eぶらあぼ 2022.10月号
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182春夏秋冬コンサート【秋公演】2台のチェロ10/15(土)14:00 たましんRISURUホール(小)多川響子 ピアノリサイタル~ロ短調の終末~文:笹田和人ヴァイオリン漆原朝子やチェロ河野文昭ら、ソリスト級の名手たちが集結し、快演を披露している「東京クライス・アンサンブル」。今回は、メンデルスゾーンが10代で書いた佳品を特集する。16歳の彼が最初に世間の注目を集めるきっかけとなり、今も人気の高い「弦楽八重奏曲」を軸に、翌年の「弦楽五重奏曲第1番」、2年後の「フーガ」op.81-4を披露。“夭折の天才作曲家”の早熟ぶりを、秀演で堪能する。東京クライス・アンサンブル プロデューサー・シリーズ 早熟の天才メンデルスゾーン 10代の傑作長島剛子(ソプラノ) & 梅本 実(ピアノ)リートデュオ・リサイタル長島剛子©Marco Borggreve四季それぞれのシーンに相応しい名演を届けるシリーズ。「秋」には、金子鈴太郎と笹沼樹、2人の気鋭チェリストが登場する。国内外のコンクールで実績を重ね、ソ笹沼 樹 ロや室内楽、オーケ©Taira Tairadateストラ奏者としても活躍する名手たち。サン=サーンス「白鳥」やドヴォルザーク「ユモレスク」、カザルス「鳥の歌」、バリエール「ソナタ」、パガニーニ「モーゼ変奏曲」ほか名旋律を通して、じっくりと対話する。今年は、イギリス音楽の巨人、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの生誕150年。ロンドンを拠点に国際的に活躍するヴァイオリンの小町碧は、気鋭のジャーナリストによる同作曲家の伝記の翻加藤昌則訳を手掛けた。その出版を記念したリサイタル。ピアノの加藤昌則との共演で、おそらく本邦初演となる「ソナタ イ短調」をはじめ、「グリーンスリーヴズによる幻想曲」(ムリナー編)や「揚げひばり」(vn&p版)、歌曲からの編曲など、詩情あふれる世界を堪能する。10/22(土)14:00 京都府立府民ホール アルティ11/5(土)15:00 東京/汐留ホール京都市立芸術大学・大学院からドイツ・ドレスデンの音楽大学に学び、関西を拠点に活躍するピアニストの多川響子。東西で開くリサイタルは、「ロ短調の終末」と題し、この調性によるリストの名ソナタをメインに。この作曲家と交流のあったショパンの「ポロネーズ第5番」や「バラード第4番」、「3つのマズルカ」op.59に、先人モーツァルトの「幻想曲ニ短調」と、痛切な思いを感じさせる傑作を集めて、心を込めて紡ぐ。ヴォーン・ウィリアムズ生誕150周年 小町 碧(ヴァイオリン) 出版記念リサイタル ~イギリスの心を奏でた国民的作曲家10/31(月)19:00 王子ホール掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。金子鈴太郎 ©Nobuo MIKAWA小町 碧10/8(土)14:00 Hakuju Hall10/15(土)17:00 札幌/ザ・ルーテルホール10/27(木)19:00 東京文化会館(小)19世紀末から20世紀にかけてのドイツ歌曲の演奏と紹介に力を注ぐ、ソプラノの長島剛子。リート伴奏の名手・梅本実とのデュオ・リサイタル「ロマン派から20世紀へ」シリー梅本 実ズの第4弾は、フーゴ・ヴォルフ(1860~1903)を中心に。その「ゲーテ歌曲集」より〈ミニョンの四つの歌〉をはじめ、ツェムリンスキー、ヴェーベルン、アイスラー、クシェネクらによる“その後”の傑作の数々から、時代特有の美学を味わう。ポポロでバッハを弾く鈴木優人 チェンバロ・リサイタル10/23(日)15:00 広島/三原市芸術文化センター ポポロ鍵盤楽器奏者や指揮者としてのみならず、作曲や演出、プロデュースなどマルチな活躍を続ける鈴木優人。今回は、チェンバロでバッハの「6つのパルティータ(クラヴィーア練習曲第1巻)」全曲に対峙する。作曲家として脂の乗った40代に編んだ、“鍵盤組曲の集大成”とも言うべき傑作群。奏者自身によるトークを交えて、「6つの小宇宙の集まりのような、美しい舞曲のかたまり」(鈴木)の尽きせぬ魅力を掘り下げてゆく。月の10

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