第643回 定期演奏会〈トリフォニーホール・シリーズ〉 9/10(土)14:00 すみだトリフォニーホール〈サントリーホール・シリーズ〉 9/12(月)19:00 サントリーホール問 新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815 https://www.njp.or.jp9/25(日)15:00 東京文化会館(小)問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 https://www.t-bunka.jpた「結成特別演奏会」(1972年9月15日)を再現する。 曲目は、ベルリオーズの序曲「ローマの謝肉祭」、ラヴェルの組曲「マ・メール・ロワ」、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」。なかでも「英雄交響曲」は、前回の来日でも取り上げ、ピリオド奏法を意識した解像度の高い演奏で話題を集めた。細部まで作り込み、ニュアンスに富む音楽を作り上げるシュテンツ。軽快で溌剌としたリズムのベルリオーズ、色彩感豊かなラヴェルではどのようなアプローチをみせるのか、こちらも楽しみである。な舞台となりそうだ。 当日は2部構成で、第1部では指揮の柴田真郁と演出の岩田が、朝岡聡のナビゲートのもとプレトークを展開。ここでは黒岩航紀(第11回ピアノ部門第1位)が、ラヴェルと縁の深いフォー岩田達宗 ©大阪音楽大学柴田真郁 ©T.Tairadateマルクス・シュテンツ ©Kaupo Kikkas富岡明子文:柴辻純子文:室田尚子朝岡 聡レ、ドビュッシーの作品を演奏。時代背景などとともに作品の魅力を深掘りする。また関連企画として、子どもや若者を対象とした「オペラをつくろう!」と題する3つのオペラ・ワークショップも予定されている。59マルクス・シュテンツ(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団マエストロ小澤ゆかりの指揮者が50年前の創立時プロを完全再現 今年創立50周年を迎える新日本フィルハーモニー交響楽団。1972年に小澤征爾、山本直純の声掛けのもと、自主運営のオーケストラとして結成されてから半世紀。それを受け、昨年より創立50周年イヤーと銘打ち、楽団ゆかりの指揮者や次代を共に歩む音楽家を迎えた演奏会を開催してきた。9月の定期演奏会は、ドイツの名匠マルクス・シュテンツが登場。2018年2月に新日本フィルと初共演を果たしたものの、20年は新型コロナの影響で来日中止、今秋4年ぶりの再共演となる。 シュテンツは、ケルン音楽大学で指揮を学び、タングルウッドでレナード・バーンスタインと小澤に師事。古典から現代まで幅広いレパートリーを誇り、ケルン・ギュルツェニヒ管の音楽監督や、オランダ放送フィルの首席指揮者等を歴任してきた。今回は、新日本フィル桂冠名誉指揮者の小澤に捧げるスペシャルなプログラム。50年前に小澤が指揮し東京文化会館オペラBOX 《子供と魔法》東京音楽コンクール入賞者が揃う、ビギナーから楽しめるオペラ 2004年にスタートした「東京文化会館オペラBOX」は、オペラの名作を小ホールという親密な空間で楽しめる人気企画。今年は、ラヴェルの1幕作品《子供と魔法》を岩田達宗の演出で上演する。登場人物が多く、またバレエのシーンがあるためか、日本ではなかなか舞台上演に接する機会のない作品だ。母親に怒られた男の子がかんしゃくを起こして、家にあるポットやカップを割ったり、壁紙を剥がしたり、猫に悪戯をしたりすると、道具や動物たちが動き出して子どもを懲らしめる。しかし、傷ついたリスの手当てをしてやるのを見て「彼はいい子だ」と去っていく、というファンタジックな物語。 今回のキャストには東京音楽コンクールの歴代入賞者が集結。タイトルロールの子供を歌うメゾソプラノの富岡明子(第1回)のほか、ソプラノの盛田麻央(第12回)、中江早希(第11回)、テノールの小堀勇介(第16回)など、今をときめく若手歌手たちが登場する贅沢
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