eぶらあぼ 2022.11月号
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11/18(金)19:00 ミューザ川崎シンフォニーホール問 ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-020011/20(日)14:00 サントリーホール問 TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511https://www.kawasaki-sym-hall.jp/salome/Interview三浦一馬(バンドネオン)“アニヴァーサリー・イヤー”から、ピアソラ音楽が輝きを増す新時代へ取材・文:原 典子 2021年の生誕100年、2022年の没後30年と続いたピアソラのアニヴァーサリーもいよいよ終盤。多彩な編成でピアソラを演奏し、精力的に全国をツアーしてきたバンドネオン奏者、三浦一馬が音楽監督を務める『三浦一馬 ピアソラ・ザ・ファイナル』(Bunkamura オーチャードホール)は、まさにその掉尾を飾るにふさわしい豪華なコンサートだ。 「フェスティバルのような雰囲気にしたくて、これまで共演した方々をはじめ、今をときめく音楽家の皆さんをお迎えすることに。これまで自分がいろいろな角度から突き詰めてきたピアソラの音楽を、若い世代の方々に託すと言ったらまだ早いですが、一緒にシェアしていけたらという意味で、若いメンバーからなるタクティカートオーケストラにもご一緒いただきます」 出演者にはピアノ・デュオのアン・セット・シス(山中惇史、高橋優介)、チェロの笹沼樹、ヴァイオリン・デュオのドス・デル・フィドル(石田泰尚、崎谷直人)、ギターの朴葵姫、ヴァイオリンの林周三浦一馬 ピアソラ・ザ・ファイナル11/25(金)19:00 Bunkamura オーチャードホール問 Mitt 03-6265-3201https://www.columbiaclassics.jp他公演2023.1/15(日) メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場) アイザックスターンホール(0985-28-7766)こと』をご来場の皆様と分かち合えるよう願っています」と語る。 題名役はウィーン国立歌劇場や英国ロイヤル・オペラ、バイロイト音楽祭などで急速に存在感を増しつつあるリトアニア出身のドラマティック・ソプラノ、アスミク・グリゴリアン。往年の名テノール歌手ゲガム・グリゴリアンの娘で、これが初来日に当たる。雅と錚々たる顔ぶれが並ぶ。 「基本的にはソリストが1組ずつ登場してオーケストラと共演するスタイルになります。たとえば原曲でヴァイオリンがフィーチャーされている『エスクアロ(鮫)』はドス・デル・フィドルの超絶技巧で、『ブエノスアイレスの冬』は朴葵姫さんのクラシック・ギターにスポットをあてた編曲でお聴きいただこうと。さらに、ピアソラには『螺鈿協奏曲』という、9人のソリストとオーケストラが共演する作品があるのですが、今回の編成でそれができるのではないかと考えています」 一方、2023年1月には宮崎(メディキット県民文化センター)でも「ピアソラ・ザ・ファイナル」が予定されている。こちらは宮田大(チェロ)、上野耕平(サクソフォン)、大萩康司(ギター)、山中惇史(ピアノ)を迎えて2021年9月に開催されたサントリーホールでのコンサートの再演となる。 「コロナ禍で大変だったあの時期に、サントリーホールが満席になるほどのお客さまにお越しいただき、最高のメンバーで、最高の演奏ができて、本当に特別な一夜でした。ほかのメンバーもきっとそう思ってくれているはずなので、また宮崎の地で共演できるのが楽しみです」 今年12月には三浦一馬五重奏団によるニュー・アルバム『天使のミロンガ ~ピアソラ スタンダード&ビヨンド』のリリースも予定されているとのこと。三浦一馬のピアソラ・イヤーはまだまだ終わらない。ジョナサン・ノット ©K.Miura/TSOアスミク・グリゴリアン ©Algirdas BakasNOW PRINTING ©Toshinori Iida67CD『天使のミロンガ 〜ピアソラ スタンダード&ビヨンド』日本コロムビアCOCQ-85598¥3300(税込)12/21(水)発売R.シュトラウス 歌劇《サロメ》(演奏会形式)4年ぶりとなるノット×東響のオペラ、初来日のグリゴリアンにも期待文:池田卓夫 東京交響楽団と音楽監督ジョナサン・ノットによるオペラ・プロジェクトが戻ってくる。11月18日ミューザ川崎シンフォニーホール、20日サントリーホールで上演するのはR.シュトラウスの1幕もの《サロメ》、オスカー・ワイルド原作の鮮烈な世紀末芸術の傑作だ。演奏会形式とはいえ、英国の名バリトン歌手トーマス・アレンが《コジ・ファン・トゥッテ》、「グレの歌」に続いて演出監修に入り、ドラマに奥行きを与える。実はノットが《サロメ》を指揮するのは今回が初めて。「人の五感に大きな混乱をもたらす作品ですが、私は『楽しむ

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