2023.1/20(金)19:00、1/21(土)14:00、1/22(日)14:00 紀尾井ホール問 紀尾井ホールウェブチケット webticket@kioi-hall.or.jp https://kioihall.jp2023.1/21(土)14:00 第一生命ホール問 トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 https://www.triton-arts.net トリトン晴れた海のオーケストラ、通称「晴れオケ」の快進撃が続いている。ベートーヴェン交響曲全曲演奏の最後の「第九」が2020年から延期になっていたが、昨秋ついに実現。指揮者なしの楽団としてのエポックメイキングな公演となった。しかも、そのリハーサルと本公演の模様がNHKの詳細なドキュメンタリー番組として放送されて、緻密でストイックな追究ぶりが話題になったことも記憶に新しい。「第九」という山を越えても、不動のコンサートマスター矢部達哉を中心に、各地の名手たちが集まる体制は変わらないが、今秋取り組んだベートー矢部達哉 ©大窪道治モンの花咲くところ」「新ピチカート・ポルカ」「小さな水車」「モーツァルト党」など、ニューイヤー・コンサートにふさわしいシュトラウス・ファミリーやランナーのワルツやポルカをウィーン・フィルのコンサートマスター、ホーネックの指揮で聴けるのは、本当に楽しみだ。ヴェンはなんと「大フーガ」。楽聖が晩年に到達した境地を示す後期弦楽四重奏曲集のなかの、殊に挑戦的な1曲だった。 年明けの冬公演はベートーヴェン2曲で、メインは弦楽四重奏曲第14番。切れ目なしの全7楽章、まさに融通無碍、自在な音楽で構成された、最高傑作の誉れ高い究極的な作品である。弦楽合奏での演奏だが、その深く広大な音楽の表現にはふさわしいし、なじみのない方にこそ体験してほしいライナー・ホーネック ©Tomoko Hidaki小山実稚恵 ©Hideki Otsukaホーネックはかつての同フィルのコンサートマスター、ヴィリー・ボスコフスキーがそうしたように、ワルツやポルカでも弾き振りを披露してくれるのだろうか。名手揃いのKCOとともに繰り広げるニューイヤー・コンサートが今から待ち遠しい。編成だ。ベートーヴェン探究を続ける晴れオケの強い意欲が伝わる選曲であり、至高の楽曲でさらなる高みを目指す。 もう1曲はピアノ協奏曲第3番。暗い情熱と美しい緩徐楽章を味わえる、中期の代表作のひとつ。ピアノは小山実稚恵。もはや説明不要の名匠だが、期待通り盤石かつ繊細な演奏に加えて、指揮者なしの晴れオケとの共演であれば普段とは違う表現も生まれそうで、聴き逃がせない共演となる。紀尾井ホール室内管弦楽団 ©Tomoko Hidakiトリトン晴れた海のオーケストラ ©池上直哉文:山田治生文:林 昌英66紀尾井ホール室内管弦楽団 特別演奏会KCO名曲スペシャル ニューイヤー・コンサート 2023名誉指揮者の十八番プロで新年を華やかに彩る 2023年から紀尾井ホール室内管弦楽団(KCO)が新年の開幕を祝う「KCO名曲スペシャル ニューイヤー・コンサート」をスタートさせる。その第1回となるコンサートの指揮を執るのは、ウィーン・フィルのコンサートマスターであり、第2代KCO首席指揮者を経て現在はKCO名誉指揮者のポストにある、ライナー・ホーネック。コロナ禍により、KCO首席指揮者としての任期の最後の時期にあまり来日できなかったホーネックが帰ってくるのは非常に喜ばしい。 ホーネックが取り上げるのは、彼の十八番である、モーツァルトとシュトラウス・ファミリーの音楽。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第1番ではヴァイオリン独奏も担う。モーツァルトの《魔笛》序曲やJ.シュトラウスⅡの《こうもり》序曲など、オペラ、オペレッタの名曲にも注目だが、「南国のバラ」「レトリトン晴れた海のオーケストラ 第12回演奏会ベートーヴェン後期の傑作でさらなる高みを目指す
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