ズ・ナンバー「ビートレリアナス」の数曲を弦楽合奏とともに。小倉出身の南紫音(ヴァイオリン)がサラサーテ「カルメン幻想曲」を弾き、笹沼樹(チェロ)はドヴォルザーク第1楽章、清水和音(ピアノ)が「皇帝」第1楽章。声楽陣は、森谷真理(ソプラノ)、池田香織(メゾソプラノ)、宮里直樹(テノール)、そして地元福岡市出身のプリンス加耒徹(バリトン)が登場する豪華布陣だ。 室内アンサンブル中心の「煌めく~」は、公演ごとに工夫を凝らして、さまざまな切り口で室内楽の醍醐味を楽しめる。なかでも12月の京都での2公演は個性的。古川展生(チェロ)と三村奈々恵(マリンバ&ヴィブラフォン)に各日のプロデュースを委ねたのだ。 京都出身の古川は、仲間たちを集めたチェロ六重奏の一夜を贈る(12/1)。江口心一、大宮理人、小林幸太郎、佐山裕樹、西方正輝と、若手からベテランまで、一線で活躍するチェリストたちが、この左より:飯森範親 ©山岸 伸/アレッサンドロ・ベヴェラリ/正戸里佳/コロンえりか ©キングレコード/岩村 力/吉田 南 ©武藤 章/上村文乃左より:末廣 誠/笹沼 樹 ©Taira Tairadate/森谷真理 ©タクミジュン/古川展生 ©Yuji Hori/三村奈々恵 ©Yoshinori Kurosawa/中鉢 聡/奥村 愛楽器による重奏の可能性を伝えてくれる。後半にはテノールの中鉢聡が登場。 一方の三村(12/2)は、バッハから坂本龍一までのさまざまな名曲を軸に、フィリップ・グラス、アンディ・アキホ、オスバルド・ゴリホフ、エリオット・コールら現代アメリカの作品も(ゴリホフはアルゼンチン出身)。同時代の音楽を、難しい理屈なしに楽しめるのは打楽器のいいところ。出演は三村のほか、奥村愛(ヴァイオリン)、古川展生(チェロ)、濱崎由紀(クラリネット)、塩入俊哉(ピアノ&編曲)、萱谷亮一(パーカッション)。 最近はコンサートもかなり戻ってきた。しかし昨年の数字をコロナ前と比べると、公演数こそ85%と回復傾向だが、集客数はなんと35~40%。6割減なのだ。われわれ音楽ファンもまた一丸となり、会場に足を運んで再興の輪に加わりたい。地元のホールで行なわれる「クラシック・キャラバン」は、その絶好のチャンスだ。Informationクラシック・キャラバン2022 クラシック音楽が世界をつなぐ 〜輝く未来に向けて〜9月〜12月 全国13地域全21公演《華麗なるガラ・コンサート》11/2(水)18:30 広島文化学園HBGホール ■ RCC事業部082-222-113311/25(金)18:30 石川県立音楽堂 コンサートホール ■ アスペン03-5467-008112/8(木)18:30 福岡シンフォニーホール ■ アクロス福岡チケットセンター092-725-9112《煌めくガラ・コンサート》12/1(木)、12/2(金)各日19:00 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ ■ エラート音楽事務所075-751-0617https://www.classic-caravan.com ※各公演の詳細は左記ウェブサイトでご確認ください。51
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