eぶらあぼ 2022.10月号
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第145回 アンサンブル of トウキョウ定期演奏会10/18(火)19:00 東京文化会館(小)問 アンサンブル of トウキョウ事務局045-595-0223  https://www.ensembleoftokyo.com11/11(金)14:00 高崎芸術劇場問 高崎芸術劇場チケットセンター027-321-3900 http://takasaki-foundation.or.jp/theatre/80Interview青山聖樹(オーボエ)& 玉井菜採(ヴァイオリン)編曲の妙を愉しむオール・バッハ・プログラム 1986年創立の「アンサンブル of トウキョウ」は、今年7月の定期演奏会が完売になるなど、企画力と実力の高さで注目を集めている。10月定期はJ.S.バッハ特集。バッハ自身の編曲に着目したプログラムで、その意図を同団代表のオーボエ青山聖樹(N響首席)とソロヴァイオリン玉井菜採が語った。青山「バッハとモーツァルトは当団が柱とする作曲家で、様々な曲をやってきましたが、今回は編曲をキーワードにプログラムを考えてみました。ゲストとしてN響の仲間でもあるフルートの甲斐雅之さんを迎えます」 今回はソロ曲1つ、アンサンブル曲3つ、協奏曲1つの計5曲、考え抜かれた作品が並ぶ。ソロ曲は5曲の中央に置かれた無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番。玉井の奏でる傑作は屈指の聴きどころとなる。玉井「多様な編成の演目が並ぶ中での無伴奏曲なので、4楽章で立派な構造を持ち、求心力のあるソナタ第1番を選びました。広がりのあるプログラムの真ん中で、重しのような感じになればいいなと思います」 協奏曲は「チェンバロと2つのフルートのための協奏曲BWV1057」。これは「ブランデンブルク協奏曲第4番」のバッハ自身による編曲作品で、他の3曲も編曲というつながりから選ばれた。陽がいっぱい』、そしてスピルバーグ版も鮮烈だった『ウエスト・サイド・ストーリー』などが揃う前半も楽しみだが、『ムーン・リバー』に『シャレード』『ローマの休日』と映像付きでヘップバーン出演作からのナンバーが並ぶ後半も圧巻。これまでに映像と音楽がピッタリとシンクロする“神業”コンサートの数々を成功させてきた竹本ならではの“魔法”で魅せてくれるはずだ。青山聖樹青山「有名な原曲はフルート2本とヴァイオリンソロですが、それをバッハがフルート2本とチェンバロに編曲したものです。聴く機会は少ないですが、今回すばらしいチェンバロ奏者の大村千秋さんに参加していただくことになり、メインに設定しました。 ヴィオラ・ダ・ガンバのソナタは3曲あり、その第1番をバッハ自身がフルート2本と通奏低音用に編曲しています。そこから河野文昭さんの弾く第2番(BWV1028)と、甲斐さんと当団フルートの村上成美さんによる第1番の編曲(BWV1039)を披露したいと考えました。甲斐さんは村上さんの弟子で、師弟共演としても注目です。そして、バッハの編曲に倣い、オルガンのトリオ・ソナ玉井菜採 ©尾形正茂タ(BWV527)をオーボエ、ヴィオラ、通奏低音で演奏します。オーボエでやることが多い曲ですが、今回はヴィオラも入って興味深い響きになると思います」玉井「実はバッハ自身柔軟な発想の持ち主で、自分の作品をリサイクルして組み合わせを変えて演奏していました。形を変えてもバッハの本質を捉えられるという面も見据えるプログラムだと思います。ただ、『ブランデンブルク協奏曲第4番』のヴァイオリンソロは本当に難しくて、今回はチェンバロが弾いてくれるのでよかったです(笑)」 和やかで親密、それでいて真剣さとこだわりも強い演奏が同団の特色。手練れたちによるバッハ漬けの一夜、深く味わってみたい。取材・文:林 昌英文:東端哲也竹本泰蔵群馬交響楽団 × 高崎芸術劇場 GTシンフォニック・コンサート vol.4映画音楽名作選2 〜スクリーンでよみがえる名画選〜懐かしのシーンを心打つ旋律とともに クラシックとポピュラーの2大柱で高崎から名曲を発信する、今年の演奏会シリーズも第4弾に突入。11月には「映画音楽名作選」の2回目が開催される。若手マエストロの筆頭格・原田慶太楼がサクソフォンの名手・須川展也とともに巨匠ジョン・ウィリアムズ作品を届けた6月の1回目が好評につき完売を果たしているだけに期待は大いに高まる。 今回は“スクリーン・ミュージックといえばこの人”の竹本泰蔵が登場。壮大な『ベン・ハー』組曲や美しくも切ない『ゴッドファーザー』愛のテーマや『太

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