eぶらあぼ 2022.11月号
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SACDCDCDCDフェスタ!/Le Due Trombeレガシー・オブ・デュオ/百武由紀&苅田雅治死の舞踏 〜悪魔のパイプオルガン/石丸由佳グノー(W.T.ベスト編):操り人形の葬送行進曲/サン=サーンス(E.ルメア編):死の舞踏/作者不詳(坂本日菜編):「モンセラートの朱い本」より〈死に向かって急げ〉/ジャゾット:アルビノーニのアダージョ/アラン:フリギア旋法によるバラード/J.S.バッハ:コラール「おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け」 他石丸由佳(オルガン)キングレコードKICC-1603 ¥3300(税込)152名古屋フィル第500回記念定期演奏会ライブ。音楽監督・小泉和裕の指揮による壮大で華麗な演奏であり、R.シュトラウスが書いた精緻で色彩豊かなオーケストレーションを見事に音化している。冒頭の「日の出」から奥行きのある響きが印象的だ。最大の聴きものは「頂上にて」で圧倒的な金管群が雄大な山容と眺望を表現する。小泉=名フィル・サウンドの威力を見せつける。続く「景観」でも弦の美しさが際立ち、ティンパニの激しい打ち込みがとどめを刺す。破天荒な「雷雨と嵐、下山」もとてもいい。小泉と名古屋フィルの高性能アンサンブルによって音の絵巻を隅々まで存分に堪能できる。(横原千史)冒頭ヘンデルの「コンチェルト・グロッソ」から、音の広がりが生む伸びやかで壮麗な空間に、トランペットとオルガンという編成の可能性を感じる。それは高音だろうが難しいパッセージだろうが、なめらかに歌う霧生貴之と川田修一があってこそ可能になる。そこから彼らはライトなクラシック、ミュージカル、映画音楽、さらには打楽器を加えフラメンコ、ジャズまで自在に越境し、「エルザの大聖堂への行列」で荘厳な雰囲気に戻るかと思えば、最後は「オーメンズ・オブ・ラブ」でにぎやかに締める。オルガン(勝山雅世)も巨体を揺らすかのごときノリノリのリズムで加わり、なんとも開放的な祝祭だ。(江藤光紀)長く活躍するふたりの名手、百武由紀と苅田雅治が「ヴィオラとチェロの二重奏」という珍しい楽曲を集めた好企画。温かく鄙びた音色の魅力的なこと! 両楽器の特徴は出ているにも関わらず、あまりの統一感に判別不能に溶け合う場面も多く、稀有なバランスが実現している。18世紀作品はヴィオラC線とチェロ中音域の渋い音の絡みが心地よい。20世紀作品は一気に技巧的になるが、表情はあくまでさりげなく、現代的な刺激やハーモニーを古典のように聴かせるという練達の技が発揮される。作品も聴きながら顔の筋肉がほぐれるような佳品ばかり。中低音楽器を愛する人はぜひご一聴を。(林 昌英)「メメント・モリ(死を想え)」とは、古代ローマから伝わる警句。デンマークやドイツに学び、シャルトル国際オルガンコンクールを制した俊英・石丸由佳の新譜は、これがテーマに。彼女が専属オルガニストを務める新潟・りゅーとぴあのグレンツィングの美音で、グレゴリオ聖歌から現代まで、民俗色の濃い調べや映画音楽も交えて、変幻自在に聴かせてゆく。オーケストラに匹敵…いや、もはや凌駕する迫力と音色の多彩さで、聴く者を圧倒。かたや、常に息づく確かな生気は、「メメント・モリ」が「今をより善く生きる」ことに他ならぬことを思い出させてくれる。 (笹田和人)R.シュトラウス:アルプス交響曲小泉和裕(指揮)名古屋フィルハーモニー交響楽団収録:2022年4月、愛知県芸術劇場 コンサートホール(ライブ)オクタヴィア・レコードOVCL-00788 ¥3520(税込)作者不詳:コンチェルト・グロッソ 変ホ長調(伝ヘンデル:コンチェルト・グロッソ op.3/4b)/ワーグナー:オペラ《ローエングリン》より〈エルザの大聖堂への行列〉/和泉宏隆(T-SQUARE):オーメンズ・オブ・ラブ(以上霧生貴之編) 他Le Due Trombe【霧生貴之 川田修一(以上トランペット)】勝山雅世(オルガン) 井手上達(パーカッション) 伊藤慶亮(指揮) 山本英助(トランペット) 他コジマ録音ALCD-3129 ¥3080(税込)クープラン(ルフ編):「趣味の融合または新コンセール集」より〈第13番 ヴィオラとチェロのためのコンセール〉/ヒンデミット:ヴィオラとチェロのための二重奏曲/シュル:2つのハシディック・ダンス/ピストン:ヴィオラとチェロのための二重奏曲/ルトスワフスキ:ヴィオラとチェロのための牧歌集 他百武由紀(ヴィオラ)苅田雅治(チェロ)EVER GREEN PUBLISHINGS/スペースシャワーミュージックDQC-1664 ¥3000(税込)R.シュトラウス:アルプス交響曲/小泉和裕&名古屋フィル

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