eぶらあぼ 2022.12月号
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第71回 ティアラこうとう定期演奏会2023.1/21(土)15:00 ティアラこうとう問 東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 https://www.cityphil.jp11/27(日)14:00 広島/三次市民ホールきりり12/3(土)14:30 京都/福知山サンホテル 扇ホール12/6(火)19:00 武蔵野市民文化会館問 MCSヤング・アーティスツ mticket@mcsya.org https://mcsya.org70ナーら、そうそうたる指揮者から声がかかるのも納得がいく。 この度の日本デビューでは、「モーツァルト・ガラ」と題し、モーツァルトのオペラと歌曲の名曲がプログラミングされている。モーツァルトはブルゴスの十八番で、最近もモネ劇場やオランダ国立歌劇場で《フィガロの結婚》のスザンナや《コジ・ファン・トゥッテ》のデスピーナを歌って絶賛された。モーツァ飯守泰次郎 ©K.Miuraめる荒井は1999年東京都出身。第15回東京音楽コンクールと第87回日本音楽コンクールで第1位を獲得した注目の若手だ。すでにNHK交響楽団をはじめとする国内主要オーケストラと共演し、スイスのローザンヌ高等音楽院を経て、現在はジャニーヌ・ヤンセンルトは、歌手としての力量が最も試される作曲家。注目の大器の日本デビューに、これ以上うってつけの作品はない。荒井里桜 ©Shigeto Imuraに師事している。次代を担うスターの呼び声が高い。 交響曲第2番ではマエストロの老練な指揮のもと、雄大で熱気あふれる音楽がくりひろげられることだろう。終楽章の高らかな賛歌がもたらす高揚感は格別だ。文:飯尾洋一文:加藤浩子飯守泰次郎(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団北欧情緒を味わい尽くす名曲プログラム 澄んだ冬空を見上げると無性にシベリウスを聴きたくならないだろうか。東京シティ・フィルの第71回ティアラこうとう定期演奏会は、桂冠名誉指揮者である飯守泰次郎の指揮によるオール・シベリウス・プログラムが組まれた。ソリストには若き気鋭、荒井里桜が招かれる。 曲は交響詩「フィンランディア」、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第2番。まさにシベリウスを代表する傑作が並んでいる。「フィンランディア」は1900年に初演された人気曲。当時、ロシアの圧政に苦しんでいたフィンランドの人々の愛国意識を高めた作品として知られている。かつてはこの曲の背景を過去の歴史的な文脈でしかとらえることができなかったが、現実にロシアがウクライナに侵攻する今、「フィンランディア」はまた新たな意味づけを伴って聴かれる音楽になりつつあるかもしれない。 ヴァイオリン協奏曲のソリストを務ソフィア・ブルゴス(ソプラノ) オール・モーツァルト・ガラ・コンサート世界中の巨匠が注目する大器、待望の日本デビュー どのジャンルでもそうだが、オペラ歌手も百花繚乱の時代。歌も上手ければビジュアルも際立つ歌手が目白押しだ。それ以上の何かを「持って」いなければ、抜きん出ることは難しい。 プエルトリコ系アメリカ人ソプラノのソフィア・ブルゴスは、「持っている」と思わせる磁力を放つ歌い手だ。甘く、色合い豊かで、めくるめくように押し寄せる声には蕩けるし、テクニックも万全。艶やかで野性的な容貌も魅力的だ。加えて彼女の活動は、とても知的でチャレンジングなのだ。バロックから現代ものまで歌いこなすが、とりわけ現代作品の初演には引っ張りだこで、今最も注目される指揮者であるテオドール・クルレンツィスと現代作品でしばしば共演。驚異的なテクニックを駆使して「声」の可能性を開拓している。国際舞台に登場して間もないのに、サイモン・ラトル、ウラディーミル・ユロフスキ、ジョン・エリオット・ガーディ

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