eぶらあぼ 2022.12月号
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2023.3/7(火)19:00 紀尾井ホール 1/6(金)発売問 紀尾井ホールウェブチケット webticket@kioi-hall.or.jp https://kioihall.jp47サントリーホール ジルヴェスター&ニューイヤー・コンサートウィーン・フォルクスオーパー交響楽団サントリーホールの年末年始の名物企画が3年ぶりに復活! コロナ禍で2021、22年の開催が見送られたサントリーホールの年末年始恒例イベント、ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団の大晦日(ジルヴェスター)&新年(ニューイヤー)コンサートが3年ぶりに帰ってくる。 フォルクスオーパーは国立歌劇場(シュターツオーパー)に次ぐウィーン第2のオペラハウスで1898年オープン、専属オーケストラは1917年に「フォルクスオーパー管弦楽団」の名称で最初の演奏会を開いた。1978年にはコンサート活動のための組織「ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団(SOVOP)」を立ち上げ、オーケストラ単独の国外ツアーを積極化。なかでも年末年始のサントリーホール公演はSOVOPのウェブサイトでも最重要の公演に位置付けられ、毎年のライブ録音盤を様々なグッズとともに翌年、ロビーで楽員自ら聴衆に声をかけ、販売するのが風物詩となっていた。「交響楽団」を名乗るようになってからクァルテットの饗宴2022 ドーリック弦楽四重奏団英国が誇るクァルテットの妙技に酔いしれる一夜 ドーリック弦楽四重奏団(アレックス・レディントン、イン・シュエ、エレーヌ・クレマン、ジョン・マイヤーズコフ)は、イギリスの新しい世代を代表する弦楽四重奏団の一つ。1998年、イギリス、サフォークで開催されていた「若い音楽家のためのサマー・ミュージック・スクールの室内楽コース」を契機として結成された。2007年、メルボルン国際室内楽コンクール弦楽四重奏部門で入賞し、08年には、大阪国際室内楽コンクールで第1位、イタリアのパオロ・ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクールで第2位に入賞している。10年にアメリカ・デビューを飾り、ウィグモア・ホールで定期的に演奏。CDもハイドン、モーツァルト、メンデルスゾーン、イギリス音楽など多数リリースしている。結成当時のメンバーからは、第2ヴァイオリンとヴィオラが替わった。とりわけヴィオラにソリストとしても活躍しているクレマンが加わることによって、クァアンサンブルが引き締まり、演奏内容がぐんぐん良くなった。 2022/23の来日はスウェーデン出身ながら、長くオーストリアで活躍してきたオーラ・ルードナーがJ.シュトラウスⅡと同じくヴァイオリンを弾きながら指揮し、フォルクスオーパー専属の「バレエ・アンサンブルSVOウィーン」が時に優雅、時にコミカルな踊りで楽興を盛り上げる。ソリストはオーストリアのソプラノ、エリーザベト・フレヒルと、イランに生まれオーストリアに帰化したテノールのメルツァード・モンタジルヴェスター・コンサート 2022ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団の大みそか12/31(土)15:00 サントリーホールニューイヤー・コンサート 2023ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団2023.1/1(日・祝)、1/2(月・休)、1/3(火)各日14:00 サントリーホール問 サントリーホールチケットセンター0570-55-0017 suntory.jp/HALL/ルテットの演奏水準はさらにアップされた。 今回の紀尾井ホールでの演奏会では、ドイツからボヘミアにかけて中央ヨーロッパの作品が並べられている。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第2番では、彼らのアンサンブルの妙が示されるであろう。ベルクの初期の作品である弦楽四重奏曲は、演奏会で取り上げられることが多いとはいえず、生で聴く貴重な機会となる。スメタナ左より:アレックス・レディントン、エレーヌ・クレマン、イン・シュエ、ジョン・マイヤーズコフ ©George Garnierの弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」は、ヴィオラの活躍する曲だけに、クレマンの名技に注目。©サントリーホールゼーリ。2人とも美声と確かな歌唱&演技力の持ち主、度重なる来演で日本にもファンが多い。久しぶりにゴキゲンな年末年始になりそうだ。文:池田卓夫文:山田治生

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