eぶらあぼ 2022.9月号
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■■■■■■〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場12月1日 F.ベッシュBs-Br レーヴェ、シューベルト他の作品 共/M.マルティノーp12月2、5日 プッチーニ:トスカ 指/G.サグリパンティ、演出/M.ヴァルマン、出/C.ニールンド、S.ラ・コッラ、E.シュロット12月3、6、9日 ジョルダーノ:アンドレア・シェニエ 指/F.ランツィロッタ、演出/O.シェンク、出/J.カウフマン、C.アルヴァレス★◎12月4、8、11、15、20日 ワーグナー:ニュルンベルクのマイスタージンガー[プレミエ] 指/P.ジョルダン、演出/K.ウォーナー、出/M.フォッレ、G.ツェッペンフェルト、W.コッホ、M.ヘスラー、D.B.フィリップ12月7、10、12、16、19日 モーツァルト:魔笛指/A.ソディ、演出/M.レイザ、P.コリエ★12月18、19、26日 L.フォルマー:チック(Tschick)[プレミエ] 指/J.メルトル、演出/K.ウィンケル◎12月18、22、26日 R.シュトラウス:ばらの騎士 指/P.ジョルダン、演出/O.シェンク、出/K.ストヤノヴァ、G.グロイスベック、J.D.フローレス(18/22日)/A.ロメロ◎12月25、28、30日 ドニゼッティ:連隊の娘指/M.スポッティ、演出/L.ペリー、出/J.D.フローレス、S.ハウトツィール◎12月31(昼夜2回公演)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 指/S.ヤング、出/J.シュナイダー/A.シャーガー(夜日)、L.エイキン/R.ウィリス=ソレンセン(夜日)ウィーン・フォルクスオーパー12月1(19:00)、5(19:00)、9(19:00)、14(18:30)、21(19:00)、27(19:00)日 F.ロウ:マイ・フェア・レディ(ミュージカル) 演出/R.ヘルツル12月2(19:00)、6(19:00)、11(19:00)、22(19:00)、28(19:00)日 ヴァイル:三文オペラ まずオペラの注目公演から。ベルリン州立歌劇場で11月から「バロックターゲ2022」として上演されている演目(ヤーコプス指揮のヴィヴァルディ「イル・ジュスティーノ」、スピノジ指揮のモンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」等)はどれも注目公演だが、中でも12月4日から始まるモーツァルト「ポントの王ミトリダーテ」は、指揮のミンコフスキが、演出のSPAC(静岡県舞台芸術センター)芸術総監督の宮城聰氏とコンビを組んで2020年11月に堂々のお披露目公演となるはずだったところ、コロナの感染拡大により直前に公演中止に至ったという我々日本人にとっても無念の公演。今度こそぜひ無事の開催にこぎつけてほしい。 次にはワーグナーの2公演。ウィーン国立歌劇場の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」とバイエルン州立歌劇場の「ローエングリン」。前者ではキース・ウォーナーの演出、ハンス・ザックスを歌ってきたヴォルフガンク・コッホのベックメッサーの役作り、なども興味津々だが、ワルターに英国出身のテノール、デイヴィッド・バット・フィリップを起用したところが興味深い。なお、日本ではあまり話題にならないが、英国の歌手には最近注目株が多く、例えば12月末にマケラ指揮ウィーン響の「第九」でソプラノを担当するルイーズ・142[22年11月プレミエ] 演出/M.レンハルト12月3(18:00)、7(19:00)、12(18:00)、18(18:00)日 チャイコフスキー:イオランタとくるみ割り人形[22年10月プレミエ] 演出/L.デ・ベール◎12月4(19:00)、8(19:00)、13(19:00)、20(19:00)、26(18:00)、30(19:00)日 プッチーニ:ラ・ボエーム 演出/H.クプファー12月10(18:00)、11(11:00)、15(11:00)、23(18:00)、25(17:00)日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 演出/K.デンヒ12月31(13:30+19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 演出(校訂)/C.ズュースウィーン・フォルクスオーパー管12月17(19:00)日 O.M.ヴェルバー指揮 ハイドン:天地創造 独/A.フリッチュS、M.スングT、A.フリッツェBsオールダーなどは、今後必ずオペラ界の第一線を賑わすであろう逸材。 一方、後者ではワーグナーの新演出を音楽監督のユロフスキーではなく、フランソワ=グザヴィエ・ロトが振るというのがちょっとした驚き。しかも、こちらはフォークト、ペーターゼン、カンペと何だかペトレンコ時代のプレミエを思わせるこの劇場常連のスター歌手を集めた万全の布陣。今後、ロトが定期的にこの劇場に登場してくれるのなら楽しみが増す。ちなみにワーグナーの注目公演としては、フランクフルト歌劇場で11月から続く「マイスタージンガー」に日本人指揮者の森内剛が出るのも重要。 さらにミラノ・スカラ座のシーズン・オープニングがロシアもののムソルグスキー「ボリス・ゴドゥノフ」(ホルテン演出)というのもご時勢的にちょっとビックリ。その他、12月のオペラではウィーン国立歌劇場のR.シュトラウス「ばらの騎士」、フランクフルト歌劇場のチャイコフスキー「チャロデイカ」、チューリヒ歌劇場のカヴァッリ「エリオガバロ」(ヘリオガバルス)、ジュネーヴ大劇場のドニゼッティ「マリア・ストゥアルダ」、オランダ国立オペラのプッチーニ「トゥーランドット」、テアトル・レアルのベッリーニ「夢遊病の女」(新国立劇場との共同制作)あたりも面白そうなラインナップ。 オーケストラでは、同じ指揮者がヨーロッパ内の複数のオーケストラを振るケースがやや目立つ。例えば、トゥガン・ソヒエフ指揮のベルリン・フィルとシュターツカペレ・ドレスデン、ケント・ナガノ指揮のウィーン響、ハンブルク・フィルとミュンヘン・フィル、ネルソンス指揮のベルリン・フィル、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管とバンベルク響、マケラ指揮のウィーン響、パリ管とコンセルトヘボウ管など。しかも、オーケストラごとに演奏曲目がまったくダブらないというのも意外に珍しい。中でも、ナガノ=ウィーン響でのコパチンスカヤ独奏のバルトークのヴァイオリン協奏曲、ネルソンス=ベルリン・フィルでの内田光子との共演、同バンベルク響とのマーラーの交響曲第7番、マケラ=ウィーン響のベートーヴェン「第九」、同パリ管とのマーラー「復活」あたりは注目度大。相変わらず多彩なプログラムを組むラトル=ロンドン響(ヨーロッパ・ツアーあり)、大野和士指揮のブリュッセル・フィルも見落とせない。また、ジルヴェスター・コンサートや年越しコンサートとしては、やはり、ペトレンコ=ベルリン・フィル、ティーレマン=シュターツカペレ・ドレスデン、バレンボイム=シュターツカペレ・ベルリンあたりが三強となろうか。(曽雌裕一・そしひろかず) (コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演ウィーン・フィル[会場:ムジークフェライン(ウィーン)]◎12月17(15:30)、18(11:00)、19(19:30)、21(19:30)日 D.バレンボイム指揮 ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲、シェーンベルク:管弦楽のための変奏曲、ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」◎12月30(11:00)、31(19:30)日 F.ウェルザー=メスト指揮(プレ・ニューイヤー・コンサート(30日)/ジルヴェスター・コンサート(31日))J.シュトラウス・ファミリー他の音楽ウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(SD)=シュテファンスドーム(ウィーン)、(AW)=アン・デア・ウィーン劇場(ウィーン)]◎12月1(19:30)(MV)、2(19:30)(MV)日K.ナガノ指揮 リスト:村の居酒屋での踊り(メフィスト・ワルツ第1番)、バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第1番、R.シュトラウス:町人貴族(組曲) 独/P.コパチンスカヤvn◎12月9(19:00)(KH)、11(11:00)(KH)日T.グッガイス指揮 ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲、メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」 独/F.P.ツィンマーマンvn12月14(20:30)(SD)日 (指揮)未定(当初の予定ではA.オロスコ=エストラーダ)(待降節コンサート) 曲目未定 独/A.バルサムtp12月17(19:30)(MV)、18(19:30)(MV)日C.マチェラル指揮 ハイドン:交響曲第101番「時計」、シューベルト:ミサ曲第6番 独/C.ガンシュS、T.クロンターラーA、S.ダヴィスリムT、M.ミッタールッツナーT、C.フィラーBs、合唱/ウィーン楽友協会合唱団★◎12月15(16:00+18:00)、17(14:00+16:00)、18(14:00)、20(10:30)、21(10:30+12:30)、23(10:30)、27(14:00+16:00)日 メノッティ:アマールと夜の来客[プレミエ] 指/M.ロドガール → 〔アン・デア・12月の見もの・聴きものアン・デア・ウィーン劇場[会場:ミュージアム・クォーター・ホールE(ウィーン)]〔注〕アン・デア・ウィーン劇場は改修工事中です(2024/25シーズンに再開場予定)。それまで MuseumsQuartier・Halle E(Museumsplatz 1,1070 Wien)を代替会場として公演が行われます。★◎12月15(16:00+18:00)、17(14:00+16:00)、18(14:00)、20(10:30)、21(10:30+12:30)、23(10:30)、27(14:00+16:00)日 メノッティ:アマールと夜の来客[プレミエ] 指/M.ロドガール、演出/S.ヘアハイム、演奏/ウィーン響◎12月19(19:00)日 R.ヤーコプス指揮バーゼル室内管 バッハ:カンタータ第147番「心と口と行いと生活をもって」、D.スカルラッティ:サルヴェ・レジナ、バッハ:マニフィカト 独/イム・スンへS、C.デュティユールMs、A.M.ロウコCT、M.ディートリヒT、Y.デブスBs曽雌裕一 編2022年12月の

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