eぶらあぼ 2022.12月号
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第530回日経ミューズサロンチェ・ハヨン チェロ・リサイタル 毛利文香(ヴァイオリン)を迎えてエリザベート・コンクール覇者が日本デビュー 今年5月から6月にかけて開催されたエリザベート王妃国際音楽コンクールの激戦を制したチェリスト、チェ・ハヨンが早くも東京の音楽シーンにお目見えする。すでにブラームス国際、ペンデレツキ国際と重要なコンクールを制覇しており、実力は折り紙付きだが、エリザベートではファイナルで難曲として知られるルトスワフスキの協奏曲を選び、キレのある技巧で鬼気迫る演奏を披露、大向こうをうならせた。 日本デビューとなる今回のリサイタルも、エンリク・カザルス(パブロ・カザルスの弟)やJ.S.バッハに加えペンデ 「50歳を超えてから譜読みをした作品もたくさんあり、これまで共演してきた奏者たちには感謝でいっぱいです。アンサンブルは音楽の重要な柱の一つですし、弦楽器のボウイングのアップ・ダウンは呼吸感に繋がるので、ピアノ演奏への刺激も大きいです。クァルテット・インテグラとともにお届けする音楽を、ぜひ楽しみにしていただきたいです」2023.1/11(水)18:30 日経ホール問 日経公演事務局03-5227-4227 https://stage.exhn.jp50Interview青柳 晋(ピアノ)気鋭クァルテットと奏でる室内楽の佳品たち 青柳晋は2006年よりリサイタルシリーズ「リストのいる部屋」を開始し、毎回ホスト役としてのリストと、ゲスト作曲家たちの作品で彩るコンサートを続けてきた。今年はシリーズの変化球で、「リストのいない部屋」を開催。ずっと取り組みたいと思ってきた室内楽作品に光を当てる。 「リストは長い生涯を送った人で、関わった作曲家も多い。その中で、特に私が好きなフランクとフォーレについては、彼らの室内楽作品を演奏したいという願いをずっと抱いてきました。昨今は室内楽への人気が高まり、メインストリームとなりつつある潮流を感じています。優れた若手奏者たちも育ってきました。2021年の冬、霧島国際音楽祭でクァルテット・インテグラの演奏を初めて聴いたとき、エッジの効いた演奏、統一感とオーラがあまりに圧倒的で、ぜひ彼らと共演したいと思いました。彼らが有名になり忙しくなってしまう前に、と共演の声がけをしたのですが、その後22年ARDミュンヘン国際音楽コンクールで第2位・聴衆賞に輝き、今や世界的にも注目の弦楽四重奏団となりましたね」 フォーレのピアノ五重奏曲第2番ハ短調は、作曲家が75歳の頃の作品だ。 「彼は晩年に耳の病気を患い、砂を噛レツキの無伴奏曲を取り上げるなど、攻めたプログラミングが話題を呼びそうだ。完璧にコントロールされたハイトーン、パッション溢れる推進力など、彼女の持ち味が存分に発揮されるに違いない。メインに置かれた三楽章からなる大作、コダーイの「ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲」では、現在ケルンに留学中の新鋭ヴァイオリニスト・毛利文香が競演。スケールの大きな演奏になること必至。むような苦しい曲調となりますが、70代で調性感を取り戻します。この作品で鬱積していたものを一気に放出させているかのようです。無調を彷徨い、最後にハ短調にたどり着く。まるで命の炎を、最後に勢いよく燃やしているように感じます」 フォーレと同時代を生きたフランクの音楽は、「厳格で品位に溢れている」と語る。 「オルガンの教師だったフランクの作品には、どこか発想的にオルガン的なものを感じさせる部分があります。フォーレの五重奏曲はピアニストと弦楽四重奏5名が溶け合うように書かれていますが、フランクのピアノ五重奏曲はやや協奏曲的にピアノが浮き立つ場面もあります。ハーモニーがメロディックに進行していき、かなり技巧的ですね」 若かりし日にはソロ作品や協奏曲のレパートリーを充実することに熱意を注いだため、室内楽については「スロースターターだった」と振り返る。青柳 晋 with クァルテット・インテグラ12/21(水)19:00 Hakuju Hall問 ジェスク音楽文化振興会03-3499-4530 https://susumusic.jp取材・文:飯田有抄 ©Ayane Shindo文:江藤光紀

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