eぶらあぼ 2022.10月号
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第356回 定期演奏会 11/10(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 https://www.cityphil.jp9110/7(金)19:00、10/8(土)14:00 サントリーホール ブルーローズ(小)問 サントリーホールチケットセンター0570-55-0017 https://suntory.jp/HALL/他公演 10/10(月・祝) 鳥取/倉吉未来中心(0858-23-5391)    10/12(水) 大阪/住友生命いずみホール(06-6944-1188)藤岡幸夫 ©HIKAWA曲だ。独奏は寺田悦子、渡邉規久雄の夫婦コンビ。長年の競演を通じて培われた呼吸で、この複雑な音楽の骨組みを明快に描き出してくれるだろう。 後半のドビュッシーはフルートがたゆたい幻想的に始まる「牧神の午後への前奏曲」で幕を開け、朝焼けに輝く水面から荒れ狂う大海原まで、大自然パガニーニ・クァルテットヨーロッパで注目を集めている気鋭の団体である。10月のブルーローズ公演で披露される演目は、7日はハイドン「ひばり」、ショスタコーヴィチ第8番、シューベルト「死と乙女」という人気の名曲集。8日はヴェーベルン「緩徐楽章」、メンデルスゾーン第4番、プッチー左:寺田悦子 右:渡邉規久雄 ©武藤 章が見せる多彩な表情を活写した交響詩「海」へとつなげる。 アルカイズムに始まりモダニズムを経て、世紀末シンボリズム、印象派へと至る英仏海峡を挟んだダイナミックな旅に、藤岡が元気いっぱいのタクトで操縦する東京シティ・フィルの豊潤なサウンドに乗って出かけよう。ゴルトムント・クァルテット ©Nikolaj Lundニ「菊」、ベートーヴェン第6番と、クァルテットの世界に深入りできる名品が並ぶ。安定した響きで弦楽四重奏の伝統を引き継ぐゴルトムント・クァルテットによる演奏で、楽曲の魅力と、ストラディヴァリウスの最高の音色を堪能する、贅沢な2日間となる。文:江藤光紀文:林 昌英藤岡幸夫(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団アニバーサリーイヤーの英仏2大作曲家を一夜で 東京シティ・フィルの11月定期は、エネルギッシュな音楽の伝道師・藤岡幸夫が洒脱な選曲で聴かせる。前半は藤岡が得意とするイギリス音楽より、今年生誕150年を迎えるヴォーン・ウィリアムズ、後半はその10歳年上にあたるドビュッシーと、時代を代表する英仏の2大作曲家からそれぞれ2作ずつをチョイスし構成した。 「トマス・タリスの主題による幻想曲」はヴォーン・ウィリアムズの出世作となった作品で、弦楽四重奏+2群に分かれた弦楽合奏が、ルネサンスの作曲家の主題をモダンな装いのもとに現代のホールにこだまさせる。「2台のピアノのための協奏曲」は、はじめ1台のピアノ協奏曲として作曲されたが、あまりにも演奏が難しかったため2台用に改作されたという曰く付きの作品。この作曲家にしてはかなり尖ったところもあるが、最後は清涼なエンディングを迎える。実演ではなかなか聴けない珍しいストラディヴァリウス・コンサート 2022世界中で愛される弦楽器の最高峰が6年ぶりに集結 ストラディヴァリウスの華麗な響きに包まれるコンサートが戻ってくる。 日本音楽財団よりストラディヴァリウスを貸与されている世界的な演奏家が出演する「ストラディヴァリウス・コンサート」。1998年から開始され、サントリーホールでは10挺以上が一堂に会する演奏会を2008年、12年、16年に開催してきた。今年は同ホールのブルーローズで開催されることになり、世界に6組のみ存在するストラディヴァリウスの弦楽四重奏セットの一つ、「パガニーニ・クァルテット」が登場する。これまで日本ではわずかな演奏機会しかなかった同セット、その稀少にして歴史的な価値の高い音色を日本で聴ける、またとない機会となる。 その貴重なセットを携えて登場するのは、2010年結成、初来日となるゴルトムント・クァルテット。18年にはウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクール第2位&メルボルン国際室内楽コンクール優勝という快挙を成し遂げ、

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