eぶらあぼ 2023.2月号
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5月の見もの・聴きもの■■■■■■〔Ⅰ〕オーストリアウィーン第40回国際音楽祭(5月28日-6月23日)[会場:コンツェルトハウス大ホール(ウィーン)](一部公演のみ)〔注〕ウィーン・フィルのHPでは、5月28日の演奏会も音楽祭対象公演として記述されているため、この項に一緒に掲載します。◎5月28(11:00)、29(11:00)日 P.ジョルダン指揮(開幕演奏会) リゲティ:アトモスフェール、シベリウス:ヴァイオリン協奏曲、シューマン:交響曲第2番 独/L.バティアシヴィリvnウィーン国立歌劇場5月4、7、10、13日 マスネ:マノン 指/B.ド・ビリー、演出/A.シェルバン◎5月6、8、11、16日 マーラー:愛の死より[嘆きの歌/亡き子をしのぶ歌][22年9月プレミエ] 指/L.ヴィオッティ、演出/C.ビエイト、出/T.A.バウムガルトナー、他5月12、14、18日 プッチーニ:トスカ 指/G.ビサンティ、演出/M.ヴァルマン、出/M.アグレスタ、P.ベチャワ、B.ターフェル5月17、20、23、26日 ドニゼッティ:ドン・パスクワーレ 指/F.ランツィロッタ、演出/I.ブルック★◎5月21、24、27、30日 プーランク:カルメル派修道女の対話[プレミエ] 指/B.ド・ビリー、演出/M.フックスベルガー、出/S.ドゥヴィエル、B.リヒター、M.シュスター★◎5月28、31日 ショスタコーヴィチ:ムツェンスク郡のマクベス夫人[プレミエ] 指/A.ソディ、演出/M.ハルトマン、出/G.グロイスベック、A.ポポフ、A.ストゥンディーテウィーン・フォルクスオーパー5月1(18:00)日 R.ロジャーズ&O.ハマースタイン2世:サウンド・オブ・ミュージック 演出/ 5月になると多数の音楽祭企画が登場するが、掲載できなかったものには、「ハレ・ヘンデル音楽祭」(haendelhaus.de/hfs)、「ルール・ピアノ・フェスティバル」(www.klavierfestival.de/)、「ヴィースバーデン国際五月音楽祭」(www.staatstheater-wiesbaden.de/internationale-maifestspiele/)、「グラインドボーン・オペラ・フェスティバル」(www.glyndebourne.com/)などがある。HPをご参照のほど。 その音楽祭企画。まず注目は、ライプツィヒの「マーラー・フェスティバル2023」。コロナのために開催が遅れていたが、今年は実現できそうだ。意外なことにライプツィヒ・ゲヴァントハウス管がメインになるのではなく、ソヒエフ=ミュンヘン・フィル、チョン・ミョンフン=コンセルトヘボウ管、ハーディング=バイエルン放送響、ティーレマン=シュターツカペレ・ドレスデン、ビシュコフ=チェコ・フィル等々の名手たちが次々に登場してマーラーの全交響曲の演奏を繰り広げる。ネルソンス=ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管は交響曲第8番「千人の交響曲」を担当するが、同じ「千人」でも、歌手の豪華さだけを競うなら、ミラノ・スカラ座でシャイーがスカラ座管を振って演奏する「千人」の陣容が凄まじい。レベカ、ストヤノヴァ、フォークトらを揃えて、さながらガ140R.ドゥセ5月2(19:00)、7(18:00)、12(19:00)、18(19:00)、24(19:00)日 ワーグナー:さまよえるオランダ人 演出/A.シュティール5月5(19:00)、9(19:00)、14(18:00)日 J.ケンダー:キャバレー 演出/G.メーメルト5月10(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり演出/R.ヘルツル★◎5月13(19:00)、15(19:00)、19(19:00)、25(19:00)、28(19:00)、30(19:00)日ニコライ:ウィンザーの陽気な女房たち[プレミエ] 指/B.グラスベルク、演出/N.スペイカース5月17(19:00)、20(18:00)、23(19:00)、27(18:00)、29(17:00)日 H.アーレン:オズの魔法遣い 演出/H.メイソンウィーン・フォルクスオーパー管[会場:フォルクスオーパー(ウィーン)]◎5月6(19:00)日 R.コックス指揮 バーバー:管弦楽のためのエッセイ第2番、コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲、ブラームス:交響曲第1番 独/五嶋みどりvnアン・デア・ウィーン劇場[会場:ミュージアム・クォーター・ホールE(ウィーン)]〔注〕アン・デア・ウィーン劇場は改修工事中です(2024/25シーズンに再開場予定)。それまで MuseumsQuartier・Halle E(Museumsplatz 1,1070 Wien)を代替会場として公演が行われます。◎5月3(19:00)、5(19:00)、7(19:00)日 M.ヴァインベルク:白痴 指/M.ボーダー、演出/V.バルハトフ、演奏/ウィーン放送響◎5月4(19:00)日 N.A.ポルポラ:ポリフェーモ(演奏会形式) 指/G.ペトルー、出/F.ファジョーリ、M.E.チェンチッチ、J.レージネヴァ、演奏/アルモニア・アテネアラ・コンサートのような雰囲気。なお、参考情報ながら、今年の11月にベルリン・フィルと来日する予定のキリル・ペトレンコ。彼は来日前の10月に古巣のバイエルン州立歌劇場のオーケストラに客演してマーラー「千人」を振る。これは大注目。是非とも現地で聴いてみたい公演だ。 「ザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭」は例によってバルトリが大活躍。グルックとハイドンのオペラで盛り上がる。他にバレンボイムとアルゲリッチのピアノが加わって、シューベルトの作品を取り上げる演奏会も大注目。「ハンブルク国際音楽祭」という比較的新しい音楽祭の内容がまた秀逸。サロネン=NDRエルプフィル、ガーディナー=コンセルトヘボウ管、ヘンゲルブロック=バルタザール・ノイマン・アンサンブル、フルシャ=ウィーン・フィル、カウフマンやポリーニのリサイタル、など通常公演の延長ながら、魅力的な公演が連日続いていく。「ドレスデン音楽祭」も同様。ソヒエフ、サヴァール、ティーレマン、五嶋みどりらが公演を彩っている。「シュヴェツィンゲン音楽祭」、「プラハの春国際音楽祭」も、掲載した公演はほぼ◎印付の注目公演という嬉しい状況。ただ、恒例の「フィレンツェ五月音楽祭」が詳細未発表なのは残念だ。 通常公演での注目オペラを列挙すると、ウィーン国立歌劇場のプーランク「カルメル派修道女の対話」、ショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」、アン・デア・ウィーン劇場のベルク「ルル」、ベルリン・コーミッシェ・オーパーのヘンデル3本(「セメレ」、「イェフタ」、「サウル」)、ハンブルク州立歌劇場のシャリーノ「ヴィーナスとアドニス」、ドレスデン・ゼンパーオーパーのモンテヴェルディ「オルフェオ」、エッセン歌劇場のモーツァルト「フィガロの結婚」、バイエルン州立歌劇場の細川俊夫「班女」、チューリヒ歌劇場のベンジャミン「愛と暴力の教え」、モネ劇場のサン=サーンス「ヘンリー8世」などの公演がまず目に付く。もちろんこの他にも多数あるので、本文の◎印をご参考に。なお、テアトロ・レアルのロッシーニ「イタリアのトルコ人」は新国立劇場との共同制作となっている。 オーケストラ関係では、上記の音楽祭に注目公演が詰まっているが、その他では、マケラ指揮のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、パリ管とチェコ・フィル、ロト指揮のロンドン響とケルン・ギュルツェニヒ管、大野和士指揮のパリ管とブリュッセル・フィル、藤田真央(ピアノ)の出演するスカラ・フィルやフランス国立放送フィルに要注目。随所に登場するピアノのソコロフはもちろん別格大注目。(曽雌裕一・そしひろかず) (コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演★◎5月27(19:00)、29(19:00)、31(19:00)日 ベルク:ルル[プレミエ] 指/M.パスカル、演出/M.M.フレイタス、出/V=L.ベッカー、B.スコウフス、A.S.フォン・オッター、K.リドル、演奏/ウィーン放送響ウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス]◎5月5(19:30)、6(15:30)、7(11:00)、10(19:30)(KH)、11(20:00)(KOL)、12(20:15)(AMS)、13(20:00)(HAM)、14(20:00)(PAR)日 J.フルシャ指揮 ヤナーチェク:嫉妬(序曲)、プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番(5/6/7日)/ロメオとジュリエット(抜粋/J.フルシャ編)(10/11/12/13/14日)、ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 独/D.トリフォノフp(5/6/7日)◎5月28(11:00)(KH)、29(11:00)(KH)日P.ジョルダン指揮 → 〔ウィーン第40回国際音楽祭〕参照ウィーン響[会場:(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)]◎5月4(19:30)(KH)、5(19:30)(KH)日O.リーニフ指揮 コルンゴルト:劇的序曲、ヴァイオリン協奏曲、ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番(シェーンベルク編曲) 独/G.シャハムvn◎5月20(19:30)(MV)、21(19:30)(MV)日K.ウルバンスキ指揮 ペンデレツキ:広島の犠牲者に捧げる哀歌、バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番、ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 独/V.フラングvn5月24(19:30)(MV)、25(19:30)(MV)日指/未定 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、R.シュトラウス:ドン・ファン、ばらの騎士(組曲)独/H.ハーンvn曽雌裕一 編2023年5月の

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