eぶらあぼ 2022.10月号
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9/26(月)19:00 紀尾井ホール問 AMATI 03-3560-3010 https://www.amati-tokyo.com2022グランドオペラフェスティバル in Japan 二期会オペラ公演《フィガロの結婚》宮本亞門演出の人気プロダクションが大分で初上演10/23(日)13:00 大分/iichiko総合文化センター iichikoグランシアタ問 二期会チケットセンター03-3796-1831 http://www.nikikai.net68 文化庁アートキャラバン事業のひとつである「2022グランドオペラフェスティバル in Japan」の一環として、東京二期会が大分市のiichiko総合文化センター iichikoグランシアタで、宮本亞門演出のモーツァルト《フィガロの結婚》を上演する。 これは、2002年に二期会創立50周年記念公演として初演され、その後2006年、11年、16年、そしてコロナ禍で代替公演となった22年2月と合計5回も上演されている人気のプロダクション。シンプルだが美しいニール・パテルの装置、モノトーンを基調とした前田文子の衣裳とともに、一度観たら左より:宮本亞門/川瀬賢太郎 ©Yoshinori Kurosawa/与那城 敬 ©永友ヒロミ/髙橋絵理/萩原 潤/小林由佳/種谷典子 ©Yoshinobu Fukaya/aura.Y2 アルマヴィーヴァ伯爵にはノーブルなバリトンとして人気の高い与那城敬、伯爵夫人に今や二期会のオペラになくてはならない髙橋絵理、フィガロにはベテラン萩原潤、ケルビーノには二期会を代表するメゾソプラノの小林由佳、そして2月の《フィガロ》でもスザンナを歌い、現在大注目の若手ソプラノ種谷典子と、二期会の人気歌手たちが顔を揃える。華やかで充実した舞台をひとりでも多くの人に堪能してもらいたい。忘れられない素晴らしい舞台である。 今回は大分のほかに鳥取、堺、山形でも上演されるが、大分公演では現在、オペラにシンフォニーに引っ張りだこの川瀬賢太郎がタクトをとるのに注目だ(管弦楽は日本センチュリー交響楽団)。川瀬は、先述した22年2月に、《影のない女》が中止となった代わりに急遽上演が決まった《フィガロの結婚》でも指揮を担当し大好評を博した。モーツァルトのオペラを得意とする川瀬による盤石の音楽作りに期待したい。た音楽家なのである。確かに彼女のYouTubeチャンネルの動画を視聴すると、精度の高いテクニックはもちろん、深く充実した響きの音色、音楽をまとめあげる構築力の高さなどが存分に発揮されているのがわかる。 今回のリサイタルではベートーヴェンの「テンペスト」にシューマンの「ウィーンの謝肉祭の道化」、ショパンの「4つのバラード」という、ピアニストの技術と表現力がすべて露わになる作品が並んでいるが、だからこそ彼女がどのようなピアニストなのかを存分に感じ取ることができるはずだ。©Irina Schymchak文:室田尚子文:長井進之介アレクサンドラ・ドヴガン ピアノ・リサイタル世界が注目する15歳、待望の日本デビュー この秋、驚異の若きアーティストが日本デビューを果たす。ロシア出身、現在15歳のアレクサンドラ・ドヴガンだ。難関で知られるモスクワ音楽院附属中央音楽学校に5歳で入学し、名教師ミラ・マルチェンコに師事。ウラル・プロコフィエフ国際コンクールや、若い音楽家のための国際音楽コンクール「くるみ割り人形」での入賞など、数々の輝かしい成績を収めている。ベルリン・フィルハーモニーやアムステルダムのコンセルトヘボウといった著名なホールでデビューし、ザルツブルク音楽祭やラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭にも招待されているドヴガンは、まさに“神童”と呼べる存在だろう。しかし、彼女はもうそれすら飛び越えている。“生ける伝説”と評されるピアニスト、グリゴリー・ソコロフから「稀代の事件だ」「アレクサンドラの才能は桁外れに調和している」と絶賛されるほど、すでに成熟し

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