eぶらあぼ 2023.1月号
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4月の見もの・聴きもの■■■■■■ 恒例の「ザルツブルク復活祭音楽祭」は2022年限りでティーレマンとの契約が終了し、2023年からは1年ごとに毎年違った指揮者とオーケストラで運営されていくことになった。そして2023年を担当するのは、アンドリス・ネルソンスとライプツィヒ・ゲヴァントハウス管。目玉となるオペラ公演のワーグナー「タンホイザー」は、実は2017年にキリル・ペトレンコがバイエルン州立歌劇場で上演し、その後日本公演にも持ってきた、あのカステルッチのプロダクション。カウフマン、ゲルハーヘル、ペーターゼン、ガランチャと歌手も実に豪華だが、ミュンヘンのプロダクションがなぜここに?という微妙な思いもなくはない。ブルックナー、ブラームス、シューマンと手堅いプロを組んだネルソンス指揮のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるオーケストラ・コンサートと合わせ、今後しばらくの間、この音楽祭のテイストは「超豪華客演音楽祭」という趣を呈するのかもしれない。 一方、今名前の出たペトレンコは、ベルリン・フィルを引き連れて「バーデン=バーデン復活祭音楽祭」に登場、R.シュトラウスのオペラ「影のない女」に挑む。こちらは紛れもなく今回が初のプロダクション。バイエルン時代の名演奏を思い出すと、今回ベルリン・フィルをバックにどのような音楽をペトレンコが作り出すの138M.エッゲルト:最後の陰謀(神話的オペレッタ)[23年3月プレミエ] 演出/L.デ・ベール4月11(19:00)、15(19:00)、25(19:00)、29(19:00)日 J.ケンダー:キャバレー(ミュージカル) 演出/G.メーメルト4月16(18:00)、21(19:00)、26(19:00)日ワーグナー:さまよえるオランダ人 演出/A.シュティール4月22(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり演出(校訂)/C.ズュスアン・デア・ウィーン劇場[会場:ミュージアム・クォーター・ホールE(ウィーン)]〔注〕アン・デア・ウィーン劇場は改修工事中です(2024/25シーズンに再開場予定)。それまで MuseumsQuartier・Halle E(Museumsplatz 1,1070 Wien)を代替会場として公演が行われます。4月1(19:00)、3(19:00)日 ウェーバー:魔弾の射手 指/P.ランゲ、演出/D.マルトン、演奏/ウィーン響◎4月28(19:00)、30(19:00)日 M.ヴァインベルク:白痴 指/M.ボーダー、演出/V.バルハトフ、演奏/ウィーン放送響ウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(GRZ)=ムジークフェライン・フュア・シュタイアーマルク(グラーツ)]◎4月1(15:30)(KH)、2(19:00)(KH)日F.ウェルザー=メスト指揮 バッハ:マタイ受難曲 独/J.プレガルディエンT、L.ホレンダーBr、C.ランツハマーS、A.L.リヒターMs、他、合唱/アルノルト・シェーンベルク合唱団◎4月21(15:30)(公開リハーサル)、22(15:30)、23(11:00)、25(19:30)(GRZ)、27(19:30)、28(19:30)日 R.ムーティ指揮 モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」、ヒンデミット:かワクワクする。その他、オーケストラ・コンサートの方には、ハーディングとアイムが客演指揮者として招かれている。 もう一つ、「エクサン・プロヴァンス復活祭音楽祭」も近年活況を呈している。2023年も、ケルン歌劇場の客演で、ロト指揮のワーグナー「さまよえるオランダ人」、ヤーコプスやルセ指揮のバッハ、ルイージ指揮のRAI国立響、アルゲリッチのピアノ・デュオやマケラ指揮のパリ管、ラベック姉妹とハンニガンの共演等々、多彩な内容となっている。 なお、ベルリン州立歌劇場の「フェストターゲ」は、今のところバレンボイムの名がオペラ(ワーグナーの「リング」)にもコンサートにもクレジットされてはいるが、彼の病気の具合がはっきりしないので、大幅な代役公演になる可能性も少なくない。おや、それではまたティーレマンが代役で「リング」を振るの!!と思いきや、彼は「地元」のドレスデン・ゼンパーオーパーで、実質的なミニ音楽祭とも言える「リヒャルト・シュトラウス・ターゲ」をぶち上げ、「ばらの騎士」、「アラベラ」の他、オーケストラ・コンサートで「ダフネ」、「ダナエの愛」、「カプリッチョ」からの抜粋場面を演奏するなど、相変わらず意気軒昂だ。一方、「シュヴェツィンゲン音楽祭」ではイザベル・ムンドリーの新作オペラが興味をそそる。ちなみに、ルツェルンでも「春の音楽祭」と称するごく短期間の音楽祭企画があるのだが、本文に掲載できなかったので、HPでご確認のほど(https://www.lucernefestival.ch/de/)。 音楽祭以外の注目としては、オペラでは、ウィーン国立歌劇場のモンテヴェルディ「ウリッセの帰還」、ケルン歌劇場のワーグナー「さまよえるオランダ人」(ロト指揮)、フランクフルト歌劇場のヘンデル「ヘルクレス」、チューリヒ歌劇場のグノー「ロメオとジュリエット」、ミラノ・スカラ座のドニゼッティ「ランメルモールのルチア」(シャイー指揮)、パリ・オペラ座・ガルニエ宮のヘンデル「アリオダンテ」、オランダ国立オペラのR.シュトラウス「ばらの騎士」、英国ロイヤル・オペラのサーリアホ「イノセンス」他多数。ジョン・アダムズの「中国のニクソン」がスペインのテアトロ・レアルとパリ・オペラ座で競合するのが興味深い。もう一点。4月はとにかくワーグナーの上演数がとても多いので本文でご確認いただきたい。 オーケストラにはほとんど言及できなくなったが、一番の注目はマケラのベルリン・フィル・デビューだろうか。彼は他にもパリ管、コンセルトヘボウ管、ロンドン・フィル等に登場。もはや世界中で引っ張りだこ状態だ。 (曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演弦楽と金管のための協奏音楽、メンデルスゾーン:交響曲第5番「宗教改革」ウィーン響[会場:(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(TW)=アン・デア・ウィーン劇場(ウィーン)、(DTM)=コンツェルトハウス(ドルトムント)]4月1(19:00)(TW)、3(19:00)(TW)日 ウェーバー:魔弾の射手 指/P.ランゲ → 〔アン・デア・ウィーン劇場〕参照4月2(16:00)(DTM)日 R.ティチアーティ指揮 ドヴォルザーク:チェロ協奏曲、ブラームス:交響曲第4番 独/G.カプソンvc◎4月15(19:30)(KH)、16(19:30)(KH)日P.エラス=カサド指揮 リゲティ:ロンターノ、ラヴェル:スペイン狂詩曲、ファリャ:スペインの庭の夜、ドビュッシー:海 独/G.モンテーロp4月19(19:30)(MV)、20(19:30)(MV)日A.マンゼ指揮 T.ブロストレム:On Urban Ground、モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 独/F.ピエモンテージp4月24(19:30)(MV)、25(19:00)(MV)日M.ポシュナー指揮 ベートーヴェン:静かな海と楽しい航海(カンタータ)、ブラームス:哀悼歌、ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(1878/80年版)4月29(19:30)(MV)、30(19:30)(MV)日A.フィッシャー指揮 ベートーヴェン:交響曲第4番、ハイドン:ベレニーチェ、何をしているの、モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」独/L.デザンドレMsムジークフェライン[楽友協会]大ホール[ウィーン](主要公演のみ)4月1(19:30)日 S.ゴットフリート指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス バッハ:ヨハネ受難曲 独/C.ホラークS、P.ノルツA、M.ペー曽雌裕一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場◎4月1、5日 ベルク:ヴォツェック 指/P.ジョルダン、演出/S.ストーン、出/J.M.クレンツレ、S.パニッカー、J.シュナイダー★◎4月2、4、8、11、14日 モンテヴェルディ:ウリッセの帰還[プレミエ] 指/P.エラス=カサド、演出/J.ヴィーラー、S.モラビト、出/G.ニグル、K.リンジー、J.ラヴェル、尼子広志、A.マストローニ◎4月6、9、12、16日 ワーグナー:パルジファル指/P.ジョルダン、演出/K.セレブレンニコフ、出/M.ナジ、F=J.ゼーリヒ、W.バンクル、K.F.フォークト、E.グバノワ◎4月15、20、23日 ワーグナー:ローエングリン 指/O.M.ヴェルバー、演出/A.ホモキ、出/T.ナズミ、P.ベチャワ、C.ニールンド、T.コニエチュニー、N.ステンメ◎4月18日 P.ベチャワT 共/S.ティスマンp4月19、22、25、28日 ビゼー:カルメン 指/A.ソディ、演出/C.ビエイト、出/E=M.ユボー、D.B.フィリップ、E.シュロット◎4月21、24、26、29日 R.シュトラウス:サロメ[23年2月プレミエ] 指/P.ジョルダン、演出/C.テステ、出/J.シュナイダー、M.シュスター、M.ビストレム4月30日 マスネ:マノン 指/B.ド・ビリー、演出/A.シェルバン、出/P.イェンデ、C.カストロノーヴォ、D.P.ドゥミトレスクウィーン・フォルクスオーパー4月1(18:00)、5(19:00)、10(18:00)、13(19:00)、18(19:00)、20(18:30)、23(16:30)、28(10:00)、30(18:00)日 R.ロジャーズ&O.ハマースタイン2世:サウンド・オブ・ミュージック(ミュージカル) 演出/R.ドゥセ4月3(19:00)、9(19:00)日 モーツァルト:フィガロの結婚 演出/M.A.マレッリ◎4月4(19:00)、8(19:00)、12(19:00)日2023年4月の

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