eぶらあぼ 2022.08月号
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9/30(金)〜10/2(日) 日立システムズホール仙台(仙台市青年文化センター)、太白区文化センター■ せんくら事務局(仙台市市民文化事業団内)022-727-1872https://sencla.com※フェスティバルの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 「せんくら」の愛称でおなじみ、「仙台クラシックフェスティバル」が9月30日から10月2日までの3日間にわたって開催される。今年で第16回目を迎え、だれもが気軽に足を運べる音楽祭としてすっかり定着している。日立システムズホール仙台(仙台市青年文化センター)と太白区文化センターを中心とする会場で多数の公演が一日中開催され、1公演の長さは45分から60分程度で料金は安価、子どもと一緒にファミリーでも楽しむこともできる。 出演者には日本を代表するアーティストたちがそろう。とりわけ今回は16名4組ものアーティストが初登場とあって、新鮮な顔ぶれが並んだ。ヴァイオリンの神尾真由子、辻彩奈、廣津留すみれ、ピアノの阪田知樹、長富彩、ギターの大萩康司、ソプラノの小林沙羅、バレエダンサーの川島麻実子ら、そうそうたるメンバーが新風を吹き込む。神尾は次期仙台フィル指揮者の太田弦との共演でチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏するほか(公演番号4)、ピアノの田村響とともに今年生誕200年を迎えるフランクの代表作ヴァイオリン・ソナタを披露する(公演番号16)。また、現在大活躍中のデュオ、辻彩奈と阪田知樹はプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番(公演番号32)、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」(公演番号65)をとりあげる。スケールの大きな演奏を期待できそうだ。川島麻実子と上野星矢らによるダンスとフルートの意欲的なコラボレーションも目をひく(公演番号27)。 常連組のメンバーも豪華だ。デビュー10周年を迎えたピアニスト、牛田智大は太田指揮仙台フィルとグリーグのピアノ協奏曲で独奏を務めるほか(公演左上より:神尾真由子 ©Makoto Kamiya/辻 彩奈 ©Makoto Kamiya/阪田知樹 ©HIDEKI NAMAI/大萩康司 ©SHIMON SEKIYA/小林沙羅 ©NIPPON COLUMBIA/川島麻実子/牛田智大 ©Ariga Terasawa/太田 弦 ©ai ueda/川久保賜紀 ©Yuji Hori/青柳 晋/鈴木優人 ©Marco Borggreve/上野耕平番号47)、リサイタルではシューマンのピアノ・ソナタ第1番他の本格派ドイツ音楽プロに取り組む(公演番号1)。ヴァイオリンの川久保賜紀とピアノの青柳晋は、シューベルトのソナタとクライスラーの小品を組み合わせたプログラムを用意する(公演番号34)。リラックスして音楽の愉悦に浸れることだろう。チェンバロの鈴木優人はJ.S.バッハのパルティータ全6曲を2公演にわけて演奏する(公演番号8,10)。同日ながら2公演で会場が異なるのが珍しい。サクソフォンの上野耕平は無伴奏作品を集めたリサイタル(公演番号37)と、ピアノの山中惇史とのデュオ・リサイタル(公演番号12)などに登場する。ともに新鮮な体験を期待できそうだ。 ファミリーで楽しめるプログラムも数多い。0歳から入場できるコンサートが5公演も用意されるのは「せんくら」ならでは。オペラユニットPIVOT!の「チャオチャオファミリーコンサート」(公演番号50)など、バラエティに富んでいる。3歳以上であれば、テレビでもおなじみ、栗コーダーカルテットのコンサートや(公演番号9,40)、遊び心あふれるピアノとヴァイオリンのデュオ、スギテツの公演が楽しそう(公演番号17)。 興味深いプログラムが多く、目移りしてしまうが、公演スケジュールをじっくり眺めてプランを練るのも音楽祭の醍醐味だ。44せんくら 仙台クラシックフェスティバル2022総勢72組のアーティストが登場! 秋の仙台で楽しむクラシック音楽の祭典文:飯尾洋一

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