eぶらあぼ 2022.10月号
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11/3(木・祝)15:00 よこすか芸術劇場問 横須賀芸術劇場046-823-9999 https://www.yokosuka-arts.or.jp62二次世界大戦を受けて書かれた戦争交響曲なのだ。ときに荒々しくペシミスティックな楽想が嵐のように吹き荒れるが、最後に訪れるのは静謐な「鳥の主題」だ。これは荒れ果てた廃墟なのか、あるいは希望なのか。 スイス人の両親のもとフランスに生まれたオネゲルだが、ドイツ音楽の伝統から大きな影響を受けており、交響曲の創作においてはベートーヴェン的な精神を受け継いでいる。ベートーヴェンの交響曲第定期演奏会 第381回 11/19(土)14:00 横浜みなとみらいホール問 神奈川フィル・チケットサービス045-226-5107 https://www.kanaphil.or.jpトゥーラが連続する夜の女王のアリアや、お供のパパゲーノと恋人パパゲーナによる「パパパの二重唱」など親しみやすい音楽が満載。ソリスト陣もみな、ハンガリー国立歌劇場のメンバーたちで、いわば「ハンガリー・チーム」がそろって横須賀にやってくることになる。また本公演はS席が15,000円とオペラ公演としてはたいへんリーズナブルなのも魅力。しかも24歳までの学生であれば一般席の半額で鑑賞することができる。ぜひ初めてオペラを観るという若い方や、家族そろってのオペラ鑑賞に選んでほしい。小泉和裕 ©Prague Spring Ivan Maly3番「英雄」でも葬送行進曲が登場するが、最後に打ち勝つのは高邁な理想主義だ。現今の社会情勢にこれほどふさわしいプログラムがあるだろうか。文:飯尾洋一文:室田尚子小泉和裕(指揮) 神奈川フィルハーモニー管弦楽団リニューアルしたホールに響く名匠との「交響曲第3番」 約1年10ヵ月の改修工事を経てリニューアルオープンする横浜みなとみらいホールに神奈川フィル定期演奏会が帰ってくる。同ホール再開後、最初の定期演奏会を指揮するのは特別客演指揮者として就任8年目を迎える小泉和裕。名匠が本拠地への帰還をオネゲルの交響曲第3番「典礼風」とベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」で飾る。 オネゲルの交響曲第3番「典礼風」は小泉が得意とするレパートリー。と同時に、この曲はカラヤンがくりかえし取り上げて世に広めた作品でもある。1973年カラヤン国際指揮者コンクール第1位の小泉にとっては恩師譲りのレパートリーと言ってもよいだろう。 「典礼風」は3つの楽章から構成され、それぞれには「怒りの日」「深き淵より」「われらに平和を」の題が添えられている。レクイエム的な性格が色濃いが、それもそのはず、作曲は1945年から46年にかけて。これは凄惨な第ハンガリー国立歌劇場 モーツァルト《魔笛》クレンペラー、カラヤンが率いた名門歌劇場が横須賀に ハンガリー国立歌劇場は、ウィーン国立歌劇場とともにハプスブルク帝国の二大王立歌劇場として140年近くの歴史を誇る。1884年の開場時には、フランツ・ヨーゼフⅠ世が臨席したという由緒正しいエピソードが残る。開場後まもなくグスタフ・マーラーが音楽監督に就任し、黄金時代を築いた。その後もアルトゥール・ニキシュ、オットー・クレンペラーなど錚々たる巨匠が音楽監督を務めている。現在は、音楽監督というポストではないもののヤーノシュ・コヴァーチュが中心となっている。また、バルトークの《青ひげ公の城》やコダーイ《ハーリ・ヤーノシュ》などがここで初演されている。 そんな名門劇場がこの11月、よこすか芸術劇場にやってくる。演目は、オペラ初心者にも親しみやすい名作モーツァルトの《魔笛》。王子タミーノがパミーナを助けにザラストロの神殿に乗り込むという物語で、高音のコロラ

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