eぶらあぼ 2022.9月号
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36 昨年に引き続き今年も「クラシック・キャラバン」が開催される。「クラシック・キャラバン」はコロナ禍を乗り越えようと、一般社団法人日本クラシック音楽事業協会が文化庁の支援を受けて企画した公演プロジェクト。今年は9月から12月にかけて全国13地域で21公演が開かれる。「クラシック音楽が世界をつなぐ~輝く未来に向けて~」というキャッチフレーズのもと、日本を代表する音楽家たちが多数参加して全国各地を巡る。 各公演はオーケストラが出演する「華麗なるガラ・コンサート」と、室内アンサンブル中心の「煌めくガラ・コンサート」の2種類のラインナップに分かれている。全21公演のなかから、9月に開催される6公演をご紹介しよう。 9月の「華麗なるガラ・コンサート」は愛知県芸術劇場(18日)、札幌コンサートホール Kitara(25日)、岩手県民会館(27日)、東京・サントリーホール(29日)を舞台とした4公演。いずれも特別編成のスーパー・クラシック・オーケストラが出演するが、指揮者は公演によって異なる。多数のソリストによる協奏曲やオペラ・アリアが並ぶ華やかなプログラムが特徴となっている。 愛知公演で指揮を務めるのは田中祐子。藤原歌劇団合唱部、二期会合唱団、東京混声合唱団の3団体が参加して、ベートーヴェン「第九」より第4楽章が演奏されるほか、吉野直子の独奏によるヘンデルのハープ協奏曲、徳永二男の独奏によるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲第1楽章、古川展生の独奏によるドヴォルザークのチェロ協奏曲第1楽章など、多彩なプログラムが用意される。幸田浩子、宮本益光ら歌手陣によるオペラ・アリアも聴きもの。 札幌公演の指揮は阪哲朗。福川伸陽によるモーツァルトのホルン協奏曲第3番第1楽章、渡辺玲子のヴァイオリンによるサラサーテ「カルメン幻想曲」、岡田奏によるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番第1楽章、幸田浩子、小林由佳、櫻田亮、大西宇宙の歌手陣によるオペラ名曲集、J.シュトラウスⅡのワルツ「美しく青きドナウ」ほか、名曲が並ぶ。 岩手公演も阪が指揮し、「美しく青きドナウ」などを披露。松田華音によるベートーヴェンのピアノ個性豊かな6公演が並ぶ9月の開幕シーズン文:飯尾洋一

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