eぶらあぼ 2022.9月号
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第703回 定期演奏会 9/17(土)18:00 サントリーホール川崎定期演奏会 第87回 9/18(日)14:00 ミューザ川崎シンフォニーホール問 TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511 https://tokyosymphony.jp9/4(日)14:00 めぐろパーシモンホール問 めぐろパーシモンホールチケットセンター03-5701-2904https://www.persimmon.or.jp ※イベントの詳細は左記ウェブサイトでご確認ください。51めぐろパーシモンホール開館20周年記念イベント〜音楽のタネ、めぶくとき〜原田慶太楼 × ぱんだウインドオーケストラ開館20周年を祝う豪華初共演が実現 2002年、目黒区の都立大学跡地に誕生したのが、めぐろパーシモンホール。今年、開館20周年を迎えて記念イベントを開催する。その中心となるのが、9月4日の「原田慶太楼×ぱんだウインドオーケストラ」の公演だ。大活躍中のサクソフォン奏者、上野耕平が率いる吹奏楽団ぱんだウインドオーケストラが、今もっとも勢いのある指揮者、原田慶太楼と初共演を果たす。 アメリカと日本を中心にさまざまなオーケストラの指揮台に立つ原田だが、吹奏楽団を指揮すると聞くと意外に思う方も多いかもしれない。しかし原田はサクソフォン奏者を目指してアメリカの芸術高校に入学したというバックボーンの持ち主。吹奏楽部でフレデリック・フェネルと出会ったことから、指揮者への道を志したと聞けば、今回の共演にも納得がいく。 プログラムはぱんだウインドオーケストラのテーマ曲とでもいうべき前久ショハキモフは、フランクフルト放送響を指揮した同曲の動画で、劇的かつ生気に富んだ演奏を展開しているだけに、期待はすこぶる大きい。 女性トランペット奏者ティーネ・ティング・ヘルセットの出演も楽しみだ。1987年ノルウェー生まれの彼女は、世界の一流楽団との共演やCDで人気を得ている実力者。“歌うトランペッター”と称される彼女の柔らかくしなやかな演奏も、ぜひ生で体験したい。演目はトマジの協奏曲。20世紀の同楽器協奏曲を代保諒の「PANDASTIC!!」、清水大輔の「空を削るもの The Skyscrapers」、吹奏楽の巨匠フィリップ・スパークの華麗な「ダンス・ムーヴメント」ほか。吹奏楽を聴く楽しみをたっぷりと伝えてくれることだろう。また、公演の第2部冒頭では目黒区立第十中学校吹奏楽部とのコラボ企画も用意される。左より:原田慶太楼 ©Shin-Yamagishi/上野耕平/ぱんだウインドオーケストラぱんだウインドオーケストラ なお、今回の20周年記念イベントは「音楽のタネ、めぶくとき」と題され、ほかに「0歳からのコンサート ドレミパーカッション」「いろどりワンコインコンサート」(9/3)など、さまざまな企画が2日間にわたって開催される。ホールをぐっと身近に感じる機会となりそうだ。アジス・ショハキモフ ティーネ・ティング・ヘルセット ©Mischa Blank©Anna Julia表するこの曲は、聴くと実に快適だし、ヘルセットの持ち味にもフィットする。本公演は、彼女とショハキモフの同世代共演も含めて、終始耳目を離せないコンサートだ。文:柴田克彦文:飯尾洋一アジス・ショハキモフ(指揮) 東京交響楽団注目の俊英が、傑作に生気を吹き込む 9月の東京交響楽団定期は、21歳時にグスタフ・マーラー国際指揮者コンクールで第2位を獲得したアジス・ショハキモフの登場。1988年ウズベキスタン生まれの彼は、13歳にして指揮者デビューした俊才で、ドレスデン国立歌劇場管、フランス放送フィル、ロンドン・フィル等に客演し、2021/22シーズンからストラスブール・フィルの音楽監督を務めている。日本でも読響等への客演やラ・フォル・ジュルネでのデュッセルドルフ響との共演で好評を博しており、ノットのもとで活力漲る今の東響からいかなる音楽を引き出すか? 大いに注目される。 演目は、まずドビュッシーの「管弦楽のための映像」より〈イベリア〉。スペイン情緒に溢れた、吹奏楽でも人気の作品で、精妙さと活気が共生した音楽はぜひともライブで味わいたい。メインは、迫力と機智に溢れた明快な傑作、プロコフィエフの交響曲第5番。

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