eぶらあぼ 2023.1月号
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662/10(金)19:00、2/11(土・祝)14:00 紀尾井ホール問 紀尾井ホールウェブチケット webticket@kioi-hall.or.jp https://kioihall.jp1/10(火)19:00 王子ホール問 王子ホールチケットセンター03-3567-9990 https://www.ojihall.jp他公演 1/8(日) 兵庫県立芸術文化センター 神戸女学院小ホール(0798-68-0255)マクシム・パスカル ©Meng_Phuハイドン・フィルハーモニックの芸術監督・指揮者としても発想力に富む演奏で世界が注目する。ロストロポーヴィチのために書かれた強烈な難曲に2人がどのようにアプローチするのか楽しみだ。 後半はベートーヴェンの交響曲第4番。2019年に筆者がインタビューしたニコラ・アルトシュテット ©Marco Borggreve際、マエストロは寝癖がついた髪のままコーヒー片手にふらりと現れた。その姿は素朴で自然体。ベートーヴェンでも気負わず、長い腕を大きく振って細やかな指示を出す姿が目に浮かぶ。軽快さや洒脱さはお手の物。KCOとの相性も抜群のはずだ。©Julien Benhamou文:柴辻純子文:関根敏子紀尾井ホール室内管弦楽団 第133回定期演奏会世界が注目する新鋭たちが待望のKCO初登場 紀尾井ホール室内管弦楽団(KCO)第133回定期演奏会は、指揮にフランスの俊英マクシム・パスカルを迎える。1985年生まれの37歳。パリ音楽院で作曲を学び、指揮はフランソワ=グザヴィエ・ロトに師事した。20世紀や同時代の音楽にも積極的で、今もパリでシュトックハウゼンのオペラ《光》シリーズが進行中だ。日本では2019年の東京二期会《金閣寺》で注目を集め、21年《ルル》に再登場、読売日本交響楽団やオーケストラ・アンサンブル金沢等にも客演している。 KCOデビューとなる今回は、両者の個性が発揮されるプログラムとなった。まずはフォーレ最晩年の管弦楽組曲「マスクとベルガマスク」と「パヴァーヌ」を組み合わせ、フォーレの美しい旋律と和声に繊細なタクトでフォーカスする。ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番では、同じくKCO初登場のニコラ・アルトシュテットが独奏を務める。美しい音色と高い技巧、豊かな表現力を備え、ジュスタン・テイラー(チェンバロ)古楽界の逸材が導くフランス・バロックの世界 フランスの若きヴィルトゥオーゾ、ダ・ガンバ)奏者として宮廷でジュスタン・テイラーが2021年に続い活躍したフォルクレ父子を投て来日する。テイラーは、2015年、23入する。フォルクレの息子は、歳でブルージュの国際古楽コンクー父のヴィオル曲を集めた曲集ル・チェンバロ部門で優勝、聴衆賞などとともに、チェンバロ用に編曲も獲得して脚光を浴びた。した曲集を出版している。 筆者が初めてテイラーの演奏に触 しかも今回のプログラムにれたのは、それから2年後。フランスは、フォルクレというタイトルのナントで開催されたロワール国際をもつ、様々な作曲家の作品古楽コンクールであった(ナントはラ・や珍しい「ラモーの一族」にフォル・ジュルネで有名)。審査委員長よる曲も含まれる。さらにははウィリアム・クリスティ。優勝は、テイテイラー自身が編曲したフォラー率いる個性的な若手奏者たちのルクレの舞曲も挿入されていアンサンブル「ル・コンソート」(2015年る。それは、まるで美術館に結成)だった。クープラン流の肖像画が並べ テイラーは、ソロでもアンサンブルられているかのようである。でも、自然で軽やか。それでいて実にまさに謎解きのような趣で興独創的な解釈や構成を持ち込む。今味深い。回のリサイタルでは、18世紀フランスのクラヴサン音楽の巨匠F.クープランとラモーの作品が中心を占める。だがテイラーは、そこにヴィオル(ヴィオラ・

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