eぶらあぼ 2022.12月号
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12/16(金)19:00、12/17(土)14:00、12/18(日)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール12/20(火)、12/21(水)各日19:00 サントリーホール12/22(木)19:00 大阪/フェスティバルホール12/25(日)14:00 横浜みなとみらいホール問 読響チケットセンター0570-00-4390 https://yomikyo.or.jp12/16(金)19:00 トッパンホール問 トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 https://www.toppanhall.com58左より:鈴木優人 ©読響/キャロリン・サンプソン ©Marco Borggreve/オリヴィア・フェアミューレン ©FeliX Broede/櫻田 亮 ©Ribaltaluce/クリスティアン・イムラー©Marco Borggreve 今年の読売日本交響楽団の「第九」に始まったロシアのウクライナ侵攻にを指揮するのは、2020年から同楽団よる分断を、少しでも乗り越えるためにの指揮者/クリエイティヴ・パートナーも、今年は人類愛を歌い上げるベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」を、古を務める鈴木優人。バッハ・コレギウ楽から現代音楽まで様々なジャンルでム・ジャパンの首席指揮者を兼務する大活躍の若きマエストロ、鈴木優人と読彼は、オルガン、チェンバロ、ピアノな響の演奏で聴きたいものである。そのど鍵盤楽器の演奏にも長け、とりわけほか、東京と横浜の演奏会では前半に、バッハから、モーツァルト、ベートーヴェ鈴木による15分ほどのオルガン演奏もンに至る古楽のアプローチに精通して披露される。こちらも楽しみだ。いる。今年はグルックのオペラ《オルフェオとエウリディーチェ》を振って、新国立劇場にもデビュー。そんな彼が、ベートーヴェンの「第九」を指揮するのだから、まさに興味津々である。 独唱陣も、ソプラノのキャロリン・サンプソン、メゾソプラノのオリヴィア・フェアミューレン、テノールの櫻田亮、バスのクリスティアン・イムラーら、バッハ・コレギウム・ジャパンの常連ともいえる歌手たちが招かれ、国際的にも評価の高い新国立劇場合唱団、そしてパートナーである読響とともに、鈴木の理想とする「第九」が実現されるに違いない。 2020年から続く新型コロナウイルス感染症によるディスタンスや、今年2月た。すがすがしいベートーヴェンだった。 そのピアニストが、7年ぶりにトッパンホールへ帰ってくる。ドイツの貴公子と呼ばれた彼も今年で40歳。今回はドイツ・ロマン派の王道的な選曲で挑む。バッハのパルティータ第6番で始まり、シューマンの「8つのノヴェレッテ」からの3曲と「暁の歌」。最後にブラームスのソナタ第3番。 とりわけブラームスの青春の集大成たるソナタが楽しみだ。響きをやさしく重ね、情熱的に高潮しつつも、作曲家が念入りに仕込んだ構成美を爽やかに音にしてくれるのではないだろうか。©Giorgia Bertazzi文:鈴木淳史鈴木優人(指揮) 読売日本交響楽団「第九」八面六臂の活躍をするマエストロが信頼を寄せる歌手陣と描く人類愛文:山田治生マルティン・ヘルムヒェン(ピアノ)得意のドイツ・ロマン派プロで魅せる深化とピアニズム ヘルムヒェンのピアノは、聴き手の懐にすっと入ってくる。柔らかで丸みを帯びたタッチながら、出てくる音楽の大きなこと。軽やかな運びのなかに、一本芯が通った主張も感じさせる。柔軟な姿勢から生まれるたくましさ。武道の達人を思わせるピアニズムだ。 トッパンホールでのデビューになる2008年の公演は、バッハ(パルティータ第6番)、メシアン(「幼な子イエス」から3曲)、シューベルト(ソナタ第20番)にリスト(スペイン狂詩曲)を取り上げた。意欲にあふれ、ともすれば重厚になりがちなこのプログラムを彼はじつにしなやかな手つきで弾き切った。 11年にはベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア・ソナタ」をメインに。15年は、勢いで押し気味になりやすい「ディアベッリ変奏曲」を、推進力を保ちつつ、持ち前の柔軟に組み立てられた構成力で一つの大作としてまとめてみせ

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