eぶらあぼ 2022.12月号
70/161

12/22(木)19:00 Hakuju Hall問 ビーフラット・ミュージックプロデュース03-6908-8977 https://www.bflat-mp.com12/24(土)13:30 高崎芸術劇場 音楽ホール問 高崎芸術劇場チケットセンター027-321-3900 http://takasaki-foundation.or.jp/theatre/67高崎芸術劇場 大友直人 Presents T-Shotシリーズ vol.9東■■■ 亮汰 ヴァイオリン・リサイタル旬の若手がフレッシュな感性で紡ぐロマン派の名曲 高崎芸術劇場芸術監督の大友直人のプロデュース公演「T-Shotシリーズ」は、「才能あふれる若手演奏家を様々な角度から紹介する」名物シリーズ。音楽ホールでのリサイタル開催とCD&DVDの制作がセットとなっているのが大きな特徴で、いまや俊才たちの登竜門的な存在となっている。 12月に登場するのはヴァイオリンの東亮汰。桐朋学園大学2年生だった2019年の第88回日本音楽コンクール優勝で注目を集め、多くの公演やテレビ番組に出演を重ねており、10月にはEテレで来春放送予定のアニメ『青のオーケストラ』主人公の演奏を担当することが発表されたばかり。東の繊細かつセンスあふれる演奏には聴く人を一瞬で捉えてしまう不思議な魅力があり、最近の活躍や抜擢も大いにうなずけるし、リサイタルはその実力を広く示す好機となる。また、第7回トビリシ国際ピアノコンクールで彌勒忠史松島理紗 歌と言語はとても密接な関係にある。訳詞で歌われることも多いから忘れがちだが、歌のメロディは本来、特定の言語の語感や抑揚、リズムと深く結びついている。その言語らしく歌われたときに歌はいちばん輝き、聴き手の心に迫る。 だから、7つの言語で書かれた7ヵ国の歌を7人の歌手が歌うのは、とても贅沢だ。1人の歌手が各国語を歌い分けるのも聴き応えがあるが、それぞジョン ハオ東 亮汰 ©Shigeto Imura最高位(第2位)に入賞したばかりの尼子裕貴が出演するのも注目で、ピアノパートも難曲ぞろいの本公演で旬の名技を体験できる。 演目はR.シュトラウスとフランクの名ヴァイオリン・ソナタを前後半のメインに据えて、クライスラー「前奏曲とアレグロ」、サン゠サーンス「死の舞踏」と関 定子れの言語に精通した歌手が言葉の美しさを引き立てて歌うとなると、格別に魅力的だ。イタリア歴の長い彌勒忠史がイタリアのバロック歌曲を歌い、オーストリアで学んだ松島理紗がシュレーカーやウェーベルンを披露。中国出身のジョン ハオが母国の歌を歌い、塩田美奈子文:香原斗志文:林 昌英鳥井俊之日本語の美しさに定評がある関定子が山田耕筰や間宮芳生を――。 気づいたかもしれないが、各国を巡る旅は、17世紀初頭のバロックから20世紀の新ウィーン楽派まで、時代を巡る旅と重ねられている。2時間で味わえる範囲は、広く濃厚である。尼子裕貴いう鮮烈な小品のほか、20世紀の名指揮者ジャン・マルティノン作曲の魅力的な佳品「無伴奏ヴァイオリンのためのソナチネ第5番」が選ばれているのも目を引く。強い意欲が伝わるプログラムで、いまの東が奏でる2大ソナタは特に楽しみだし、勢いに乗る俊英たちの共演にも期待がふくらむ。歌曲・ガラコンサート 七つの国の歌・博覧会言葉と結びついた歌の魅力を言葉に精通した歌手の名唱で

元のページ  ../index.html#70

このブックを見る