eぶらあぼ 2023.1月号
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2/10(金)18:45 東京オペラシティ コンサートホール2/14(火)19:00 五反田文化センター 音楽ホール2/18(土)14:00 広島市南区民文化センター ホール※福知山公演あり問 MCSヤング・アーティスツ mticket@mcsya.org https://mcsya.org74導者など様々な立場の12人が豊かなハーモニーを作りあげる。大分公演の曲目は、クレンゲル「讃歌」といった定番名曲から、ソッリマ「チェロよ歌え!」、新垣隆「ポエム」など現代作曲家の楽曲に、「荒城の月」など日本の歌(三枝成彰編)まで多彩なプログラム。【本公演】2/5(日)14:00 大分/iichiko総合文化センター iichikoグランシアタ【関連企画】通奏低音レクチャー2/2(木)19:00 大分/iichiko総合文化センター iichiko SpaceBe リハーサル室問 iichiko総合文化センター097-533-4004 https://emo.or.jpベート王妃国際音楽コンクールで第2位を獲得した逸材。侵攻が始まった当時はキーウで、マスタークラスなどの準備中だったという。 今回のステージは、ウクライナ現代音楽の巨匠、ヴァレンティン・シルヴェストロフの「バガテル」が軸に。この作曲家が愛するバッハの作品から「羊は安らかに草をはみ」や、20世紀ロシアのボルトキエヴィチ「10の前奏曲」op.33-8、メシアン「世の終わりのための四重奏曲」(vn & p版)などを配している。実はシルヴェストロフ自身もまた、侵攻を受け海野幹雄 ©塩澤秀樹タンタシオン・デ・ブルー また、公演3日前には関連企画として「通奏低音レクチャー」が開かれる。バロック音楽の「通奏低音」って何? という疑問をテーマに、海野がチェロ四重奏の実演を交えながらその意味や重要性を紐解いていく。ぜひとも本公演と併せて体験したい。アンドレイ・ググニンアレクセイ・セメネンコて、祖国を離れてベルリンへ。今回の演奏会に向けて、「すべてこれらの事が起こっていたその時、神よ、あなたは一体、どこにおいでになったのですか…」と痛切なメッセージを寄せている。文:林 昌英文:笹田和人タンタシオン・デ・ブルー 12人によるチェロアンサンブル奥行きのある多彩なチェロの響きを味わう 同じ楽器による合奏のなかで、もっともバランスよく成立して楽しみやすいのはチェロのアンサンブルだろう。基本的には低音の楽器だが、高音域の旋律も輝きをもって奏でられるチェロは、あらゆる声部を受け持てるし、独特の艶のある音色の美しさも格別。なかでも迫力と色彩感が魅力の12人編成の団体は日本では貴重で、その代表的存在が「タンタシオン・デ・ブルー」である。 団体名の“tentation de bleue”は「“あお”のいざない」という意味で、「高貴で神聖な色とされる“あお”の世界観を表現できるアンサンブル」とのこと。率いるのは幅広い活動で第一線を走り続ける海野幹雄。中堅の名チェリストであり、音楽家たちの敬意を集める存在でもある。今回のメンバーは海野、西山健一、北口大輔、三森未來子、玉川克、髙橋麻理子、灘尾彩、西牧佳奈子、黒川実咲、加藤文枝、武井英哉、川岡光一。ソリストやオーケストラの中心奏者、指ヴァレンティン・シルヴェストロフの夕べ リターンズ Vol.1ロシアとウクライナ両国のアーティストが奏でる平和への祈り ロシアによるウクライナ侵攻から10ヵ月余りを経て、なお戦禍は収束の兆しをまったく見せない。このような世界の現状に、芸術が果たすべき役割とは? 東京をはじめとする日本国内の3都市で、「平和を愛するすべての人に 祈りが音楽になったのではない! 音楽こそが祈りだったのだ」をテーマとしたコンサートが開かれる。ロシアとウクライナの若き演奏家が恩讐を越えて共演し、ひとつの音楽を紡ぎ上げることから、この命題にひとつの答えを出す。 ロシア出身のピアニスト、アンドレイ・ググニンは2019年にチャイコフスキー国際コンクールで特別賞を受賞、将来を嘱望された。しかし、ウクライナ侵攻が起こるや、すぐにSNSで反対を表明。ロシア政府から「不適切な芸術家」のリストに入れられ、国内での演奏活動が許されなくなり、やむなく国外へ。かたや、ウクライナのヴァイオリニスト、アレクセイ・セメネンコは、2015年にエリザ

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