eぶらあぼ 2022.11月号
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12/8(木)、12/9(金)各日19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 https://www.operacity.jp浜離宮朝日ホール 開館30周年記念フィルハーモニクス ウィーン=ベルリン凄腕アンサンブルが奏でるバラエティに富んだ2つのプログラム クリスマス直前、「フィルハーモニクス」がやってくる。クラシック、クレズマー、ジャズ、ポップスなどジャンルを問わず、洒落た編曲で超絶テクニックと濃密な歌を聴かせて、聴衆の興奮を誘ってきたアンサンブルだ。当初はウィーンを拠点に始まり、チェロのシュテファン・コンツがウィーン・フィルからベルリン・フィルに移籍したり、ベルリンのコンサートマスター、ノア・ベンディックス=バルグリーが参加したりして、二大オーケストラのメンバーを中心とした「フィルハーモニクス ウィーン=ベルリン」となった。 12月14日の浜離宮朝日ホールは贅沢な昼夜2公演、しかも内容が違う。14時の公演は「ようこそ、フィルハーモニクスの世界へ!」と題して、彼らのエッセンスを約70分(休憩なし)で味わえるマチネ。「ハンガリー舞曲第1番」、「シェヘラザード」、ショスタコーヴィチ「24の前奏曲とフーガ第1番」といった楽曲が、最高の編曲とアドリブ満載の演奏でなレパートリーともいえるハイドンとベートーヴェンがとりあげられる。一日目はハイドン・プログラムで、交響曲第102番、同第96番「奇跡」、同第104番「ロンドン」の3曲が演奏される。巨匠が最後に到達した古典派交響曲の金字塔というべき「ロンドン・セット」の傑作がそろった。ハイドンならではの躍動感とユーモアを存分に伝えてくれるだろう。二日目はベートーヴェン・プログラムで「コリオラン」序曲、交響曲第8番、同第3番「英楽しめる。19時からは休憩ありの約2時間、「ダンス ウィズ フィルハーモニクス!」。フレディ・マーキュリー「ドント・ストップ・ミー・ナウ」は熱い時間になりそうだし、R.シュトラウス「7つのヴェールの踊り」はどんな編曲と演奏が展開されるのか予想がつかない。いずれにしても、客席で思わず体が動いてしまうような痛快な体験になるはず。昼夜とも演奏され【ようこそ、フィルハーモニクスの世界へ!】12/14(水)14:00【ダンス ウィズ フィルハーモニクス!】12/14(水) 19:00浜離宮朝日ホール問 朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990 https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/る「フェリス・ナヴィダ(メリー・クリスマス)」で、今年は思いきり陽気にクリスマスを迎えられそうだ。パーヴォ・ヤルヴィ ©Kaupo Kikkas雄」の3曲が並ぶ。どれだけベートーヴェンの音楽が型破りでエキサイティングなのか、彼らほど雄弁に伝えてくれる楽団はいない。©Max Parovsky文:林 昌英55パーヴォ・ヤルヴィ(指揮) ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団ハイドン特有のウィットとベートーヴェンの革新性を鮮やかに映し出す文:飯尾洋一 楽しみなコンビが東京オペラシティに帰ってくる。パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団がこの12月、2種類のプログラムを披露する。 パーヴォ・ヤルヴィがドイツ・カンマーフィルの芸術監督に就任したのは2004年のこと。すでにこのコンビが18年にわたって続いていることに改めて感嘆せずにはいられない。両者による最初の大きなプロジェクトはベートーヴェンの交響曲全曲シリーズだった。いわゆるHIP(歴史的情報に基づく演奏)なスタイルを取り入れながら、パーヴォ一流の切れ味のある鮮烈なサウンドを実現したベートーヴェンは、演奏会とレコーディングの両方を通じて大きなインパクトをもたらした。以来、このコンビは当初の情熱を失うことなく、意欲的な活動を続けている。 今回の来日公演では、パーヴォとドイツ・カンマーフィルにとっての中核的

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