eぶらあぼ 2022.08月号
69/153

8/19(金)19:00 東京芸術劇場 コンサートホール問 東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296 https://tokyo-jazz.com9/4(日)~9/11(日) 越前市文化センター、越前市いまだて芸術館 他問 武生国際音楽祭推進会議事務局0778-23-5057 http://takefu-imf.com※各公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。か、3つのコンサートにも一部出演予定で、今年の中心的存在となる。ほかにも弦楽四重奏曲を中心として、計50名の音楽家(演奏家41名、作曲家9名)が縦横無尽に絡み合うような多彩なプログラムが並び、興味が尽きない。 音楽監督を務める作曲家の細川俊 ほかには、2月に公開された新たな映画が話題となった『ウエスト・サイド・ストーリー』から定番の「シンフォニック・ダンス」を、ニューヨークで最先端のジャズに携わる挾間がどう指揮するのかも楽しみだ。昨年、黒人作曲家として初めてメトロポリタン歌劇場でオペアルディッティ弦楽四重奏団 ©Astrid Karger挾間美帆 ©Kana Tarumi中村佳穂細川俊夫 ©JUMPEI TAINAKA夫は、開催に寄せて「私は、音楽がただの『気晴らし』や『慰め』のためではなく、もっと人間性の豊かさや高貴さを深く表現し、それを守っていくための大切な表現形式であると信じています」との言葉を紡いでいる。その高邁な精神を「武生」で体験し、深く心の糧としたい。東京フィルハーモニー交響楽団 ©上野隆文ラが上演されたテレンス・ブランチャードや、今年のグラミー賞で「アルバム・オブ・ザ・イヤー」を含む5部門を受賞して話題をかっさらった天才ジョン・バティステの楽曲も取り上げるので、アメリカ音楽の最新動向を体感できる貴重な機会にもなるはずだ。文:林 昌英文:小室敬幸66TOKYO JAZZ 2022 NEO-SYMPHONIC! CINEMA JAZZ話題の歌姫も登場! 挾間美帆の指揮で愉しむ映画音楽とジャズ 大袈裟ではなく、これは事件だ。ジャズ作曲家の挾間美帆が3年前からプロデュースしているシンフォニック・ジャズのシリーズ(ガーシュウィンやバーンスタインの系譜に位置する魅力的なオーケストラ作品をプログラミング!)が今年は特別に、日本を代表するジャズフェスティバル「TOKYO JAZZ」と融合する。挾間の指揮する東京フィルと、今をときめくジャズの若きスタープレイヤーたちが共演するというだけでも胸が高鳴るが、一部の楽曲では細田守監督のアニメ映画『竜とそばかすの姫』で主人公を歌い演じた中村佳穂が特別参戦! ポップス系の日本人若手歌手でいまもっとも上手いと大評判の歌姫が、前述の映画の主題歌「U」や、映画史に残る傑作ミュージカルにして“トラウマ映画”としても名高い『ダンサー・イン・ザ・ダーク』からビョークの「I’ve Seen It All」を披露するというのだから聴き逃がせない。武生国際音楽祭 2022室内楽の神髄“弦楽四重奏”をテーマに 30年以上にわたり福井県越前市(旧武生市)を中心に開催されてきた武生国際音楽祭。地元に密着した演奏会、ワークショップ、アカデミーなども充実しているが、大きな特色は現代作品の紹介と演奏だろう。多くの同時代作品が演奏され、ここでの初演から世界に発信していく作品も多数。「世界から武生へ、武生から世界へ」の音楽祭スローガンのとおり、現代芸術の拠点の役割を担っているのである。 今年は9月4日から11日まで、テーマは「弦楽四重奏の現在(いま)」。国内外の演奏家たちによる多様な組み合わせで、幅広い時代の名作を聴かせる。海外の一流演奏家の招聘も3年ぶりに実現予定で、特に目を引くのはアルディッティ弦楽四重奏団。1974年の創設以来、現代音楽のスペシャリストとして世界の最先端を走り続けてきた別格の存在だ。9月6日の単独公演でクセナキス、リゲティ等を披露するほ

元のページ  ../index.html#69

このブックを見る