eぶらあぼ 2022.10月号
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11/19(土)14:00 第一生命ホール 9/20(火)発売問 トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 https://www.triton-arts.net10/28(金)18:00 紀尾井ホール問 紀尾井ホールウェブチケット webticket@kioi-hall.or.jp https://kioihall.jp10/29(土)14:00 三鷹市芸術文化センター 風のホール問 三鷹市スポーツと文化財団0422-47-5122 https://mitaka-sportsandculture.or.jp93クァルテット・ウィークエンド 2022-2023 SQW #156ウェールズ弦楽四重奏団 〜アカデミー生とともに12名の若手俊英がアカデミーを経てウェールズと共演 今や名実ともに日本を代表する弦楽四重奏団の一つであるウェールズ弦楽四重奏団(﨑谷直人、三原久遠、横溝耕一、富岡廉太郎)。そんな彼らが、今年からトリトン・アーツ・ネットワークとともに、室内楽に取り組む若い弦楽器奏者たちを対象にアカデミーをひらいている。 そして11月19日には、「アカデミー生とともに」と題するコンサートが開催され、ウェールズ弦楽四重奏団とアカデミー生たちが共演する。アカデミー生には、クァルテット・アベリア、今秋のARDミュンヘン国際音楽コンクールに参加したレグルス・クァルテットの若手弦楽四重奏団のほか、2019年の日本音楽コンクール・ヴァイオリン部門第1位の東亮汰ら個人参加の気鋭奏者たちもいる。 この日のコンサートでは、最初に、﨑谷が個人参加のアカデミー生たちとモーツァルトの弦楽五重奏曲第4番で共演する。続いて、ウェールズ弦楽四重奏団でウェーベルンの「弦楽四重奏のための緩徐楽章」が演奏され、クァルテット・アベリアがシューマンの弦楽四重奏曲第2番でアカデミーでの研鑽の成果を披露する。そのあと、クァルテット・アベリアに横溝、富岡が入りR.シュトラウスの歌劇《カプリッチョ》から序いては、ブルネロであれば世界最高峰の体験になることはもはや前提であり、今回はヴァイオリン曲との相乗効果でどのような姿が提示されるのか、という新境地までが期待される。 プログラミングは、ヴァイオリン曲は初日の紀尾井ホールでパルティータ3曲、2日目の三鷹市芸術文化センターでソナタ3曲。チェロ組曲は後半3曲が初日、前半3曲が2日目なので、購入の際は要注意。この順番も会場と楽曲の関係等、何らかの理由があるのだろう。ブルネロのほかには実現し得ないプロジェクト、刮目して体験したい。左より:﨑谷直人、横溝耕一、富岡廉太郎、三原久遠 ©Satoshi Oono曲の弦楽六重奏を、レグルス・クァルテットに横溝、富岡が加わりブラームスの弦楽六重奏曲第2番を奏でる。若手クァルテットとウェールズ弦楽四重奏団のメンバーの共演がどんな化学反応を起こすのか興味津々である。文:山田治生文:林 昌英©Gianni Rizzottiマリオ・ブルネロ J.S.バッハ 無伴奏チェロ・リサイタル無伴奏作品の新境地を開拓する 現代最高のチェリストのひとり、マリオ・ブルネロが来日してバッハを聴かせる。しかも無伴奏チェロ組曲全6曲に加えて、なんと無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全6曲まで披露するという驚きの企画。さらには2会場、2日間で12曲完奏というユニークなプロジェクトでもある(セット券は無し)。 気になるのはヴァイオリンの6曲で、「チェロ・ピッコロ」という小型のチェロを使用すること。チェロより一回り小さく、調弦はヴァイオリンと同じ(下からソレラミ)で1オクターブ低い音が鳴る。17世紀からバッハが没する時期まで用いられた楽器で、1720年代には一時的に流行したという。とにかくブルネロ待望のレパートリーとのことで、学究的な意味合いに留まらず、録音ではすでに再発見にあふれた心洗われる演奏を実現しており、実演でも意義深さという枠をはるかにこえる世界を作りあげてくれるはず。チェロ組曲につ

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