eぶらあぼ 2022.7月号
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8/11(木・祝)14:00 軽井沢大賀ホール問 MIグループ03-6913-3401https://www.maoito.info■田桂■■■大(秋田・潟上国際音楽祭 アーティスティックディレクター、ピアノ)第1回 秋田・潟上国際音楽祭2022夏公演 7/8(金)〜7/10(日) 秋公演 10/25(火)〜11/15(火)7/8(金)19:00 朴 葵姫ギターリサイタル7/9(土)13:00 浅草オペラショウ ショウほど素敵なものはない♪7/9(土)17:30 秋田ガラ・コンサート 山田武彦と東京室内歌劇場・ゲスト歌手たち7/10(日)14:00 千田桂大ピアノリサイタル ソロ&クインテット マチネ秋田アトリオン 音楽ホール問 コンサートイマジン03-3235-3777/アートオフィスサイチ018-874-9215https://www.akimf.com ※秋公演など音楽祭の詳細は左 記ウェブサイトでご確認ください。76Interview千■秋田から世界へ、新たな音楽祭が始動 7月、新たな音楽祭が産声をあげる。秋田市と、その北に接する潟上市で開催される「秋田・潟上国際音楽祭」。アーティスティックディレクターを務めるのは、潟上市出身のピアニスト千田桂大だ。現代の巨匠エリック・ハイドシェックの愛弟子で、拠点としているヨーロッパでの評価も高い。 「コロナ禍で図らずも長く滞在した故郷で、人々の中に、自分たちの文化がないと感じました。住民一人ひとりが文化を持って初めて、主体的に社会に参画する人間が育成されていくのではないか。音楽祭と名乗ってはいますが、音楽を手段として、たとえば秋田独自の文化とのコラボレーションに進むことで、日本の新しい文化の形を創造するモデルケースとして、ダイレクトに世界に発信していきたいと思います」 と、未来を見据える。 「アーティストと地域との交流や、子どもたちのためのワークショップの開催などを通して、新しいアクティビティが生まれると思います」 初年度は7月と10~11月の2期に分けて4公演ずつの開催。開幕の夏公演は、“オール秋田”色が強い。高橋絵理(ソプラノ)、斎藤忠生、中鉢聡(以上テノール)、小松英典(バリトン)ら、県出身の歌手たちが出演する「浅草オペラショウ」や「秋田ガラ・コンサート」。大正時代に大される。いずれも埋もれさせるにはもったいない佳品で、特に後者のフランス人ならではのハーモニーが生み出す儚い美は一聴の価値がある。この編成のオリジナル作品はまだまだ稀少を極めるが、その可能性を証明するためにも大切な実演となる。8月公演は前述2作のほか、ソロやデュオの作品も演奏される予定で、勢いに乗る若手3人それぞれの特長や魅力も味わえる。夏の軽井沢で「夢の色彩」を味わうひととき。衆オペラが賑わいを見せた浅草は、秋田(久保田)藩の上屋敷があったゆかりの地だ。「秋田とのつながりが、コンサートに親しむきっかけになれば」と言う。 千田はヴァイオリンの﨑谷直人やチェロの富岡廉太郎らとともに、ソロと五重奏を弾く。 「桐朋学園大学時代からの大親友。二人は、“秋田にプロ・オーケストラを作る会”の会長を自称してくれています」 ゆくゆくはこれをオケに発展させたいと夢は膨らむ。そして秋公演には、アンリ・バルダ、フィリップ・カサール(以上ピアノ)ほか海外勢が続々出演。 師のハイドシェックの最初のレッスンは、ピアノに触れずにシェイクスピアのレクチャーだったそう。「ピアノは表現の手段に過ぎない」と、文学、美術、哲学、映画など芸術・文化全般を徹底的に教え込まれた。「一人ひとりの文化の発信」にこだわる原点がそこにある。 とはいえ、むろんエンタテインメントとしての魅力で音楽祭を成功に導き、伊藤万桜陬波花梨地域に定着させる大切さも承知している。近い将来、名前を聞いたらびっくりするような大物ハリウッド俳優を招聘するプランも明かしてくれた。 千田自身も、これが日本での本格的な活動をスタートさせる契機となる。30代の若いディレクターが率いる音楽祭がどんな成果を生んでいくのか。大いに注目だ。取材・文:宮本 明文:林 昌英黒岩航紀SUMMER CONCERT in Karuizawa “情熱の異色トリオ”異色トリオの“色彩”を軽井沢で味わう 伊藤万桜(ヴァイオリン)、陬波花梨(サクソフォン)、黒岩航紀(ピアノ)の3人による、ありそうでなかった異色の組み合わせ。先日アルバム『夢の色彩』(デジタル配信限定)がリリースされたばかりの気鋭のトリオが、8月の軽井沢で「情熱の異色トリオ」と自ら題したコンサートを開く。 トリオ結成の経緯やアルバムについては本誌6月号のインタビュー記事に詳しいが、アルバム収録の2作、ピーターソンの三重奏曲第2番とドフォンテーヌ「夢の色彩」は本公演でも演奏

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