を集める二人が今回弾くのは、ベーゼンドルファー最高位モデル

元のページ  ../index.html#66

このブックを見る