(2/11)。往年の名画やテレビ番組を彩ったテーマ曲やスタンダード曲など心躍る名旋律の数々を、三浦秀秋の見事な編曲と藤岡幸夫が指揮するシエナ・ウインド・オーケストラの熱い演奏で届ける。後半はスーパー・サクソフォン奏者の須川展也をゲストに招いてラテン音楽が炸裂しそうだ。 2000年の開館以来、交通至便な都心の多目的ホールであり、クラシックの殿堂として愛されてきた文京シビックホール。長らく改修工事により休館していたが、10月から小ホールが、年明け1月にはいよいよ大ホールがリニューアルオープンする。これを記念して2023年初めは一流アーティストを迎えた様々な公演が目白押しだ。その中から、来春までの特に注目のステージを紹介する。 2月18日はデビュー54周年を迎えるクラシック・ギター界の巨匠・荘村清志によるトーク&コンサート。親交が深かった文京区生まれの作曲家・武満徹との心温まるエピソードを(彼のための書き下ろし作品を含む)名曲たちを交えて披露。トークゲストで、父タケミツを誰よりも知る武満真樹とのやりとりも楽しみ。 大ホール休館中にも特別編として開催してきた「夜クラシック」が遂に帰還(3/3)。クラシック・マイスターの山田武彦(ピアノ)を中心に、今を時めくアーティストの上野星矢(フルート)、奥村愛(ヴァイオリン)、笹沼樹(チェロ)ら特問 シビックチケット03-5803-1111 https://www.b-academy.jp※各公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 新生・大ホールの“こけら落とし”を務めるのは、万作の会によるシビックホール狂言公演の記念すべき10回目(2023. 1/26)。野村万作・萬斎・裕基の狂言三代による祝祭感あふれる演目2作で門出を寿ぐ。「三番叟(さんばそう)」は五穀豊穣を寿ぐ舞で、前半は足拍子を力強く踏む地固めのような、後半は鈴を振る種まきを思わせる所作が特徴。「靱猿(うつぼざる)」は、靱にするために長年連れ添う猿の皮を剥ぐように大名から命令された猿曳をめぐる、めでたい結末の狂言。 2018年から大ホールで毎年開催してきた、人気オリジナル・シリーズ「BUNKYO SIENA POPS わが青春のポピュラーミュージック!」は待望の第4弾が開催新年の狂言で幕開け左より:野村万作、野村萬斎、野村裕基/藤岡幸夫 ©Shin Yamagishi/須川展也/荘村清志 ©Hiromichi NOZAWA左より:山田武彦 ©井村重人/上野星矢/奥村 愛 ©小島竜生/笹沼 樹 © Taira Tairadate左より:レ・ヴァン・フランセ ©Warner Classics/ラ・クァルティーナ ©Norikatsu Aida地元ゆかりのタケミツ、人と音楽別編出演メンバーが大ホールに集結。軽妙なトークとともに室内楽版のベートーヴェン“運命”にも乞うご期待。国内外の名手たちによる響宴 3月には、世界最高峰のドリームチーム「レ・ヴァン・フランセ」が再びシビックホールに登場(3/7)。クラリネットのポール・メイエが中心となり、フルートのエマニュエル・パユやピアノのエリック・ル・サージュら国際的に活躍する友人たち6人で結成された、フランスの伝統とエスプリを受け継ぐ木管アンサンブルが豊かな表現力で観客を魅了。特に現代フランスの作曲家エリック・タンギーが彼らのために書いた新曲(日本初演)は必聴。 ソロに室内楽に後進の指導にと活躍中の実力派、NHK交響楽団首席・藤森亮一を筆頭に藤村俊介、銅銀久弥、桑田歩からなるチェロ四重奏団「ラ・クァルティーナ」の公演も予定されている(3/23)。バッハから映画音楽、山田耕筰まで幅広い選曲でアンサンブルの楽しみを満喫。小林幸太郎による本ホール委嘱作品にも注目だ。文:東端哲也69文京シビックホール リニューアル記念公演新たなる門出を祝う豪華ラインナップ
元のページ ../index.html#72