eぶらあぼ 2022.12月号
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Day1 カウンターポイント・ライヴ 12/10(土)Day2 ドラミング・ライヴ 12/11(日)各日16:00 めぐろパーシモンホール 問 めぐろパーシモンホールチケットセンター03-5701-2904 https://www.persimmon.or.jp63めぐろパーシモンホール開館20周年記念加藤訓子プロデュース スティーヴ・ライヒ プロジェクトミニマルの巨匠の傑作群に浸る稀有の喜び 最小限の音型を反復させる「ミニマヴィブラフォンを主体にル・ミュージック」の先駆者にしてカリス演奏される。鍵盤打楽マ、スティーヴ・ライヒの音楽は、聴く者器は加藤の本領。それを非日常的な音空間へと誘う。そこに複数の俊英打楽器奏で注目したいのが、めぐろパーシモン者が加わる今回は、唯一ホール開館20周年記念「加藤訓子プロ無二の音世界に浸り切デュース スティーヴ・ライヒ プロジェクることができる。Day2「ドラミング・ライヴ」は、ト」だ。これは、日本屈指のパーカッショ「4オルガンズ」「木片のニストでライヒ演奏のトップ・ランナーでための音楽」「ドラミンもある加藤が、巨匠のマスターピースを3日にわたって披露する企画。10月のグ」と多彩な編成の看板小ホール公演では、代表作2つを独奏と曲が並ぶ“名曲集”。クラベス5組の「木片~」映像+録音演奏との共演で聴かせ、マジや、打楽器に女声や口笛、ピッコロが加カルで陶酔的な音響世界を創出した。わる「ドラミング」(10月には加藤ひとり 来る12月には、大ホールで2公演が開催される。Day1「カウンターポイで快演を聴かせた)など、共演者たちとント・ライヴ」は、鍵盤打楽器を中心との絡み合いを含めた興味津々のライブしたプログラム。ライヒが絶賛した加藤による編曲版(原曲は木管楽器)の「ヴァーモント」「ニューヨーク」の両「カウンターポイント」や「マレット・カルテット」といった作品が、マリンバやくことなく、堂々としたベートーヴェンを鳴り響かせる。同時に、細部もおろそかにしない卓抜した職人芸を誇る。 「エグモント」序曲との組み合わせも王道そのもの。第九の終楽章では、東響コーラスも独唱陣も手堅い演奏を聴かせてくれよう。そして、アンコールでは恒例の「蛍の光」も披露されるのではないか。 彼らの第九公演、ひと頃は「昭和の時代を思わせるオーソドックス」といわ東京オペラシティシリーズ 第131回12/21(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511 https://tokyosymphony.jp加藤訓子 ©Michiyuki Ohbaスティーヴ・ライヒ ©Jeffrey Hermanを耳目双方で楽しめる。 ライヒの傑作群をまとめて堪能できるこの貴重な機会を、くれぐれもお見逃しなく!文:鈴木淳史文:柴田克彦秋山和慶れたことも。令和なる元号になった現在、一周回って、秋山の第九こそが新鮮に響く。秋山和慶(指揮) 東京交響楽団円熟のマエストロが振る王道の第九 「第九」の季節がやってくる。今年も、このベートーヴェンの大作を日本各地のオーケストラがこぞって取り上げる。古楽からのアプローチもあって、近年の「第九」は多様化。よりシャープでサクサクな進行、あるいはアクセントきつめのエキセントリックな演奏を耳にすることも増えてきた。 そんな風潮に惑わされず、ひたすら王道を行くのが、秋山和慶が指揮する東京交響楽団だ。このコンビによる年末の第九公演は、1978年にスタート。2019年より東響の第九公演は、音楽監督のジョナサン・ノットが指揮することになった。しかし、桂冠指揮者たる秋山の第九は、年越し蕎麦や除夜の鐘と同様、年末には欠かせぬもの。今年は、東京オペラシティシリーズとして、秋山が第九を指揮する。まさしく「日本の第九」文化の象徴といっていい。 なんといっても、その抜群の安定性。ゆったりと構えたテンポは揺れ動

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