eぶらあぼ 2022.10月号
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11/5(土)13:30 19:00、11/6(日)14:00 シアターX(カイ)問 ムジカキアラ03-6431-8186 https://exnovo.jp12/10(土)15:00 豊田市コンサートホール問 豊田市コンサートホール・能楽堂事務室0565-35-8200 https://www.t-cn.gr.jp97ダのシュニットガー国際オルガンコンクールを制して、欧州各地でも活躍。今回のリサイタルでは、代表作「前奏曲、フーガと変奏曲」や「交響的大曲」といった1860年代の作品を中心に、1878年の「3つの作品」や最晩年の「コラール第1番」までを弾き、オルガン作品の世界を俯瞰する。 また、「セザール・フランクの魅力」をテーマとした「パイプオルガンを楽しむための講座」は、すでに2回(6月、8月)を開催。10月22日の第3回「フランクにハマる! オルガン作品の魅力」では、ベルギー出身で那須野が原ハーモニーホールのオルガニスト、ジャン゠フィリップ・メルカールトが登場し、「コラール第2番」「フィナル」ほかを取り上げる。福島康晴後に残した伝説的重要作だ。いずれ劣らぬ名録音の数々で知る人も多いとはいえ、本質が伝わる「生」の上演はきわめて稀少(若杉弘指揮で東京室内歌劇場が取り上げた2000年以来の快挙ではないか)。本場イタリアや古楽の都バーゼルで揉まれてきた俊才続々の演奏陣が、演劇に特化した空間で古文:白沢達生©鈴木浩介井田邦明楽解釈の粋を尽くし、欧州舞台の人・井田の演出で生々しく蘇らせる「生まれたての音楽劇」の素顔。古代に憧れたバロック初期のイタリア人芸術家たちの思い描いたステージの理想を「今、ここ」に現出させうる日本の音楽シーン成熟に、輝かしい未来への希望も感じられそうだ。エクス・ノーヴォ vol.16 カヴァリエーリ《魂と肉体の劇》400年以上の時を経て蘇るイタリア舞台芸術の原点 ステージで芝居を演じるパフォーマーが見事な語り口で発するセリフが、あまりに美しく歌にもなっていた……そう伝えられる古代の演劇を、自分たちでも実現してみようとした16世紀末のイタリア人たち。そこで生まれた総合芸術こそ、西洋音楽の演奏表現の重要なルーツである声楽分野=オペラの原点だ。その生まれたての姿を、コンサートホールという近代発祥の設備ではなく、本来の姿通り演劇向けのステージで体感できる機会が11月に実現する。 イタリア最前線の古楽シーンで研鑚を重ねた福島康晴率いる精鋭集団エクス・ノーヴォが、ミラノに拠点を置く演出家の井田邦明を迎え両国のシアターXで披露するのは、1600年に諸芸術の坩堝ローマで披露された傑作《魂と肉体の劇》。あまりの才能にカッチーニやペーリら同僚の嫉妬を買い、オペラ揺籃の地フィレンツェを追われた天才作曲家カヴァリエーリが生涯最徳岡めぐみ パイプオルガン・リサイタル生誕200年に味わう、フランス近代音楽の礎を築いたフランクの傑作文:笹田和人 ベルギー出身ながらパリで活躍し、“フランス近代音楽の父”と称されるセザール・フランクは、今年12月10日に生誕200年を迎える。豊田市コンサートホールでは、彼の記念すべき日に開かれる専属オルガニスト、徳岡めぐみのリサイタルを軸として、進行中の講座(全3回)と併せて、フランクの全オルガン独奏作品を連続して紹介。その深遠なる魅力を掘り下げる。 「ヴァイオリン・ソナタ」などの佳品で知られるフランク。傑出した作曲家として幅広いジャンルで多くの作品を残し、教育者としてショーソンらを育てる一方、卓越したオルガンの名手としても知られる。30代半ばで就任したパリのサント・クロチルド聖堂オルガニストの職には生涯を通じて留まり、この楽器の独奏のために20曲以上の作品を残している。 東京藝術大学を卒業後ハンブルク音楽演劇大学で学んだ徳岡は、オラン

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